あれから1か月+相棒の過去
季節は真夏
ロレンが目を覚ました時、彼には自分自身の記憶が無かった。その為、牧場夫婦をすんなりと受け入れて夫婦の息子として家族の一員になった。
場所は変わって森の中
ロレンは契約を結ぶべく父とスライムを探すために麦わら帽子被り森に来ていた。父の《世界の祝福》は《猫の祝福》である。今居るこの森はアールブ(地域によってはエルフと呼ばれる)が潜んでいるとされ、そこそこ、強いモンスターも居るため父もパートナーである王虎の亜種である炎王虎と日天の獅子を掛け合わせた虎獅子の千を連れていた。
しかし、ロレンはスライムと契約を結ぶのが不満なのか石を蹴りながら文句を言っていた。
「ねぇねぇ、とうちゃんなんでぼくはかあちゃんのひつじやとうちゃんのねこのしゅじんになれないの?」
子供のウルウル目攻撃に父は
「うーん、ロレンには難しいかもしれないけどな。世界が決めちまったんだ、此ればかっりは諦めるしかない。」
父、魔法・大人なれば解るを発動、しかしロレンの我儘攻撃
「けど、ぼくもひつじもふもふしたり、ねこなでなでしたりしたいよ」
と千を撫でながら追加効果の千の猫顔発動
しかし父、罠・紳士な対応でガード
「安心しろロレン父ちゃんはな昔、母ちゃんと旅してた時に母ちゃんの羊の魔物と同じくらい毛を生やしたスライムがいたからな。」
それでも不満だったのかロレンは追加攻撃
千を見ながら
「でもスライムじゃすぐやられちゃうよ」
これに対し父は
「ははは、そりゃロレンお前が世界を知らねえからだ。無茶苦茶強いスライムの主人になった奴は父ちゃんが知ってるのには二人は居る。一人は俺の兄貴、ロレンの叔父さんだな。兄貴は二人いるが長男の方だ。今度合わせてやる。」
永続魔法・己の経験+カウンター罠・身近な証人を発動、
これにより、ロレンは目を輝かせた。
「それなら、ドラゴンも倒せる?」
その質問に父は
「ああ、もちろんさ。・・・っとスライムが出てきたぞ。」
すると宣言通り茂みから青い色のスライムが出てきた。スライムの身体は、瑞々しく食べた事も見た事も無いがまるで高級ゼリーの様だ。スライムは仲間になりたそうにロレンを見ている。ロレンはそれに対して
「じゅるり、おいしそう。」
との5歳児相応の返答、これに対し父は
「おいおい、食べる気かよ。腹壊すぞ。それにスライムもドン引きして逃げようとしてるぞ。」
と真面目にスライムが逃げようとしていたので、父は相棒の千に退路を阻ませた。
「いいかロレン。スライムに手を出してして
頭に浮かんだ事を言うんだ。」
スライムは逃げる事が出来ないと悟ったのかじっとしていたので、ロレンは父の言った通りにスライムに手を出した。すると頭に妙な言葉が浮かんできた。
それを父の言った通り唱えてみた。
「我、■■■は汝を求め悠久にして永劫なる時を持って生涯を共にする。」
するとスライムに魔法陣が現れ、ロレンの視界は煉獄に包まれた
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ある青色のスライムの追憶
燃え盛る炎が渦巻く荒れ果てた町の中
三ツ首の龍とそれに立ち向かう戦士達が居た
そして、己を肩に乗せた8歳程の少年が居た
戦士達の中には少年の血縁も居た。
だが龍の使う影の刃や凶爪は凄まじく戦士達の持つ武器を壊し、三つの口から毒霧を出し戦士達を弱らせため戦士達は悉く散っていた。
少年は絶望したと同時にこれから己に起こるであろう身が引き裂かれることに恐怖した。故に龍に立ち向かった。少しでも抗うために
相棒のスライムと共に
そこから先の記憶はスライムには無く
気がつけば森の中に居た。主人との繋がりは感じられかった。しかし、スライムは信じたくなかった。主人が亡くなったことを。そしてかつての主人と似た気配を感じたスライムはその方角に向かった、そこにいるはずのないかつての主人が生きていると信じて。
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