5.お仕事探し

いやー昨夜ゆうべは、ダークエルフの喘ぎ声が忘れられず、お楽しみしてしまった。


エルフの体になってから今までエッチな気分にはならなかったので、性欲とか無いんじゃないかと思っていたけれど違ったらしい。

100年以上ぶりなので盛り上がってしまい何度も達してしまった。

同じベッドには、アル君がいたけれど魔法で眠らせていたので問題ない。(問題発言)

寝具や服、空気も〈浄化〉で清めて恥ずかしい匂いは一切残さなかった。


ネコミミ&シッポ付きのパジャマを脱いで新しく作った服に袖を通す。

白いシャツは、私の体にフィットさせて乳袋ちちぶくろに仕上げた自慢の一品。

スカートは膝上20cmの黒色で肩ひもが付いている。

白ハイソックスはガーターベルトで固定し絶対領域を演出する。

下着は、黒白ボーダー柄の紐パンだ。

男性殺しの攻めの服である。今のところ誰も落とす予定はないけどね。


鏡がないので似合っているのか今一分からないけれどシンプルな組み合わせだから問題ないだろう。


ツヤテカすっきり気分で孤児院に赴きアル君を預けてオサラバしようとようとしたのだけれど

泣き叫び暴れられてしまい手の付けられない状態になってしまった。


吸った揉んだ(物理)の末、私とアル君は一緒に生活することになった。

とはいえ、今はお金に余裕はあるけれど働かないとあっという間に干上がってしまう。

そんな訳で、私が働く時間の朝からお昼まで預ける保育園的な託児契約になった。


「じゃ、お仕事を探してくるから待っててね。」

「・・・うん。」


私まで居なくなってしまうんじゃないかと不安なのだろう。


「お昼ごろには帰ってくるからね。」


アル君を安心させるように抱き締めておでこにキスをする。


「行ってくるわ。」

「うん!」


今度は笑顔で送り出してくれた。




◆◇◆◇




まず冒険者ギルドに行くことにした。仕事と言えばここだろう。

とりあえず受付のお姉さんの所に行く。


「すみません、仕事を探しているんですが・・・」

「冒険者カードの提示をお願いします。」

「あっ、私冒険者じゃなくて、えっとギルド員の募集とかないですか?」


「今日が土の日だから・・・午前中に申し込みして頂ければ、明日の闇の日に採用試験が行えますね。」

「あ、申し込みます!」

「はい、では身分証の提示をお願いします。」

「・・・・・・・。」


野良エルフに身分証なんかない。


「お持ちでないなら冒険者登録して頂ければ、それが身分証になりますよ。」

「うーん、それでお願いします。」


少し迷ったけれど身分証が無いのは不便なので登録することにした。

オーガロードの時は仕方なかったけれど私は、魔物相手にドンパチやるために生きたい訳ではない。

そんな時間があるなら女としての人生を楽しみたい


名前や年齢などの必要事項を書類に書いて提出したら別室に通された。


「魔法が使えるとのことでしたので魔力測定をしますね。」


と言って出してきた物が水晶玉で、これってまさか・・・魔力が強すぎたらパーンって砕けるアレかな?

まあ、私は非常識に魔力が高い訳じゃないから問題ないだろう


「水晶玉に手を置いて全力で魔力を流してください。」

「は、はい。」


ビクビクしつつ魔力を流したけれど別に壊れなかった。ただ・・・


「え、計測不能・・・?」

「あれぇー?」


お姉さんも困惑しているけれど私も同じだ。

いつの間にそんなに強くなったし?


「と、とりあえず次は戦闘力測定です。激しく動きますので着替えた方がよろしいのでは?」

「確かに、着替えた方が良さそうですね・・・。」


スカートだからパンツ丸見えになるだろうし下着も紐パンでは心許ないので替えた方がよいだろう。

一旦更衣室へ向かう。


個室は全て開いているので無警戒に扉を開けたら先にとんでもない美少女が入っていた。


「ひゃわああ!」

彼女も私もビックリして飛びのいた。


「あー、びっくりしたー。すみません、空室だと思って急に開けちゃいました。」

彼女からの返事はない。


「あれ?」

然程広くない個室なので転んで気絶でもしたのかと思って個室に顔を突っ込んだ

すると超絶美少女も私と同じ体勢で私のことを見ていた・・・


右手を上げてみる、彼女は左手を上げる。

いきなりジャンプしてみた、彼女も寸分の狂いもなくジャンプをする。


「・・・私?」


個室の正面が一面鏡になっていたので気付くのが遅れてしまった。

それにしてもどういう事なの?


ここ数日鏡を見ていなかったけどこんなに変わる?里の鏡が歪んでいたのかな?

それともこの鏡に魔法でもかかっていて美人に映る代物なのか?


ディグホースからラーニングした〈武器創造〉で幅広のナイフを作り出し顔を映してみる・・・超絶美少女だ!結婚して!って私だこれ!

ここの鏡は、おかしくなかった。


「ほえ~」


我ながら見惚れてしまう。

普通の田舎娘からトップアイドルレベルになったぐらいの変わり様だ。

これは、オシャレが益々はかどるね!


「あ、着替えなきゃ。」


森で暮らしていた時の普段着(胸部装甲を拡張)に着替えて一応スパッツも穿いておく。


「お待たせしました。・・・ってギルド長?」

「おう、俺だ。」

「何でギルド長が?」

「オーガロードの討伐隊で出払っちまってるからな、まだ帰ってきてないから俺以外は試験官が居ないんだよ。」

「はあ。」


やだなーギルド長って元Aランク的な経歴の人とかいるよね?(ラノベ脳)

筋肉ムキムキで強そうな感じがする。


「お二人共、戦闘力測定を開始しますよ!」

お姉さんに怒られてしまった。


武器は、互いに木剣で武技アーツ魔技マジックアーツ、魔法、スキル何でもありのルールだ。

私は、剣が得意じゃないんだけどね。


「では、両者構え・・・・・・始め!」


私とギルド長は、木剣を構えたまま睨み合う。

何というか・・・隙だらけだ。いや、誘われている!?

何とも不気味なので牽制のつもりで〈サンダーピック〉を放つ。


「アバババババババ!」


ドサッ

ギルド長はあっけなく倒れる。瞬殺だった。


「あれれぇー?」

「・・・・・・。」


お姉さんも言葉も無い様だった。

ギルド長は、事務方上がりの人だったのだろうか?弱すぎる。

何だか可哀そうなので回復魔法で治療してあげた。


着替えてから再び受付に戻り身分証、ギルドカードを頂く。Gランクからのスタートだ。

冒険者として活動する気は無いと伝えたら


「Gランクは見習いです。10回の依頼成功でFランクに昇格しますので最低でもFランクに上げておくことをお勧めします。あまり依頼を受けないと失効することもありますので。」

「分かりました。ほどほどに頑張ります。」


「それでは、明日の朝9時ごろ採用試験を行いますのでこちらの窓口に30分ぐらい前には来てくださいね。」

「はい、では失礼します。」


用事は済んだのでギルドを後にした。




◆◇◆◇




さて、お昼になったので孤児院へアル君を迎えに行こう

二人で串焼きのを食べ歩き目的地へ歩いていく



到着したのは、墓地。火葬場も完備されている。

管理人に話を通し、一人分の墓を割り当ててもらった。


火葬場でアイテムボックスからアル君の父親の遺体を出す。


「アル君・・・・・・パパとお別れだよ。」

「・・・うん。」


強い子だ。私が・・・いや、が3歳だった頃はどうだろう?

確か、父・母が死んだらと想像しただけで泣きじゃくっていたと思う。

両親が死ぬと言うのは、とても辛い事だと思う。


前世では俺の方が親より先に死んでしまったし今世での私は、追放されたとはいえ両親は健在でありエルフだから相当長生きする。

大切な人を失った事が無いから私には、アル君の気持ちは分からない。


「責任もって育て上げますから、心配しないで下さいね。・・・〈聖火〉セイントファイア


聖なる炎が遺体を優しく焼いていく。

アル君が私に抱き着く力が心なしか強くなった。


焼かれていく父親の顔は、安心しているように見えた気がする。

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