童話パロディ

唐突ですが童話パロです。なんかやりたくなりまして。

もちろん本編とは、全く関係ありません。


 ★★★★★★★★★★


 赤ずきん子イリヤ


「イリヤ、先生の所にワインとパンを持って行ってくれる?」

「はあい! 行ってきます」

 お母さんに言われて、イリヤはかごを持って森にあるクローセル先生のおうちへ出掛けました。森の小道をしばらく歩いた所に、先生のおうちはあります。

「あ、おっきいどんぐり! 先生よろこぶです!」


 イリヤがどんぐりを拾っていると、森の奥に木いちごの実がなっているのが見えました。実を収穫してかごに入れつつ、段々と森の奥へと入っていきます。

 気がついた時には、何処にいるのか解らなくなっていました。

「あれれ……? 道に出ないよ……? お母さぁん、先生……ここどこ~?」

 歩けど歩けど、森が続きます。とうとう暗くなってきてしまいました。


「ふええぇえん、ふえええ……っ」

 泣きだしてしまったイリヤ。

「阿呆が、やっと見つけたわ!! 我が待っておるのに、全然来ぬと思えば……、こんなところで何をしておるのだね!」

「かっか~、イリヤ迷子になっちゃったの! うわああん、こわかったああ!」

「ええい、しがみ付くでない!!」

 かっかが迎えに来てくれたので、一緒に先生のおうちへ行きました。



 おしまい。


 何の話……??

 かっかは狼役でした。子イリヤを驚かそうと、待ってました。


★★★★★★★★★★


 かぐやイリヤ


 地獄の王ベリアル閣下が竹林を歩いていると、光る竹を見つけました。

「これは珍しい。我が屋敷の調度品に良いではないかね!」

 竹を手刀で切ると、何と女の赤ちゃんが。

「ぬぬ……? 赤子ではないか。これは捨て子だの、口減らしだのいうやつであるかな? 仕方のない……」

 ベリアルは赤子を連れて屋敷へ帰りました。

「クローセル! 赤子を拾ったのだよ、面倒を見よ」

「はあ……、閣下が生き物を拾われるとは珍しい」

 ベリアルの配下であるクローセルは、赤子を預かるとすぐに育児本を買い、ベビーベッドや服、粉ミルクなどを買い集めました。


 赤子はすくすくと、育っていきます。

「ぅあ~、かっか~~」

「クローセル! 小娘が我を呼んだぞ、聞いたかね? 小娘め、言えるではないか。もったいぶりおって。ほれ、もう一度呼んでみよ」

「閣下、人間の赤子は最初から喋れるわけではありませんぞ」


「ん~」

「おお、立った! クローセル、小娘が歩いておる! 這ってばかりおるから、歩けぬのかと思っておったわ」

「イリヤも成長しましたな、閣下」


 イリヤは美しく……と言う程でもないですが、大きくなりました。

 やがて三人の貴公子が、求婚に訪れます。


 まずはエクヴァル君。

「お嬢さんと結婚を前提に付き合わせてください!」

 次にランヴァルト君。

「弟のジークハルトの結婚相手として、ぜひ来て頂きたい」

 最後にセビリノ君。

「弟子として仕えさせて下さい」


「……ベリアル殿、どうしたらいいんでしょうか?」

 珍しくモテて、イリヤは困惑しています。

「ええい、我に勝たねばやらぬ! イリヤは我が育てた!!」

(閣下……、世話は私に丸投げでしたぞ……!)

 クローセルはもちろん口に出しません。 


 三人に貴公子は諦めました。

 イリヤは夜空を見上げています。

「月からお迎えが来るらしいんです」

「……なんと、捨てておいて今更かね? ふはははは……、大戦の前哨戦である! 地獄の我が軍団をもって、迎え撃とうぞ! エリゴール、戦の支度をせよ!!」

「待ってました。お任せを!」


 地上でベリアルの軍団vs月の軍団の戦が起こりましたとさ。



 おしまい。


 ほとんど閣下一人で喋ってた。

「イリヤは我が育てた」って言わせてみたかった。


 ★★★★★★★★★★

 

 白雪姫っぽいの

 グローリア・ガレッティ男爵令嬢。自称イリヤ先生のライバル。


 グローリアは珍しい鏡を手に入れました。質問に答えてくれる鏡です。

「鏡よ鏡よ、鏡さん。世界で一番美しいのは誰?」

『それは、地獄の王ルシフェル様です』

 鏡が答えると、姿が映し出されました。

「うわ、本当に美形! じゃなくて、女性でよ!」

『地獄の大公アスタロト様ですかね』

「男装の麗人!? アリだわ……、でもなくて! この世界で!!」

『え~、そうでした。ティアマト様がいらっしゃいます。むっちゃ強くて美人です。忘れてないですよ』


「……忖度してるんじゃないの~?」

『まさかぁ』

 何やら怪しいですが、グローリアは質問を続けます。

「とにかく、このお話のヒロインは誰なの?」

『ヒロインですね、それは小悪魔リニちゃんです』

 鏡には大人しそうな小悪魔の姿。

「あのねえ、人間で、よ!」

 怒鳴るグローディアに、鏡は面倒そうに答えます。


『人間で誰が一番美人かって、人間がどれだけいると思ってるんですか。好みによっても違うだろうし……、すぐに一番とかいう人って、世界が狭いんだと思うんですよ。そもそも美の基準というのが』

「うるっさいわね! 何で悪魔ならすぐに答えるのよ!」

「お嬢、目的からそれてますよ」

 護衛のラウルに注意されましたが、グローリアは鏡とずっとケンカしてました。



 おしまい。 


 白雪姫は出てこない。

 どんな質問にも答えてくれて、映像付きの鏡。欲しい!資料として最高⁉


 ★★★★★★★★★★


 これで終りです。失礼しました。マトモに話が進まないけど、楽しかった。

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