第4話:幸夫の教え2

 それを聞いて幸夫が寛太を偉いぞと誉めてくれ次に新しいノートを持って来て

出納帳をつけて自分の財産の管理をしろと教えてくれ株投資も同じ方法でやれば

良いと言った。幸夫が18歳になったら株投資を始めようと言い寛太は、それま

で頑張って、お金を貯めるようにするよと答えた。寛太は翌週から出納帳をつけ

始め、かかったお金と買った品物を別に書き込む様にし、寛太は妹の和子に、お

前は高校に通って、しっかり勉強しろと言い金の事は何とかするからと励ました。

 和子は中学で懸命に勉強し地元の進学校、苫小牧東高校に合格すると合格祝い

に幸夫おじさんが、すき焼き肉やコロッケ、メンチなど大好物をいっぱい買って

きてくれ定期的に30kgの米を買って、お店から運ばせた。これには安江も

、いつもすまねえと、お礼を言った。また今年も桜が咲き、花の季節がきて

短い夏が過ぎ秋が来て1年が終わり1970年を迎えた。


 幸夫おじさんの所へ行った時、今までの出納帳を見せてと言うので、渡して、

それを見た幸夫が言った通りに合計8万円の収入で2万円を使わずに貯めて1年

24万円が貯まったねと誉めてくれた。次に寛太に出納帳をつけ始めて気づいた

事は何かと質問すると我慢の大切さを気づいたと言い、人のいやがることを率先

してする様になると食堂や他の店で手伝ってくれと言われ、お小遣い稼ぎができ

ることを学んだと答えた。幸夫が、これが金儲けの基本だと言い、これからは、

どうしたら、他人が、お金を気持ち良く出してもらえるかというのを、よく観察

して考えて行けと助言された。


 夏になって、たまには出かけようと苫小牧から新冠のサラブレッド牧場に行き、

美味しいアイスクリームや食事をご馳走になったが寛太が、もう一つ浮かない顔

をしていたので幸夫が訳を聞くと、何か俺1人だけ良い思いをして、残りの家族

に悪い気がしたんだと言うと、あまりに可愛い事と言うので思わず幸夫は寛太を

抱き寄せて本当に、お前は優しい子だなと強く抱きしめた。寛太も親父をなくて

して、ずーっと世話になって幸夫が本当の父の様な気がして涙がこぼれた。夕方、

日が暮れる前に汽車で苫小牧に帰り幸夫は嵐山家に、たくさんの豚肉と野菜と焼

きそばを買い込んで、今晩は焼きそばパーティーをするぞと言いながら寛太の家

に立ち寄り、安江が材料を切って隣で幸夫おじさんがフライパンで焼きそばを作

っては大皿にもりつけてテーブルに出したが作るそばからなくなっていき、4回

作って、やっと満腹になった様で箸が動きが鈍くなったところで安江と幸夫おじ

さんが食卓に座り食べ始めた。いつも悪いねと安江が幸夫おじさんに言い食事を

終え、また来るねと言って、幸夫おじさんが帰って行った。寛太が風呂に入り、

今日の出来事を、母・安江に話した。すると母が幸夫おじさんの事を寛太に話し

始めた。


 幸夫おじさんは小学校時代から賢くて中学でも首席で卒業して高校は苫小牧東

高校を出て北海道大学経済学部に入り北海道拓殖銀行に勤めたが、融資回収問題

で銀行の仕事の仕方に不信感をいだき40歳の時(1967年)の時、銀行を退

社した。聞いた話によると融資した先の商店の業績が悪くなったので銀行から

融資した金を回収する様に命じられ、融資の回収の話で、その店を訪ねると店主

が首をつって自殺していたらしいんだ。それを見て幸夫おじさんが銀行に嫌気が

さしたらしいよと話してくれた。その後は実家の離れで家庭教師をしたり退職金

や預金と株取引をして食べてると聞いていると言った。

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