6.アル君育成計画と採用試験
夕食後の温泉にて
「ふっふっふっ、これでもう大丈夫!」
水色のビキニ(胸パッド入り)を装備した私がシャキーンと仮面某的なポーズを決めていた。
何でこんな恰好をしているかというと・・・
アル君は、油断するとすーぐ胸に吸い付いてくるから強制的に乳離れさせるための措置なのだ。
今も胸に吸い付いてきたけどパッドに阻まれてガビーンって顔になっている。
ふっ・・・幼子よ、大人の階段とは厳しいものなのだよ
6歳になったら女湯は卒業させる予定だし、今のうちから体の洗い方とかしっかり教えてあげるからね!
一通り体を洗い終わったら湯船に浸かる
「ああ゛~気持ちいい~♪」
「もち~♪」
やっぱりあったかいお湯は良い。え?水着のまま入るなって?
湯着のまま入っている人もいるし別に良いんだよ?
言わばこれが私の湯着なのです。
まったりしていたらガララと戸が開き、昨日のダークエルフのお姉さんが入ってきた。
「うっ、また貴方達!?」
胸を両手で隠してキュッと内股にして中腰になるセクシーポーズを披露してくれた。
「公衆施設ですから~♪」
「から~♪」
「・・・まあいいわ。」
お姉さんは、体を洗ってから湯船に入りアル君の隣に来た。
何だか落ち着かない感じでアル君をチラチラと見ている。子供が好きなのかな?
昨日あんな目にあっているのにね。
・・・何だか視線が熱いし呼吸も乱れてきている。
「ボクちゃん。だ、抱っこしてあげようか?」
「ストーップ!ノーモアおっぱい!!」
私は、ちょっと鼻息の荒いダークエロフの魔の手からアル君を守るために抱き寄せた。
「何でよ!いいじゃない抱っこぐらい!」
「怪しい・・・吸わせる気だったわね!アル君はとっくに乳離れしてないといけない年なんだからやめて下さい!」
「貴女だって昨日、吸わせてたじゃない!」
「ノン!吸わせたじゃなく吸われたのよ。それに今日から正式な保護者になりましたので・・・これからは、キッチリ教育していきます!」
ダークエロフは、ぐぬぬ・・・と唸る。そんなに昨日のアレが良かったのか?
私もああならないように気を付けよう。
部屋に戻ったらアル君用の教材を自作することにした。
数字を書いたカード一式に、文字と動物を描いたものを用意して・・・とりあえずは、こんなところかな。
そこそこ遅い時間になっていたので今日は、お楽しみをせずに就寝した。
◆◇◆◇
翌日の闇の日、地球でいうと日曜日にあたる。
ライフラインに関わる仕事以外は、大概の人々が体を休める日だ。
人間の街でもそこは変わらないらしい。
朝食を食べてから孤児院に行きアル君を預ける。
まだ時間があるので街をぶらぶらしてみた。
海外の田舎に来たみたいで面白い。
思ってみれば100年間ずっと里から出てなかったのね・・・
服屋さんを覗いてみたけれど、あまり良いデザインの服はない。
サイズ(主に胸)が合わないだろうし、私の場合は魔法で自作すればいいしね。
今日は、採用試験があるので動きやすい服にしている。
下着も激しく動いても大丈夫なものに替えてある。
というのも、アル君がパンツの紐を引っ張ってしまい危うく事故りそうになったからだ。
そんな訳で当面の間、紐パンは湯上りから寝起きまでしか穿かないことにした。
何でそこまで紐パンにこだわっているかって?可愛くてオシャレだからとしか言いようがない。
ミスカートの女の子が、中身を覗かせるために履いている訳ではないのと同じ(例外を除く)
色々な店を冷やかしながら時間をつぶして丁度良い時間になったので冒険者ギルドに向かう。
「では、9時から試験を行いますので時間までに入室して下さいね。」
「はい、分かりました。」
水分補給とトイレを済ませて試験会場に入室した。
受験者は、私一人だけだった。半端な時期だから当然だね。
筆記試験と面接があり、実技は昨日の冒険者登録の際に評価されているので必要ないらしい。
5科目あって平均90点以上で合格とのこと。
私は、前世の記憶もあるし字も書けて計算もできるので正直余裕と・・・思っていた。
識字:100点
計算:100点
面接:100点
・
・
・
魔物知識:0点
終わった・・・次が100点でも平均は80点で不合格確定だ。
容姿:150点
んん?ええと・・・平均90点!?
「はい、合格ですよ。おめでとうございます、スティファニーさん。」
「ぃやったああああああ!」
受付のお姉さんが引くぐらい飛び跳ねて喜んでしまった。
「魔物の知識は、ちょっとアレでしたが一発合格はすごいですね。」
「え?普通は何回も受けるんですか?」
「平均で3回くらいですね。そんなに難しい問題はないですし『容姿』は大概の人が100点以上つきますからね。」
なんだ、そうなのかー
「さっそく明日からお願いね。しばらくは、他の職員の補助に入ってもらって、その内仕事も分かるようになってくるはずよ。」
同じ職員になったからか、お姉さんの口調がくだけてきた。
「宜しくお願い致します。えっと・・・」
「セリーナよ。ヨロシクね。」
「はい!宜しくお願いします。セリーナさん!」
危なかったけれど無事、ギルド員として採用してもらうことができた。
◆◇◆◇
お昼になり食べ物を買ってから孤児院に行く。
アル君、ついでに他の子供たちと一緒にご飯を食べる。
小さい子達は、何が楽しいのか私の胸を叩いたり揉んだり引っ張ったりとキャッキャとまとわりついてくる。
幼子は元気が一番だよ。
但し、8歳以上の雄ガキども・・・お前らはダメだ。自分のオシリでも揉んでなさい。
「さてと・・・」
「ええー!!!もうかえっちゃうのー!あそぼうよー!」
「そうだよ、あそぼうぜー!」
立ち上がったら男の子達が必死に引き留めてくる。
思わず笑みがこぼれてしまう。
年長の女の子からは小声で帰れコールが聞こえた気がするが気にしない。
私は、手品っぽい手つきでアイテムボックスから昨晩作った動物さんカードを取り出す。
「すげぇ!どっからだしたのー!」
「わぁ、かわいいー!」
男の子達は興味津々で女の子達はカードに描かれたデフォルメされたカワイイ絵に夢中になった。
「今から楽しいゲームをしましょう。」
と言ってカードを床に並べる。
「お姉ちゃんが名前を言った動物さんを早い者勝ちでとっていくの。」
所謂、カルタ遊びだね。
面白さを分かってもらうために何回か練習をする。
文字も書いてあるのでやっているうちに自然と覚えることができるはず。
子供たちも夢中になってきた。
「じゃあ、本番を始めるわよ。一番だった人はおやつを1個多くしてあげる♪」
「「「おおおおお!!」」」
全員を巻き込んで大盛り上がりになった。
ケンカも起きたりしたけれど「悪い子は、おやつ抜きにするよ」と言ったらピタリと収まった。
一番になったのは7~8歳ぐらいの女の子、見事アメ玉を2つ獲得した。
「もっかい!もっかい!」
「ねーねー!やろーよー!」
負けた子達からは再戦を望む声があるけれど一種類だけじゃ飽きるかもしれない。
「カードは置いていくから後で皆でやってね。今は、新しいゲームをしましょう!」
取り出したのは1~9まで書いたもので各数字は4枚ずつある。
そう、簡易的なトランプだ。
とりあえず神経衰弱でいいかな?
遊んでいるうちに数字を覚えてもらいたいし
こちらも大分盛り上がった。
全員にクッキーを配ってご褒美を与える。
くっくっく、楽しく遊んで文字と数字を覚えちゃおう作戦は成功しそうね♪
夕方になりアル君も満足したみたいだから宿に帰ろう。
「アル君、今日は楽しかった?」
「うん!」
やっぱり子供は笑顔が一番だね。
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