帰郷
「よしロレン君もういいぞ。」
「たった二週間だってのなに懐かしい視線だな。」
ロレンの肉体は現在子供の身体に戻っていた。
「これで町に行けるな。」
「チェシルが悪魔の魔力を使えるようになった要因が大きいがな。」
「まあいいじゃんもうレナ姉誘って甘味処に行っていいんだよな。」
「おう久々の休みだ、存分に自分を確かめてこいよ。」
「ああ。チェシル[魔憲]」
チェシルが本になりロレンはそれを開く。
「[開門]じゃあまた明日。」
悪魔の空間が開かれる。
「明日はビシバシ行くからな。」
「勿論!」
ロレンは悪魔の空間に入っていった。
場所は変わりチーズの製造洞窟
「ふう、父さんこのくらいでいいかな。」
チーズを見せていたレナ。
「中々に活性化できているな。だがロレンの実力に程遠いと思うぞ。何せ兄貴のところで修行しているんだ。確実に大人の身体にはなっているだろう。」
「うん、でも一歩ずつ頑張る。」
「さあ一度帰るぞ。そろそろアンネとの練習があるんだろ……む、この氣は。」
「父さん、レナ姉久しぶり!」
「ロレン!」
レナはロレンが姿を現わすと同時に抱き着く。ロレンも応じて抱きかかえる。
「久しぶりだなロレン。その様子だと身体操作を習得したようだな。」
「さすが父さん。」
「当たり前だ。何よりも氣がここに来たばかりの時のままだ。他にも色々覚えたみたいだな。今日は初めての修行のお休みの日か。」
「うん、だからレナ姉を誘って甘味処に行こうと思って帰ってきた。」
「おうおうその前にアンネに顔を見せてやれ心配してるぞ。」
「わかった。」
レナは喋らずロレンに寄り添う。まるで愛止まぬ熟年の夫婦のように優しくも力強いものを感じながら家に帰っていく。
父は帰った後の嫁姑問題を想像しながら子供の成長を歓迎する反面、自立するのが早すぎるてどこか悲しく感じる自分の仕出かしたを棚に上げた心境だった。
ロレンは久々に家の扉を開く。
「母さんただいま。」
玄関でそう言うとバタバタと音がした。
「おかえりなさいロレン。」
「おかえりロレン。」
「母さんただいま。今日はロレンとデートしに行っていい?」
帰ってきて早々に爆弾を持ち込むレナ。
「そうね、じゃあビアンカ達と行ってらっしゃい。夕飯までには戻ってね。」
父、この世のものとは思えない顔をする。
「うんじゃあ行ってくる[魔憲・開門]ビアンカ姉さん、レナ姉、この中に入って行こう。」
ロレン達は了解を得るとすぐにゲートを作り出ていった。
「さてアナタ千を飛ばして。」
「だよなあ。」
やっぱりといった感じで千を呼び出しユウイチのいる都市に向かうのだった。
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