第5話:幸夫と株取引の開始
翌月、幸雄おじさんが寛太の18歳の誕生日にケーキをもって来てくれた。
その週の休日、おじさんの所を訪ねると、お前も18歳になり株投資を始めるか
と言われ是非やりたいですというと、それなら証券会社の口座申込用紙をもって
来てやろうと言った。おじさんに銀行口座は持っているよなと聞かれ漁協で作ら
されたので持ってると答えると来週の休みに銀行の通帳を持って来いと言うので
了解し、翌週の休みに証券会社の口座開設書類に紙面、年齢、住所、電話番号、
勤務先、銀行口座番号を書き入れハンコを押して日付を入れて書類を完成した。
1970年9月10日に寛太の所に封書で口座開設のお知らせが届いた。
寛太に、お前は何時頃が暇かと聞くので昼頃というので9月12日の昼に漁協
で待ち合わせた、幸夫おじさんと一緒に銀行へ行き寛太の口座に3百万円入れ
てくれ、3百万円は、お前に投資した金だからと、いずれ返してもらうぞと言い
入金した。そして幸夫が最初、俺が投資した通りに売買しろと言われ寛太が、
はいと答えた。
そして10月の休日に寛太が幸夫の所へ行くと11月になり基本的には大型株
の方が安全だから有名なトヨタとソニー株を売買していくと言われ、12月に
なり時雨れて今年も寒い冬で吹雪の日が多く漁に出られない日が多くなり、
やがて1970年の正月を迎えた。その当時、幸夫おじさんは既に1千万円以上
の資産を持っていると話していた。今年の高校受験は二郎であり彼は数学が得意で
地元の苫小牧工業高校に進学したいと言って、先に高校生になった和子が二郎の
受験勉強を見てやり、その甲斐もあり希望の苫小牧工業高校に合格でき、合格
祝いに、また今年も幸夫おじさんが、すき焼きの肉をもって嵐山家を訪ねて
きてくれた。その時、二郎に腕の立つ技術屋になれよと励ました。
今年の夏休み、幸夫おじさんが嵐山家の子供全員を連れて新冠のサラブレッド
牧場に行くと話し、当日は朝から母の安江と長女の和子が、たくさんのおにぎり
を握り寛太と二郎が食料が入った重い袋を持とち、安江、寛太、和子、二郎、
良三、好恵と幸夫おじさんの7人で苫小牧から電車とバスで2時間半、新冠の
サラブレッド牧場へ着いた。子供達はサラブレッドの美しさや可愛い子馬の姿を
見て喜んで走り回っていて、幸夫おじさんが写真機を持ってきて何枚も写真を
撮ってくれた。走り回って疲れて大きなビニールシートを敷き、にぎりめしと
、少しのおかずと、お茶で昼食を食べた。
牧場には新鮮な牛乳を使ったソフトクリームが売っていて、みんな食べて良い
ぞと幸夫おじさんが、お金を出してくれ、子供達の笑顔をみて安江が思わず目に
涙を浮かべありがとうと言って喜んでくれ、子供ってのは何か楽しい思い出が必
要なんだと言い、俺も子供達と牧場に来れて楽しいよと話してくれた。午後3時
過ぎに牧場を後にして苫小牧へ帰り、駅に降りて、いつものコロッケ屋の前で
コロッケとメンチとハムカツをいっぱい買って家に帰り御飯を炊いてもらって
、みんなで夕食を食べた。
帰る時には5人の子供達が幸夫おじさんを送ると、また来るからよと笑顔で帰
って行った。夏休みが過ぎて10月、11月と寛太は、朝早くから漁協で仕事と
近くの食堂などの手伝いをして駄賃をもらっていた。
1970年12月トヨタ株75円で1万株75万円でソニー株を358円6千株
で210万円、合計285万円で買い残金が65万円となり、やがて1970年
も終わり1971年を迎えた。
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