第12話緊張の昼ごはんと不穏な空気と生を味わう日

「ところで信行様、今回急に呼び出されたと言ってましたがどういう内容だったのですか?」


ご飯を食べながら勝家さんは話を切り出した。


「ん?姉様に呼び出された理由?なんか次の合戦の時に出撃しろっていうのと名前を変えろって」


「あ、これも美味しそうだわね」と言い咀嚼した。


「次の合戦に信行様が出撃なさるとなると自分はどっちの陣に入ったほうがいいのでしょう?」


勝家さんが戸惑いながら聞いた。


「姉様の話だと勝家は姉様でも私でもなく自分で兵を率いて合戦に向かえって」


勝家さんが軍を率いるとなると自分も勝家さんの軍勢に入ることになるのか。


任務としては以前こなしたが合戦は初めてだ。


「勝家さん、自分はどうすればいいのでしょうか」


「新鬼は自分と一緒に出撃だろう。信長様からお前は私を見て習うことを習えといったのだし」


「ですよね。そうじゃないかと思ってましたがやっぱりそうでしたか。」


そうすると横に信行様がやってきた。


「新鬼、勝家がいやなら自分のところに来るか?勝家に教えれないことも教えてあげる」


笑いながら言っていた。


「ダメです!たとえ信行様でもそれだけは許せません!」


勝家さんは赤面していた。


なんでかは知らないけど。


「えー。新鬼を自分のところに置いて色々と教えたいのにー」


「ダメです!ダメと言ったらだめです!信行様だからと言ってすべて許せるわけではないです!」


さっきよりも顔の赤さは増していた。


「えーと、信行様。申し出はありがたいですけど勝家さんがこんな状態なので今回は・・・」


「仕方ないわ。今回は勝家に譲ってあげる。だけど次は逃がさないわよ!」


そうこうしているうちにみんな、ご飯を食べきっていた。


「それじゃ、自分はご飯も食べ切ったし帰ろうかな。そういえば新鬼、今から刀を買いに行くんだったよね?」


「はい。今から買いに行く予定でしたけど何か・・・?」


「そっか。それじゃあこれをあげるは」


そういい腰に差していた刀をこちらによこした。


「その刀は私が刀匠に直々に頼んで作らせた刀だけど新鬼にあげるわ。くれぐれも戦で壊したり無くしたりしないでよ」


そういい信行様は僕に刀を渡してまた座った。


どうやら証文を書いてるらしい。


普通に考えたらあり得ないことだがこれは信行様に気に入られたということなのだろうか・・・?


それと勝家さんはさっき赤面してたがなんでだったんだろう・・・


どうやら怒ってるわけでもないようだし・・・

そんな事を考えているうちに信行様が証文を書ききり自分に刀と証文を渡してきた。


「さっきも言ったけどくれぐれも戦で壊したり無くしたりしないでよ。釘を刺しておくわ」


「あ、ありがとうございます!必ず無傷で帰ってきます!」


そうすると信行様はにっこり笑った。


「今回の戦が終わったら必ず私の館に来なさいよ?もし終わっても来なければ首を取りにくるからね!戦が終わって私が生きてたら館で待ってるから!」


「はい!必ず信行様の館に向かいます!必ず。」


そうするとまるで用が済んだようで帰ろうとしていた。


「じゃ、私帰るから。勝家、ちょっと・・・」


そういうと信行様は勝家を連れて部屋を出た。


それから数分後勝家さんが帰ってきた。


その顔には曇りが生じていた・・・。


「勝家さん、何かあったんですか・・・?」


「ん?あ、いや何でもない。ところで今回授かった刀だが必ず肌身はなさず持っていろ。もしお前が信行様から刀を授かったと知れ渡れば奪おうとする輩も出てくる。」


「分かりました。肌身はなさず持つことにします!」


「ああ、それでいい。よし、この後は城下町散策と洒落込もう!戦っていうのはいつ命を落とすかは分からないからな。生を味わえるうちに味わっておいた方がいい。」


「分かりました!それでは準備します!」


「それではちょっと部屋から出るからそのうちに準備しておけ」


そういうと勝家さんは部屋を出た。


そのうちに準備せねば・・・


それから勝家さんと城下町散策に出た。


ある賭博ができるところで賭けをした。


当然ボロ負けだった。


それから甘味屋に行ったりしているうちに夜になり屋敷に帰った。


それから二日が経ち美濃進行前日。


最終打ち合わせの為に信長様の元に家臣一同が呼び出された。


いよいよ合戦が始まる。


この世に来てから初めての合戦が・・・

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