第7話 薬剤師ギルドを探そう

「見つかんない…………」


 薬剤師ギルドが見当たらない。流石神出鬼没? なだけあって、どれだけ探しても見当たらなかった。多分、このまま探しても見つからなそうな気がする。



「…………取り敢えず、魔物を狩って、適当に『調合』してコーネリアスさんの所に持っていこうかな」



 それしかないよね。金が欲しい。私の懐を満足させてくれる金が。


 私は、お爺ちゃんと出会った門から出ていくことにした。




◇◆◇◆◇



「出るときは証明書要らないんだね」


 私は広大な大雪原を歩いていた。そこには、スライムが多く散在していた。雪を食べてるせいかは知らないけど、白い。



「アイテムボックス!」



 私はヒューリを取り出して、早速討伐にあたった。愛用の魔剣だ。スライムは弱いので、私の魔剣に触れただけで一撃だ。



「ピギャア!?」



 可愛い悲鳴が響き渡る。ごめんね、私の『調合』の材料になって。少しでもお金を稼がなきゃいけないから。



 私は15体のスライムを倒した。私はそのドロップ品『白透液』を入手。良かった、透明で。



「これとあと、フルリン草があれば…………」



 超初級中の初級だけど、『状態異常緩和薬』が作れる。需要があるかはわからないけど。


「でも…………あるかなぁ……」



 見渡す限り、一面雪だらけ。草なんか埋まってて今頃しおれてるかもね。


「取り敢えず探すだけ探してみよう」



 私は鬱蒼とした森の中に入って行って、フルリン草を探す。やはり、深い雪に埋もれていてフルリン草は欠片も見当たらない。萎れてても、あれば私の魔力でどうにか出来そうな気がする。



「…………仕方ない、雪を掻き分けよう」



 冷たいけど、これも金のため。我慢だ、我慢。



「おっ、あった」


 冷たい、ちょー、冷たい! やばい、手が真っ赤なんだけど! なんで手袋とか入って無かったんだろ………。


 私は冷たさを我慢しながら、確かこんな感じでいいんだっけ? とゲームの時の事を思い出しながら魔力を注いだ。



「よしっ」



 私はフルリン草を抜き取り、早速『調合』開始。スライムから入手した『白透液』と混ぜる。




◇『状態異常緩和薬(臭)』を生成しました。





「(臭)…………? あっ、臭い消ししないと」



 このままじゃ、誰も飲めないじゃん。確か、臭い消しには…………『ムロウリの葉』が必要だったけ。



「………………どれがムロウリの葉だったけ?」



 特徴があったはず。何だったけ…………葉脈が二重丸みたいな形だったような記憶が…………。



 あやふやな記憶に従って探すこと数分、『ムロウリの葉』らしきものを発見した。



「う~ん…………届かない」



 私は木の上に手を伸ばし、『ムロウリの葉』を取ろうと試みるが、届かない。異世界での金稼ぎ、前途多難。



「あっ、そういえば…………!」



 魔法使えるよね? MPあるんだし。すっかり忘れてた。どれぐらい残ってるんだろう?



「ステータスオープン」






ユナ Lv. 121 ジョブ:『調合師』Lv.67 



HP   5364/5364


MP   7446/7456



【スキル】


『剣術Lv.47』『魔術Lv.36』



【エクストラスキル】


『調合Lv.62』『異世界言語』






「ポーション生成でMP消費10ね…………」



 お手頃だね。取り敢えず、頑張りすぎて後で何か売れなくなって落ち込むのもやだから、30本くらいにしとこ。



 私はそんなことを思いながら、『風魔法』で魔力を風に変換し、下に噴出して飛んだ。そして、『ムロウリの葉』を5、6個くらい取る。



「あとはこれを………『調合』」



 私はムロウリの葉を『異常状態緩和薬(臭)』と『調合』した。





◇『異常状態緩和薬』が生成されました。





「よしっ、成功!」



 私は達成感に包まれた。そしてその後も『異常状態緩和薬』を生成していった。あっ、勿論薬剤師ギルド探しも忘れてないからね?

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