ひとは見た目が100%
――とまではいかないが、やはりかなりの要素を締めているとは思う。
ましてや思春期ともなれば、身の回りに怪訝な存在がまとわり付いてくることさえいとうものである。
本作の主人公もまた「金縛り」とあだ名される面妖な女子に懸想されてしまう。
そのことごとくを主人公である少年は嫌がるのだが――。
生卵なのか、ゆで卵なのか。
その中身は割ってみなければ、見た目だけでは判断がつかない。
そう。
まずは割ろうとすることが肝心なのだ。
少年は最後に気づいた。
自分が長い間、卵をよく見てなかったことに。
そして割ろうとすらしなかったことに。
3000文字に込められた納得のラブコメディ。
さらっと読むもよし、深く刺さるもよし。
読んで損はない。そんな作品だ。