第17話疑問と稽古と問題勃発

とりあえず夕餉との事なので自分はなんとなく勝家さんに問いかけてみた。

「そういえば湯に浸かることって出来るんですか?」

「湯に浸かる?ああ、そういえば以前信長様がいつか湯に浸かる風呂を作りたいとか言ってたな。今やってるところというと武田の仏教かぶれが湯に浸かってるとかなんとか聞いたな。まぁ、織田軍が武田に侵攻でもしなきゃ入れないだろうな。」

「そうなんですね。ちょっと残念だなぁ。」

そういうと勝家さんは呆れたようにこういった。

「お前なぁ、今はとにかく京に旗を立てることが第一優先なんだ。逆方向の甲斐に攻め込むなんて都が移りでもしない限りありえないよ。」

「それもそうですね。そのために美濃攻めしてるのだし。」

「そうだ、次こそはなんとしても!」

そういい、勝家さんは食べ終え部屋を出ていった。

自分もすぐに食べ終わり部屋を出る。

予定通り風呂に入り寝ることにした。

翌朝起きると利家が来ていた。

「よう、坊主。今日から次の出陣まで付き合え。」

「よ、よろしくお願いします!」

「いい返事だ、そい!」

言うが早く槍で突いてくる。

自分もすぐさま避け突こうとするも当たらず、逆に突かれる。

「ほら、早く立て。次行くぞ!」

そう言うと自分が立つと同時に突いてくる。

正直避けるだけで精一杯、それどころか少しでもズレたら当たるぐらいの余裕しかなくそれどころかいくつか槍に当たった。

それから丸一日同じようなことが続き自分が打ち込めたのは一回か二回だった。

翌日も利家さんは来て稽古をつけてくれた。

そしてまた翌日も稽古をつけてくれた。

疲れている体をどうにか動かし風呂から出て寝ようと思ったが寝つけなかった。

月もキレイだし散歩にでも行こう。

そんなことを思い寝室を出て裏口へと向かった。

草履を履き門を出て敷地を出る。

家の周りでも歩こうと思い歩きだす。

光源が何一つない為星がとてもキレイに見えた。

元の時代にいた頃に見た事がない程の星が見えた。

それから少し歩き家の正門辺りを歩いていると正門の目の前に誰かがいた。

「そこに居るのは誰だ!」

そういい自分は走りだし近づく。

「って信行様...!?」

そう言うと信行様は指をたて静かにするようにジェスチャーをした。

とりあえず家の中に招き入れお茶を出す。

「どうしてこんな所に居るんですか?」

と小声で問いかけた。

「実はね新鬼...」

そういいお茶を一気飲みするとこう言った。

「逃げてきた」

「ってええええええええええええ!!!」


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突然死んだら戦国の世にいました 渡辺赤城 @watanabeakagi

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