第3話 当然魔物だっているよね
「街は…………っと」
私は【MENU】の項目にある【
「…………あった。これか」
私は【
「……よし、取り敢えずそこに行ってみよう」
私は取り敢えずエスクィントラを目指すことに決め、雪の上を進んでいく。
◇◆◇◆◇
「ふおおぉぉ…………! これが私……!」
私はアイテムストレージから出した手鏡で自分の顔を見ながら感嘆の声を漏らす。薄ピンク色のショートカットヘアにスカイブルーの瞳。それに少し丸い輪郭。私が言うのもなんだけどーーーすごく可愛い。
私は暫く自分の顔を堪能すると、手鏡をアイテムストレージにしまい、再び歩き出す。
「んっ…………? あれは……?」
私の視線の先には白い体毛に身を包まれた四本足で立つ生物らしき姿が。なんか『雪狼』にすごく似てる…………。
「…………まあ、ここは異世界だしそりゃ、魔物だって当然いるよね」
あの魔物を倒して素材をゲットすれば多少の稼ぎにはなるかな…………?
「…………って、そうだ! 金は!?」
宿に泊まるにしたって金が必要になってくる。無一文じゃ泊まれない。
「ーーステータスオープン!」
私がそう唱えると、ブォン! と画面が現れた。
えーっと……確か左上にあったはず……。
私はステータス画面の左上に目をやる。予想通り、そこには所持金が表示されていた。
『0リラ』
…………うっそおーん……。お金までは引き継げなかったの……?
私が落胆していると、ピコンと通知音が鳴った。私は【MENU】から【メール】の項目をタッチ。メールの題目は【神様からの追加の伝言】。なんだろう……なんとなくわかる気がする。私はそう思いながら、それをタッチした。
『先程伝え忘れていましたが、お金やアイテムの一部については引き継ぐことが出来ませんでした。誠に申し訳ございません』
「…………くっそーーーー!! やっぱりかあーーー!!」
私はアイテムストレージから『ヒューリ』という青い魔剣を取り出し、雪狼擬きに切りかかっていった。
◇◆◇◆◇
「……取り敢えずこれくらい集まれば宿代くらいにはなるでしょ」
私はアイテムウィンドウの『ホワイトウルフの毛皮×10』という表示を見て呟いた。
私はあれから道中のホワイトウルフを10匹倒し、そのドロップアイテムである『ホワイトウルフの毛皮』を10枚ゲットした。てかさっきの魔物、ホワイトウルフだったんだね…………。
「それにしても…………魔物狩るのって思った以上に疲れるなぁ……」
普段はゲーム内のアバターを自分のマウスで操作するだけだからなんとも思わないけど……。実際に自分で動くのって想像以上に体力使うわ…………。しかも私、運動はあんまり得意じゃないんだよねぇ…………。
「異世界も楽しいことばっかじゃないかぁ……」
まあ、それも当然だよね……。
「まあ、換金出来そうな物も集まったし……」
素材が換金出来そうな場所も探さないとだし………。
「異世界の街……どんな感じなんだろ」
エルフいるのかな? ドワーフも鍛冶屋なんかにいそう……。ちょっと楽しみ。
私はクスリと微笑みながら、エスクィントラを目指して歩みを進めるのだった。
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