第15話帰還と再開

西美濃から帰ってきた織田軍はすぐさま主要幹部を集めて軍議が行われた。

内容は二ヶ月後に再進軍、兵力増強であった。

つまり残り二ヶ月で腕をあげなきゃいけないのだ。

しかし考えていても意味があるわけでもないのでとりあえず今まで通り訓練するのが一番だろう。

「あ、ここに居たのか新鬼。なんかさっき信行様が呼んでたぞ。」

歩きながら考えてると勝家さんに会った。

「分かりました!とりあえず行ってきます!どこに居ますか?」

「さっきまで信長様のところで軍議を行っていたから多分今頃は館に居るんじゃないかな。今日やることは他に任せていいから行ってこい。」

「それでは行ってきます!」

それだけ聞くと勝家さんは歩きだした。

ここから信行様の館まで実に二時間近くかかっていた。

以前来たときはそれ以上の時間がかかっていたから自分自身体力が付いてきたようだ。

館に着き門を叩く。

そうするとすぐに開き中へ通された。

ある一室に案内されそこで座って待つことにした。

それから少し経つと信行様が来られた。

「よく来たわね新鬼。それで一つだけ聞いていいかしら?」

「な、何でしょう・・・?」

「なんですぐに来てくれないのよおおおおおおおおおお!」

「えっ?」

「だからなんですぐに来てくれないの!あなた出陣前に行ってたわよね!もうっ!」

「す、すみませんでしたぁ!」

信行様は頬を膨らめて怒っていた。

しかしすぐに顔を戻し話しはじめた。

「まぁいいわ。次の出陣だけどあなたは私の隊に率いる事になったわ。勝家とは少しのお別れね!一緒に暮らしている人と違う隊なのは寂しい?」

「い、いえ!そういう関係ではないので!」

「そんなに照れなくたっていいのよ?なんせ一緒に寝ている仲ですもの」

「そんなんじゃないです!」

「もう、そんなに隠さなくっていいのに。まぁいいわ。とりあえず伝えたわよ?そういえばもう昼時ね。ご飯でも食べましょう?」

確かにいつのまにか美味しそうな匂いがしてきている。

それから信行様が手を叩くと部屋にご飯が運ばれてきた。

あらかじめ打ち合わせされていたようだ。

ここはお言葉に甘えてご飯を食べることにした。

「ところで後から聞いたけどあなた今回の戦で一人打ち取ったようね。よくやったわ。」

「あ、ありがとうございます!」

「けど良かったわ。だいたい初陣は戦場で逃げ回るか死ぬかですもの。吐いた後一人打ち取るなんて上出来よ!」

そういうとゲラゲラ笑いだした。

どうやら誉めながらあの吐きそうな顔を思い出したらしい。

「そういえば姉様から恩賞貰った?姉様って言わなきゃ恩賞くれないからね。勝家経由で申請しなきゃよ。」

「分かりました。帰ったらやります!」

そんな感じでどうでもいい話やらなにやらを話していたら食べ終わっていた。

勝家さんにと手土産を渡され帰途についた。

帰ったら武器の手入れと恩賞の申請をしないと・・・


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