vs, ……え? Round.8
「翔べ!
「ふぇ?」
シノブンの警告で、意識が戦況へと返る。
ヘリウムバーニアを噴射したジュンが、床スレスレを
「危なッ!」
間一髪の急上昇が間に合う!
さっきまで居た場所に、レーザー手刀の青い弧が刻まれた!
「クックックッ……いいぞ。もっと戦い合え! 互いに持てる死力を尽くせ!」
皮肉な対決を
「こ……このヤロウ!」
ボクは呪詛に唇を噛んだ!
「セーラー服美少女が宙を舞い、アツき異能バトルを展開する……クックックッ……萌える! 最ッッッ高に萌える!」
「こぉぉぉんのヤロォォォーーッ?」
呪詛が別な意味合いになったよ……。
サブイボ混じりに……。
獲物を仕止め損なったジュンが、自我損失の瞳で滞空するボクを見定めた!
軽く
「また来る!」
そう身構えた瞬間、不意を突いた奇襲が彼女の行動を阻害した!
空を裂くかのように鋭く投げ放たれた
戦闘マシンと化したジュンは油断無く察知し、レーザー手刀で
シノブンだ!
彼女は両手持ちの
「
「シノブン? ダメだよ!」
「……貴様には借りがあるからな」
乾いた
……え? あれ?
「
凄みすら感受させる低い抑揚!
そして、シノブンの体がプリズム的な光彩を帯びて分身する!
ようやく〝忍者〟の
「参る!」
息つく暇も与えずに、次々と一撃離脱を繰り出すシノブン軍団!
文字通り、
故意か偶然か〈モスマン〉の飛行能力とは相性がいい戦法ではある。
しかし、
ヘリウムバーニアの小出し噴射で軌道から
宇宙忍者vs戦闘マシンの戦いは、まさに別次元!
うん、じゃなくて──!
「はい、そこまで!」
「うひゃああーーーーッ?」
背後からGを
うん、シノブンの。
「苦も無く
「こっぽおッ?」
腰の入った
ってか
「うう、痛ててて!」
「どどどどういうつもりだッ!
「シノブン、手出し無用」
「何?」
「ジュンの相手は、
「し……しかし?」
「いいから! 借りを返すっていうなら御願い!」
必死な
と、その時──「
「ラムス? 解っているのか?
「やられませんわよ?」
「え?」
「あの
毅然とした瞳で、ボクを見据える。
「……ラムス」
交わす視線に確かめ合う信頼。
家族として……友達として、
感傷的な
「例えブラックホールのド真ん中へ叩き落とそうとも、光速ロケットエンジンに
「どういう強引な解釈だァァァーーーーッ!」
ボクは絶叫で猛抗議!
まさかの猛毒吐きやがった!
この局面で!
だけど、まぁ……正直、助かったのは事実だ。
そりゃシノブンが加勢してくれりゃ、戦力的には頼もしいよ?
だけど……そうしたらジュンかシノブン、どっちかが傷付くじゃん?
そんなん、ボクはイヤだもん。
ダメージから復活したジュンが、無感情に起き上がる。
段々〈殺人アンドロイド〉にも見えてきたな……。
そして、再び繰り広げられる近接戦!
ボクにとっては命懸けの組手だ!
「ねえ! ジュン! ホントに忘れちゃったの? ボクの事!」
寂しくなる心情をグッと
泣いている場合じゃない!
そんなん後だ!
やるだけやってからだ!
ナメんなよ! ジャイーヴァ!
いまどきの女子は、泣いて終わるほど
「思い出せよ! いろいろ楽しかったじゃん! 学校とか! マドナとか!」
一瞬──ほんの一瞬だけ、ピクリと反応した。
直感が、そう告げる!
「初めて出会った時、
攻撃の鋭さが増した!
何故だろう?
何故かしら?
「まったく、いい加減……思い出せーーッ!」
痺れを切らせて、思いっきり
ってか、
「痛たたたたたーーーーッ?」
さすがのジュンも、
「痛いわーーッ! このおバカ者ーーーーッ!」
「おぶんッ!」
久々にパモカハリセンが、ボクの顔面へとフルスイング!
場外ホームランとばかりに、ジャイーヴァの足下まで吹っ飛び転がる!
「かた……かた……形が崩れたら、どうしてくれるのよ! このおバカ!」
身を
その紅潮が〝恥じらい〟か〝
「バ……バカな!」
驚愕隠せぬジャイーヴァ!
わなわなと震えて現実を拒否する!
「こ……こんな事で……こんなバカな展開で、
「当たり前だろ」と、ボクは起き上がり、この愚か者へと敗因を告げた。「まさか洗脳刺客って事で『戦え! イ ● サー1』みたいな感涙的展開でも期待したか?」
「ひ……
「なるワケないだろーーッ! この作品は無責任小説『vs, SJK』だぞーーーーッッッ!」
「そんなアホな理由でーーーーッ?」
驚愕
叩き込む! 叩き込むッ! 叩き込むッッ!
叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込む叩き込むッ!
「ムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネムネェェェーーーーッ!」
「にッ! らッ! さッ! わッ! さッ! んッ?」
ボクは
「ムネヲークレ(さよならだ)」
「……何処の国の言葉ですか」
ラムスが
「うっさいなぁ? ウーソン王国だよぅ?」
「ずいぶんと懐かしい伏線ですわね……ソノム・ネクレー様?」
冷ややかさが二割増し。
うん、その
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます