青色の瞳に映るその色は

「教会に来てほしい。」


そう言われ、

日曜日、彼女に会いに教会に行った。


不思議と彼女とは気が合い、

その日からよく会うようになった。


「似てると思ったの。」


そう言われた時はドキッとした。

自然と笑顔がこぼれた。


彼女との日曜日は本当に楽しくて、毎週通った。

彼女のおかげで街の人にも認めてもらえるようになった。

からかうつもりだったけど、彼女に少しずつ惹かれていった。



体が重い、苦しい。なんでだろう。


「ちょっといいかい?」


神父に声をかけられたのは2回目だった。

何の話かと聞くと、僕の命は長くないと言われた。


その時ふと浮かんだのが、サキだった。

サキは僕のことを思って、悲しんでくれるのだろうか。


彼女の好意は痛いほど伝わる。

それはきっと幸せなことだけど、

思い続けて、僕は彼女の全てを奪ってしまうんじゃないかと不安になった。


最後のとき、彼女は静かに泣いていた。

やっぱりそれは嬉しくて、少し口角が上がったのを覚えている。




明るくて眩しい光に照らされた。

気づけば僕は、彼女の目の前に立っていた。

嬉しそうに泣くのを見て、

不思議だったけど、嬉しかった。


サキは変わらず明るくて優しくて、

さらに素敵な人になったと思う。

色々教えてもらってすごく楽しかった。

子供たちと生活するのは初めてだったけど

親になれたような気分だった。


ある日、花の水やりをしてる時にサキが枯れた花を見つけたらしい。取り除こうとしていたら女の子がやって来た。


「抜かないであげて!」


もうすぐ泣きそうに言うから、鉢に植え替えてあげると笑顔になった。



--でもふと思ったんだ。


「あの子は本当に幸せなのかな」


思わず口から出ていた。


え?みたいな顔を彼女にされてその日はずっと顔を見れなかった。


ただ、嬉しかった。僕を想ってくれること。

でも、僕に囚われすぎているなら、彼女はほんとに幸せなのかなって。



「一緒に来て欲しいの。」


土曜日の深夜。彼女は僕の手を引いてどこかへ向かう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る