お・べ・ん・きょ・う
「さてさてと校庭に着いたことだし。お前ら全員かかってこい。俺が相手してやる。」
「え、全員ですか。」
ある女子生徒は思わず聞き返す。俺は意地悪そうにニヤニヤと笑いながら続きを話す。
「ああ、これで一発でも当てられたら。お前らは冒険者で十分通用するぜ。」
生徒たちは本当かと盛り上がる。
「じゃあパートナーの準備が整ったならいつでもかかってきていいぞ。ああ、それと担任の先生やファニを預かってくれ。」
生徒たちはその相棒を置き去りにして自分たち全員とその相棒たちを相手にすると聞いて憤慨した。
「ロレンさんあんまりです。私たちはそんなに弱くありませんよ。」
「そうです。そんなことをしたらロレンさんがけがをしてしまいます相棒を連れてください。」
担任はどうしたらいいものかとオロオロしている。
「先生や、まだ生徒たちにモンスターの属性についての授業は行っていないのか?」
「いえ授業ではすでに行っています。」
「じゃあ生徒たちの理解度の問題かな。じゃあみんな君たちは敵が相棒と引き離す戦法を用いたら君たちは敵のモンスターに黙ってやられるのかい。プロ冒険者の大半は相棒と離れ離れになることを想定した上で相棒がいなくてもまた相棒もこちらの指示がなくても行動できるよう鍛錬を積んでいる。ここまで言えば俺が大丈夫だっている理由はわかるな。じゃあ開始だ。来ないならこっちから行くぜ。」
「ペンペン先制させないでこっちから行くよ。」
バイソン系の闘牛以上の大きさを持ったモンスターを相棒に持つ憤慨した生徒の一人が攻撃を仕掛けさせる。
「Fumooooouuuuuuu!!!!!!!!!!」
「おうおう、力だけの単調な攻撃だな。これじゃあ冒険者ではやっていけないぜ。」
スッと指を締めバイソン系モンスターの腹と背中を触る。すると瞬く間に顔面からすっ転んだではないか。
「え?」
相棒が自滅したかのように見えた女子生徒は何をされたかわからないといった感じで思考が止まっていた。
「どうした、最下級のスライムよりも上位のモンスターの《世界の祝福》の持ち主たちが聞いて呆れるぞ。《世界の祝福》にカマかけて怠けていたのが目に見えているぞ。」
生徒たちをわざと怒らせ挑発する。
「なら魔力よ。グラス[シャイニングクリスタルシャワー]」
結晶の精霊が水晶を生成し太陽の光を屈折させロレンの周りを高温状態にしながら流星群のような雨となってロレンを襲う。
「それは悪手にもほどがあるってもんだぜ。」
水晶をあたる直前に地面にあった石を蹴り上げぶつけることで方向を返させると共に水晶を砕き緻密な屈折現象に反射の現象を加えさせる。それによって乱反射した光は全て発生させた結晶の精霊に直撃した。結晶の精霊はあくまでも結晶を司る精霊で会って光を司るわけではない。よって逃げ場を失った光は先ほど以上の高温状態となりミラークッキングの温度を超えた。全方向からの超高温の炉のような状態となった。
「あ、やべ。」
流石にやばいと思った俺は精霊を助け出しその主人の生徒に返す。
「はあ、性質を考えたうえでやれよな。今のは俺も悪かったが技の性質を取って利用するのが主人の戦い方ってもんだぜ。」
生徒たちは既に飲まれかけていた。だが俺は続ける。最高の勉強をさせるために。
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