第371話

「いわゆる…… これは悪漢ピカレスク小説の一種ですよねェ……」

 もう一度、僕は確認のためパラパラとページを捲った。


「うむ…、いち時期ブームだったンでねェ。

 若気わかげいたりだ……」

 海翔カイト氏は苦笑いを浮かべた。 


「いえ、ご謙遜でしょう。面白いですよ……

 あ…❗❗ し、しまった❗❗」

「えェ…❓❓ どうしたの。ゴー

 

「そう言えば、本を忘れてきちゃった……」

 そうだ……。あの時、保健室で……

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