閑話 母と父の一幕

母アンネはロレンの診察の結果を伝える為に休憩している旦那を呼び出していた。無論、般若を携えて。


「あなた、ロレンを治療したんだけど。その時にスフィンクスがロレンの訓練に時刻豹の術がロレンの脳を酷く損傷させていたそうよ。(おい、コラァ!!うちの可愛い息子に何してくれてんだ。この落とし前どう着けるって言うんだ。)」


父は驚愕して

「え、マジか。」

この一言、


(謎の声S:もし怒られたとしてもこの聞き返しは人をイラッとさせやすいので注意しましょう。正答例:すみません。私のときはこのように教えられていたものでして、どうか未熟者の私に〇〇様の考えをお教えいただけないでしょうか。解説:基本的には最初に謝って自分の経験を元に教えられた場合はそのように本当の知らなかった場合は謙譲語(自分を下にして言う言葉)を使いあくまでも非は自分にあることを表現すると良いでしょう。)


「ええ、そうよ。スフィンクスが言うにはファニの前の主人のことも影響しているらしけど。スフィンクスも5歳の子供にやらせる訓練ではないって言ってたわ。(医者がここまで言ったんだ児童虐待もんだぞ!!)」


(謎の声S:先程言った通り怒られてますね。このように現代でも見知った知識を元に自分は正しいと思う人も多いかと思われます。そう言う人に限って偏っている知識である場合が多いので物事には色々な捉え方があると理解しましょう。自分の常識を疑うこれこそが怒られないようにするコツです。なんか説教じみてすみませんでした。by未熟者)


「それは悪かった。すまん、この通りだ。」

と言って土下座をする父。威厳は0、実にみっともない。


「じゃあロレンに訓練するのやめてくれる?そうすれば、ロレンは村の子どもたちとも遊ぶようになるし友達もできると思うの。(5歳の子どもはやはり遊ぶべきだ。)」

サラッとスフィンクスの診断結果無視して自分の願望を入れてくる母。


「けどよ、ロレンだって訓練したくてやってるわけだしそこらへんの意思もこれから改めて聞くからさ時刻豹の術をロレンに使わない訓練なら良いんだろだから。勘弁してくれよ。」

すげえ妻と般若にビビりながら恐る恐る聞く父。


「ええ、解ったわ。ちゃんとロレンの意思も聞いてね。後せめて遊ぶ時間は作ってあげてまだ5歳なんだから友達を作らせてあげてね。」

少しばかり図星を言われた母。譲歩はするもの譲りはしない。


「えっと、時刻豹の術は使えなくなるからその分もっと訓練の時間を増やしたいんだが。」

父、ここで反論


「何か言いました?」

母、笑顔で聞き返す。 目は笑ってない。

般若、ギロリと睨み殺意を出す。普通に怖い。


「解りました。ロレンに遊ぶ時間を作ります。」


「はい、よろしい。後今週末のお酒は無しだからね。」

ここで更なる無慈悲な宣告。


「え、俺の楽しみが。」

田舎での数少ない楽しみである酒を取られては堪ったものではない父。


「返事は。」


ーチャキー


そんな音が聞こえて来たかと思えば父の首元には小刀が般若によって添えられていた。


「は、はい承知しました。」


父、弱し。般若、強し。

こうして、父は時刻豹の術を使わずにロレンの訓練の質を下げることなく訓練の時間を減らすという無理難題を突きつけられたのであった。ついでに酒も取られて。





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