2

夢の中

『そんなに会いたいのか』


会いたい。


『でも、決めたんだろう。』


そうだけど…。

でも、会いたいの。



『…なら、条件がある。約束できるか?』



分かったわ。約束する。


『絶対だからな。約束は破るなよ。』






目が覚めた。名前も知らない誰かと会話をしておる夢だった。


「ん…。」


ゆっくりて体を起こす。ちょっと息苦しい。どうやら教会で寝てしまっていたらしい。


「もう、こんな時間…。あの子達が起きちゃうわ!」


慌ててスイッチを切り替える。パタパタと教会を出る。

私は今、子供たちを教育する立場だ。名前をつけるとすると、“お母さん”になるのかな。いや、それはない。きっと“お姉さん”だ。そう思おう。

とても小さい頃母親に捨てられ、この教会の神父に拾われた。

神父は温厚で、人が良いため、教会とは別にもう一つ宿舎を作り、親のいない子供たちを預かってくれている。そんな神父に恩返しがしたくて、私は手伝いをしている。


「お腹すいたー!!!!!!!!!!!!!!!」


元気の良い声が響いて私の耳に聞こえてくる。ぐっすり眠ると元気になる。そんなことさえ愛おしい。


「おはよー。みんな、よく眠れたかなー?」


ん?私の聞いたことの無い男性の声が聞こえてきた。誰だろう。新しい人でも入ったのだろうか。ゆっくりとドアを開けて、様子を見る。


「お兄ちゃん、目の色素敵ねー。」


「ほんとだー!きれー!」


「ね、ね、よくみせてー!」


目の色…。綺麗な、目の色…!


ガタッと思いっきりドアを開ける。すると、子供たちはびっくりした顔をして、


「ど、どーしたの?静かにしなきゃダメでしょ?」


と怒られてしまったが、今はそんなこと気にしていられなかった。



どうして…どうしているのよ。


気がつけば、泣いていた。静かに目から温かいものが流れて止まらなかった。


「え、私なんかひどいこと言っちゃった?!ごめんなさぁい!」


と泣きそうになる子のそばにいき、


「違うの…。違うのよ。」


私は嬉しくてたまらないのを堪えることは出来なかった。


「どうしたの?サキ。そんなに泣いて…。」


さらりと私の名前を呼ぶ彼は、青色の瞳。私を優しく見つめ、微笑んだ。

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