8-4.酒の失敗、街ブラ、訓練

朝、冷たい感触で目が覚め・・・



ゴソゴソ・・・







カラッとしたお日様の香りで目が覚めた。

隙間から光が見えたので起き上がって木窓を開けると昇り始めた朝日が見える。



「カラッとしたいい朝ね、カラッとした。清々しいわ~、カラッとするわ~」



太陽に向かってうーんと勢いよく伸びをしたら胸元のボタンが『バチューン!』と銃弾のごとく飛んで行って見えなくなった。

うわっ、丈夫なスパイダーシルクの糸が切れた!?


「あ、あれ~?」


昨日までぴったりだった服なのにボタンが弾け飛んだってことは、一晩で胸が成長したってこと?どういうことなの!?


困るわ~、こんな調子で大きくなられたらおっぱいオバケになっちゃう!

・・・バストダウン体操的なものは無いのかな?



「ウッ!・・・頭痛い、ぎぼぢ気持ち悪い。」



何か、頭がガンガンするし吐き気がある。

キュアコンディションの魔法をかけたらサッと体調不良は、治まった。・・・何だったんだろ?



魔法で新しい服と下着を作って着替えたら朝食を食べに行こう。




◆◇◆◇




「よう、元気か嬢ちゃん?」

「おはよー、ディグっち。私は元気だよ?」


「あ、ティファちゃんおはよう。体調は大丈夫?」

「おはようございます。体調って何かありましたっけ?」


「あー、覚えてねぇか」

「そうみたいね・・・。ティファちゃんごめんね~」


え?何かされたの私!?まさか、朝のおねしょ・・・いや、違う違う!カラッとしてたからね!カラッカラだからね!


「喉を詰まらせた時にお酒を飲ませちゃってね、酔っ払ったティファちゃんがもう2杯お酒を飲んじゃったのよ。」


何てこったい!・・・ってあれ?

私は、お酒には強いはず・・・ん?エルフになってからは初飲酒だった。ということは・・・この体めちゃくちゃアルコールに弱いってことなの!?


「いえ、私が食べ物を詰まらせたのが悪いんです。気にしないで下さい。」

「・・・ティファちゃんは、ホント良い子ね」


抱きしめられてわちゃわちゃと撫でられてしまった。


「ところで嬢ちゃん、昨日飲んでたミルクはまだあるか?すげぇ美味かったからキーラにも飲ませてみたいんだが」



「・・・・・・え゜!?」



めっちゃ変な声が出た・・・


「このグラスに入ってたので一杯は嬢ちゃんが飲んで、もう一杯はほんの一口のつもりで俺が飲んじまったんだ」

「ティファちゃんも『うまーい!』って叫んでたしミルクが好きじゃないディグが美味しいって言うんだから興味あるわ・・・ってどうしたのティファちゃん?」


あああああ!!!何やってんの私!よく見たらディグホースの魔力が数百倍単位で跳ね上がってるし!

胸が大きくなってたのも、それが原因だったのね!?



「どうしたの?大丈夫?」

「キーラさん、ちょーっとこっちに来て頂けますか?ディグっちは待機で!」

「お、おう」


「で、どうしたのティファちゃん?」

「あのですね・・・そのミルクっていうのは、私の・・・」


「ティファちゃんの?」

「・・・母乳です。」


少しの間、時間が停止したような気分になった。

キーラさんも引きつった笑顔で固まっていた。


「と言うわけなので、もう無いということにしておいて下さい。」

「うーん、色々と残念だけどそういう事情なら仕方ないわね。私も飲みたかったなー(チラッ、チラッ)」


「ダメですってば!すごく恥ずかしいんですよ!?」

「ティファちゃんのケチー!・・・まあ、いいわ。いつか気が変わったら飲ませてね?」


そんないつかは来ないでほしい。



朝食を食べ終わるとディグホースとキーラは、ダンジョン攻略に行くと言って宿を後にした。

その際、すっかり忘れていたディグホースへの報酬・・・〈祝福の接吻〉を行ってらっしゃいのチュー的な感じでしておいた。


ジョージ達はまだ寝てるみたいだけど・・・ホントに疲れているのか、またナニかをしたのか分からないけどとりあえず放っておこう。





今日は、フォーレの街を見て回ることにしようかな


商店街の品ぞろえは、内陸の街だけあってアールストとさほど差がなかった。

やっぱり流通が悪いせいか魚系が弱いね。食べたいわけじゃないけどね。

売ってない事はないけど、元日本人から言わせて頂くと鮮度が酷過ぎて生ゴミにしか見えない。



さて、文化を見るには雑貨屋さんを見るのが一番だよね♪


カゴをもって店内を物色していると奥の通路で宝の山大人の玩具を見つけた。


成人したてらしい純朴そうな青年が真剣な目で商品を物色している。

少し奥の方に居たオジ様方は、さり気なく離脱する高等テクニックで逃げ出した。暗殺者もビックリな手際だよ!


青年は、かなり熱心に品物を見ているので私には気づいていない。


興味がわいたので青年の隣に行って商品を手に取る・・・これは、お尻用の!?


「うわぁ~」

思わず声が漏れてしまった。


青年がこっちを見る・・・段々と顔色が悪くなって


「い、いやぁあああ!」


女の子みたいな悲鳴を上げてバタバタバタと走り去ってしまった。

失敬な!美少女の顔を見て悲鳴を上げて逃げるなんて!


堂々としていればいいんだよ堂々と!



・・・あ、いい事思いついた!



ヴィィィィィンンンン!!!



魔動マッサージ器を肩にあて首をコキコキ鳴らし、謎の貫録を醸し出しながらお会計へと歩いていく。


「ふぅー超気持ちいい!冒険で疲れた体に効くわ~。お会計お願いね。」


ドサッっとパンパンにアダルトグッズを詰め込んだカゴを無造作に置いて肩や腰のストレッチをしながらお会計を待つ。


「あの、お客さん・・・」

「何か?」


何の問題ですか?って感じの余裕たっぷりのふてぶてしい表情で店員のお兄さんの顔を見返す。


「未成年には、こういうアレは売ることができないんですよ。次やったら出禁にしますんで」

「ッすみませんでしたー!」


うん、ジャンピング土下座で謝ったよ・・・


お兄さんは、未成年を判別できる魔眼持ちだってさ!何てニッチな能力を持ってるのよ、ちくしょーめ!

まあ、身分証を求められても終わってたんだけど・・・何か悔しいーッ!




ぷりぷりしながら歩いているとダルそうに歩くジョージ達を発見したので休憩がてら喫茶店でお茶にさそってみた。


「うー、腰がいてぇだぁ~」

「「腰が痛いわ~」」


一体ナニをやらかして腰が痛いんでしょうね!(ビキビキ←キレそうな音)

3人で腰をトントンしながらお茶をすする姿は、若者らしさが無くて非常にみっともなかった。


「貴方達、反省してないわね・・・夜の腕前じゃなくて冒険者の腕前を上げておかないと本気で死ぬわよ?」


「これからギルドに行って訓練を受けるところさ」

ドヤ顔で言うジョージと頷くアナとデミ。


3匹の生まれたてのヤギみたいな状態で何をのたまっているのやら・・・その辺にいる子供にすら負けそうじゃん!

そんな状態で訓練になるわけがない。

仕方ないので魔法で体調を整えてあげた。


「すごい、疲れが吹っ飛んだ!」

「「ありがとねスティファニー」」


「どういたしまして、あとね貴方達の武器が合ってないから新しいのをあげる。ギルドに着いたら渡すからね。」


激甘の紅茶を喉に流し込んで席を立つ、冒険者ギルドへ向かおう。




◆◇◆◇




さて、ギルドに着いたら初心者講習の時間を確認すると午前の部は講習中で途中参加は不可だった。

午後にも講習枠があるのでジョージ達に参加するように念を押しておく。


新武器を渡すために訓練所に移動する。


「喫茶店でも言ったけどね、貴方達に合った武器を渡すね」

武器創造で作って一人ずつ渡していく。



まず、ジョージ


「確かに手に馴染むんだが・・・何でクワ?」

「何でも何も・・・貴方の筋肉は、クワを振るって鍛えられたものよ。クワを使うのが一番いいに決まっているじゃない。」


「嫌だ!オラ剣を使いてぇだ!」

「そういうのは、強くなってから言ってね、はい次~!」


デミに槍を手渡す。


「これは・・・槍じゃなくてスキじゃない!」

「槍型のスキだからある種これは槍と言っても過言ではないよ?それに慣れてるから使い易いでしょ?」


「確かに、子供の頃から使ってるけどダサいし!」

「はいはい、まともに魔物を倒せるようになってから言ってね、はい次~!」


アナに棒を渡す。


「えっと?ちょっと変わってるけどフレイルだよね?」

「いいえ、唐棹からざおよ。脱穀用の道具だけど一応フレイルの親戚ね」


「やだーダサい!」

「我慢して、それにアナは火属性の魔法より土属性を使った方がいいよ?」


「えー!土って地味だしぃー」

「おだまり!〈ダイヤモンドスプラッシュ〉!」



ズドドドドドドドドド!!!!



無数のダイヤモンドのつぶてが訓練所の床や壁をボロボロにした。


「どう?これでファイヤーボルトと同じ消費量よ?あの時使えていればゴブリンぐらい軽く殲滅できたかもしれないよ?」

「うー・・・」


3人は、葛藤しつつも武器を受け取り鍛え直すこととなった。

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