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夢の中
『そんなに会いたいのか』
会いたい。
『でも、決めたんだろう。』
そうだけど…。
でも、会いたいの。
『…なら、条件がある。約束できるか?』
分かったわ。約束する。
『絶対だからな。約束は破るなよ。』
目が覚めた。名前も知らない誰かと会話をしておる夢だった。
「ん…。」
ゆっくりて体を起こす。ちょっと息苦しい。どうやら教会で寝てしまっていたらしい。
「もう、こんな時間…。あの子達が起きちゃうわ!」
慌ててスイッチを切り替える。パタパタと教会を出る。
私は今、子供たちを教育する立場だ。名前をつけるとすると、“お母さん”になるのかな。いや、それはない。きっと“お姉さん”だ。そう思おう。
とても小さい頃母親に捨てられ、この教会の神父に拾われた。
神父は温厚で、人が良いため、教会とは別にもう一つ宿舎を作り、親のいない子供たちを預かってくれている。そんな神父に恩返しがしたくて、私は手伝いをしている。
「お腹すいたー!!!!!!!!!!!!!!!」
元気の良い声が響いて私の耳に聞こえてくる。ぐっすり眠ると元気になる。そんなことさえ愛おしい。
「おはよー。みんな、よく眠れたかなー?」
ん?私の聞いたことの無い男性の声が聞こえてきた。誰だろう。新しい人でも入ったのだろうか。ゆっくりとドアを開けて、様子を見る。
「お兄ちゃん、目の色素敵ねー。」
「ほんとだー!きれー!」
「ね、ね、よくみせてー!」
目の色…。綺麗な、目の色…!
ガタッと思いっきりドアを開ける。すると、子供たちはびっくりした顔をして、
「ど、どーしたの?静かにしなきゃダメでしょ?」
と怒られてしまったが、今はそんなこと気にしていられなかった。
どうして…どうしているのよ。
気がつけば、泣いていた。静かに目から温かいものが流れて止まらなかった。
「え、私なんかひどいこと言っちゃった?!ごめんなさぁい!」
と泣きそうになる子のそばにいき、
「違うの…。違うのよ。」
私は嬉しくてたまらないのを堪えることは出来なかった。
「どうしたの?サキ。そんなに泣いて…。」
さらりと私の名前を呼ぶ彼は、青色の瞳。私を優しく見つめ、微笑んだ。
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