閑話、ウィルの苦悩

俺の名は、ウィリアム。

Dランクの剣士だ。20歳にしては中々の腕前だと自負している。

駆け出しの頃からサーシャ姉さんに鍛えられているんだから当然なのかもしれないが


それにしても今回の護衛依頼は、かなりヤバかった。

たくさんのゴブリンにオーガロードの出現、正直死ぬかと思った。


飛び入りのエルフ娘…スティファニーのおかげで助かったけれど、この稼業いつ死んでもおかしくないんだよな・・・。

明日、サーシャに交際を申し込もう。そう固く決心した。

旅の疲れを癒すために早めに温泉に入った


しばらくすると女湯の方が騒がしくなる

「うわー、でっかいお風呂!」

「おふおー!」


スティファニーとアルヴィンとかいう坊主か・・・

子供はいいな。


スティファニーの大きな胸が頭に浮かぶ。あれは眼福だった。

顔も美人だし・・・いやいやいや!俺は、サーシャ一筋だ!オッパイなんかどうでもいいんだ!


「はひゃぁああ!!」


!?何事だ?


「強すぎりゅうう!!!」


一体何が!!!

悶々する、悶々するぞぉ!


再びスティファニーのオッパイが頭の中の大半をしめる。

何やら向こうの方で話をしているようだが・・・


「あひぃ!」


別の女性の声が!


「んぁあああ!ダメ、ダメぇ!これ、この子取ってぇ!」


「だからぁああ早くぅう!」


女湯で何が起こっているというのだ!?

更に数分ほど艶めかしい声を聞かされて悶々具合は最高潮になってしまった。




◆◇◆◇




悶々具合をどうにか抑えてベッドに入る。


「やれやれさっさと眠ってしまうか。」


目を瞑ると疲れのためかすぐに眠くなった。

だが不幸なことに?静かな夜だったので隣の部屋から声が漏れ聞こえてきた。

左隣から風呂で聞いた女性の喘ぎ声がする。どうやら1人でお楽しみ中らしい。


途端に目がギンギンに冴えてしまう。・・・勘弁してくれ!


仕方ないので反対側のソファーで寝ることにする。

良かった、向こうの声はもう聞こえない。やっと眠れる。


しばらくしたら右隣の部屋からも喘ぎ声が聞こえてきた。


この声は・・・スティファニー!?

一体何してるんだ!

あああああ、またオッパイがオッパイが!!


ベッドに戻り布団にくるまったが鋭敏になった聴覚は両隣の音を拾ってしまう。




結局、ウィルは一睡もできなかった。

そんな状態だったのでサーシャへの告白は暫くお預けになったのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る