第7話 キャメラワーク

 信仰の話もそこそこに、わたしは放送時のキャメラワークについて解説を行って貰った。



A.わたしの放送システムの中核を担う二台のキャメラ――まずひとつはわたしの腰部に取り付けている。


 そこから常にわたしの股間を捉える――これが第一の勃起の証明だ。

 またもうひとつは、わたしの全身を映すことで、この勃起の継続がわたし自身のものであることを証明する役割となっている。即ちこれが第二勃起証明である。


 この二台のキャメラが、わたしのペニスを丸見えにしているという訳だ。



Q.二台同時に映しているということか?



A.無論だ。わたしは何事もフェアを信条としている。



Q.ところで、あなたの放送のウリはなんだろうか?



A.ウリといっても、基本的にわたしの放送では、自分の勃起以外にさしたることは起きないが、物事には魅せ方というものがある。


 自画自賛になってしまって申し訳ないのだが、食事、睡眠、排泄に至るまで、わたしの勃起が継続している点というのが、強いて言えばウリといえるだろう。


 まず食事の際のペニスは、ウィンナーみたいで可愛いと評判だ。


 特に睡眠時のペニスは特に可愛らしいと定評を頂いてる。

 こちらは、「是非添い寝してあげた~い」という女性の声も多数寄せられている。


 更に排泄の際については、その筋の者に需要があり、こちらも高い評価を頂いている。


 但し、勃起をしているために、わたしの尿の弾道は噴水に近い軌道を描くものとなってしまう。

 これに対し、一方を貯水タンクにつなげた透明の筒を我がペニスに被せたうえで発射することで、わたしは日々衛生的な処理に務めているところだ。



Q.大型の屎尿しにょう瓶といったところか?



A.そう捉えてもらって構わない。



 確かにこの部屋の中には、透明の貯水タンクが複数置かれており、中には彼の尿らしき液体が大量に入っているものもあった。

 その黄金色の液体は、彼の努力を輝かせていた。

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