『錬成術とギルガントの関係』 最終話



「……いや……そうじゃないかもしれない」


 ミリアルド・アーシュタインは、唐突に目を輝かせた。


「俺はまだパッツィー・アルマナマの全裸を見てねえじゃねえか!! 抱けないと思うのは早計かもしれないな。まずは全裸にしてから抱けるかどうか確認すべきか」


 ミリアルドは構えていた剣を収めた後、右手でぺちりと自分の頬を軽く叩いた。


「それに本人を抱けないにしても、土遁の術で作り上げられた傀儡がもしかしたら抱けるかもしれない。抱けるようにしてもらえばいいじゃねえか」


 悪巧みを思いついた悪党のような邪悪な笑みを浮かべ、からからと不敵に笑った。


 ようは美女が抱けることさえできればいいのであった、ミリアルドは。


「……まあ、エメラルダ以外の奴らは満足させられそうだな。下着とオナネタさえあればいいんだしよ。それにだ、あのビッチは適当に男でもあてがってやれば子宮が喜ぶだろうからそれでいいだろう。土遁の傀儡はどうやって抱けばいいんだ? 突っ込む穴はあるのか? それとも、俺が作らないといけないのか? わからねえな。パッツィーに訊けば良いか、その辺りはよ」


 完全に開き直ったミリアルドはあのパッツィーをどう抱けばいいのか考えを巡らせる事に忙しくなったためか、それとも、そもそも興味が皆無であるからなのか、この国で起こった悲劇には何ら思いを馳せることはなかった。


 勇者が扱える伝説の武具を使いこなせるというのに、世界平和だとか絶対的な正義などに全然興味がなく、自分の欲望さえ満たすことに苦心している。


「……さて、抱きに行くか。女なんだから抱けない事もないだろうしよ」


 ミリアルドは舌なめずりをして、パッツィーがいる方角に身体を向けた。


 猛りつつある下半身に従うように、不死鳥の翼フェニックスウィングを羽ばたかせた。


 自らの欲望に従う。


 それが、ミリアルド・アーシュタインであるのだから……。






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二番目の勇者パーティーは人間の屑ばかり 佐久間零式改 @sakunyazero

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