6.エンターテイメント ディストリクト
ある日のこと・・・
どうもお馴染み、スティファニーです。
最近、キャンディスの様子がおかしい。毎週土の日だけ、いつもの時間に温泉へ来なくなった。
サーシャさんに聞いたところによると少し遅い時間に入っているらしい。
そういえば、この間大物を倒して結構な臨時収入を手に入れてたわね・・・
土の日と言えば地球で言えば花金にあたる。飲めや歌えやと羽目を外しに外す日でもある。
実に怪しい。一体何をしているのやら。
今度の土の日、勤務が終わったらキャンディスの後をつけてみようかな。
そうだ!アル君もその日は孤児院にお泊りさせておこう。
ふふふ、必ずシッポをつかんでみせるよ!
翌週7月18日土の日
私は、ギルドの勤務を終えた後キャンディスを張り込んでいる。
今は、森を歩いてオークを狩っている…と言うよりオークの方が勝手に集まってくる感じだね。
相変わらずソロなのに3年前から腕を上げているので『くっころ』状態にはならない。
オーク特攻の
狩りから戻ったキャンディスは、ギルドで報酬を受け取った後に近くの公衆浴場で温泉に入って汗を流してきている。
夕方になり、そろそろ日が落ちる頃には、飲食店で軽めに腹ごしらえをしていた。
観察していると何だかソワソワして落ち着かない様子だ。
時々、締まりのない人に見せたらヤバい感じの笑みを浮かべている・・・一体何を考えているのやら。
あ、動き出した!魔法とスキルを駆使して姿と気配を隠して尾行をする。
一体どこに行くの・・・!?
普段は通らない路地を曲がると目の前には電飾(魔飾?)煌びやかな通りに出た。
ピンク色等の濃い色の看板が多数あり卑猥な文言が踊り狂っている。
アールストにこんな場所があったなんて!このスティファニー、一生の不覚!
目に痛い色の看板だけれど見ていると何だかとってもドキドキワクワクしてきた。
あ、キャンディスを追わなきゃ!
『Lilies』という店にキャンディスはルンルンな足取りで入って行った。・・・百合?
真にけしからん!
容疑者キャンディスの犯行確認しました!確保します!
・・・てのは冗談として、私だってお店に入りたい!お金ならいっぱいあるからね♪
うへへお姉さん達、今夜は寝かせないよ♡
突撃ー!とばかりに私も店に入ろうとしたのだけど、初来店なので身分証チェックが入りまして…門前払いされました。
ちくしょーめ!何で私は未成年なのよ!
・
・
・
「やらないか。いくらだ?」
「へ?」
店の入り口が見える場所に立って待っていたらダンディなオジサンに声をかけられた。うわー成金っぽい。
やだ、もしかして街娼と間違えられた感じ?
「で?いくらだ?言い値でいいぜぇーオジサン頑張っちゃうよぉ」
「私、未成年ですので!」
先程は憎々しく感じていた身分証を見せる。
「なぁーんだ、美人だけどガキかぁー。じゃ、成人した時はヨロシクぅー」
あっさりと背を向けてひらひら手を振って去って行った。
ぷんぷんだよ!確かに
成人してるキャンディスだって
そんなこんなで待つこと90分ほど経ったところで肌をツヤツヤさせたキャンディスが店から出てきた。
一人でホクホクした顔しちゃって…許すまじ!(八つ当たり)
宿に戻ったらキャンディスと温泉に入るタイミングを合わせる。
8:40 ・・・いつもより1時間遅い入浴だね。
3分ほど時間を置いてパッと服を脱いだら突撃よー!
キャンディスは、丁度かけ湯をしているところだった。
「おりゃー!」
「ひゃっ!ちょっと何なの!?」
とりあえず後ろからモミモミ
「あんなお店に行って、こんなにエッチな匂いさせちゃって~ウリウリ」
「ちょっ、何で知ってるのよ!?」
「今日は、お楽しみだったんでしょ?一人だけずるいよー!ねぇ~私とこの後部屋で一緒に遊ばない?」
「ダメよ!いくら同性でも未成年と遊んでるってバレたら私が捕まるわよ!」
何てこと!ここでも未成年の壁が!
『Yes!ロリータNo!タッチ』の精神か!法律まで私の邪魔をするというの!?
「いつもの様にじゃれる程度なら問題ないんだけどねぇ」
「うう~生殺しだよぉ。あと47年も待てないよぉ~」
結局キャンディスとも遊べなかった私は、一人寂しくお部屋でエレクトリカルなパレードをして過ごしましたよ!
早く大人になりたい!
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