青色の瞳
青色の瞳。それはとても美しく、この街では珍しい。
神父は初めて、青色の瞳をもつ人に出会った。それが彼だった。
「君の目は、青色だね。」
「…はい。」
その人はある日サキが連れてきた、綺麗な青年だった。
よく遊びに来るようになった青年に神父は話しかけた。
「この街では知られていないが、青色の瞳は神聖なものとして伝えられている。」
「…そうですね。知ってます。」
「では、青色の瞳の子は体が弱く、長くは生きられないことも知っているかい?」
「…!いえ…知りませんでした。」
彼は少し驚いていた。
でも、顔をすぐに戻して、
「微熱っぽいのはいつもそうで、でも最近、たってるのも辛いくらいで。」
話しを続けた。
「そうだろうな…。」
「僕がいなくなったら彼女は、悲しんでくれるでしょうか。」
「悲しむさ。君と彼女はよく似てる。あの子はそれが嬉しいんだ。」
「そっか…。それなら、僕は幸せものなのかな。」
ふんわりと笑う彼の
くっきりとした青色の瞳がキラキラと光っていた。
神父は優しく彼の笑顔を見守った。
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