⑤朝日が昇る道標

憎悪に変わると人を攻撃してしまったり、傷つけてしまう。


傷つける相手はキラキラしてるものを持っている人か、自分より優越が低いと感じた人で、それらを傷つけたり、協力した人々が一番愚かになんだろう。


そして、攻撃を受けた人も憎悪の感情を得てしまい、復讐という形で虐めた奴らに攻撃する。


まぁこんな風に個性があると、最悪なシュチュエーションになる場合もあるだろう。


案外そうゆう人達は、私みたいにガラッと雰囲気や生活も変わる状況があれば、幸せな暮らしができて、元の世界に帰りたがらないかもしれないね。


かと言って、皆んなが個性がないロボットになって生活が何もかも決められていたら、恋愛映画を見て感動したり、新しいアート作品に触れることもない。


そして、なにより!


「個性が無かったら、先輩の良さを私が分かることは無かったと思う!」


私は感情が奮起したあまり、ひっそりと考えていたことが口から漏れてしまった。


「おっおう」


それを聞いたラルドは困惑し、返答に困っている様子。カノンさんも顔にはでてないが、首をフクロウのように傾げている。


「あっ……いやその……つい心の声が……」


恥ずっ!!

おもいいっきり、ドヤ顔で中二病みたいな発言しちゃったわ!!


「しかも先輩という言葉も叫んでたし……まるで私が私が先輩バカみたいじゃないか!」


はい!

ここで2回目の思考漏えい!


「うっあっあ……」


「あっはははは!お客さんにとって先輩は大切な人みたいですねぇー!いやぁーなんか元気でてきましたよーありがとうございます!」


よく意味が分からないけどそう言ったリコさんは、高笑いをした時とは違う落ち着いたような笑みを浮かべる。


「シロクロノバケモノの教えでも"この世界の種の形は元を辿れば同種から出来ている。だから多種の多様性を認めなさい。"というありがたーい言葉があるんですよー」


「それ……シロクロノニだと難しくないか?」


宗教の教えに対し、現実を突きつけるラルドさん。


"この国は、獣人と人しか住んでませんよ"


そういえばユキさんがこんなことを言ってたな。

他の種族との差別とか、門番の様子を見るに戦争をしたことがあるとかかも。


てか陛下とか人に呼ばれるぐらいのお方が、そんなこと言っちゃダメなんじゃっ。


「まぁーラルドさんが頑張ればいつかはそんな世の中になるんじゃないっすかねぇー」


リコさんはそう言うと、私の肩から腕を優しく離す。そして、ラルドさんに"ほらほら頑張ってくださいね。"と肘を当てて茶化す。


「さっさあ……はやく食堂に行くぞ」


茶化された方は難しそうな顔をし、逃げるように早足歩き始めた。

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