第370話 『名前のない悪魔』

「この本は…… オジさんが書いた本だと、うかがったのですが……」

 本の表紙を海翔カイト氏に見せた。 

 海藤 翔作、『名前のない悪魔』だ。

 

「ン…、ああ、それか……」小さく頷いた。

「それなら……、かなり昔、大学生の時に自費出版した本だ」

 遠くを見つめて懐かしそうに微笑んだ。


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