風花

 海津は年若い女主人の手を取り助けながら、その見事な御殿へと最初の一歩を踏み出した。

 女主人だけでなく海津自身も非常に緊張していた為、周囲への注意や関心などは殆ど働いておらず、ただ黒々と輝く迄に磨かれた板張り廊下しか、その際は印象に残らなかったが。


「お千、お千っ」

 女主人の名を呼ばわる、何処か幼げな女の声に、漸く視線を上げたが相手の姿は確認出来なかった。

 ーそれより前に海津は何かの勢いに圧されるように、退いていた。


「……落ち着いて下さいませ、母上」

「まあ、何てことでしょう!」

 ほっそりと儚げな風情ではあるが、中身は随分と確りしているということは傍近く仕える海津等は皆承知している女主人に、小柄な女人が抱き着いていた。


 大坂城の絢爛豪華に慣れた海津の目にも、その女人が身につけている衣が一見大人しやかではあるものの手間の掛かった優美な、非常に贅沢なものと映った。

 例えば、今は無い城、亡き女主人に匹敵するような。


「随分と久し振りに会うのに、つれない口振り。もう私のことを忘れてしまったのですか?」

「そんな訳ありません、母上。良く覚えております」


 女主人が再度、落ち着き払って呼び掛けるのに、海津も漸く、女主人に抱き着いたまま文句を言っている女人が、女主人の母親、つまりは彼女達がはるばると長の旅路の果てに辿り着いた東の地、徳川家の本拠地である江城の女主人ー将軍家御台所ーなのだと覚った。


「それにしても見違えました。随分と大きくなって」

「……それは母上。私が江戸を発ったのは七歳の時でございますれば。大きくもなります」

「でも相変わらず、賢くて美しい、私の大事なお千じゃ!」


 さ、早く中へ、などと女主人の手を取り、踊るように軽やかな足取りで先導していく女人を海津は他の供の者達と一緒に見送った。

 主筋の二人の姿が角を曲がって見えなくなってから、慌てて海津等も後を追う。


 がっしりとした触感のある廊下を進む内に、自然周囲もーこれは当たり前のように身についている侍女としての習性だー目に入ってきて、大坂城のような奇抜な派手さはないが、この城が良く調えられ丁寧に設えられたーつまりは『金に糸目を付けていない』ー建造物だと知れる。


「本当は元の御部屋をと思ったの。でも……随分と奥殿も変わってしまって。他の子達の傍では落ち着かないでしょうから、一番静かな御部屋にしてみたのよ。それとも賑やかな方が良かったかしら?」

「いえ。母上の御存念の儘に」

「あら、いやだ。そんな言い方」

 ころころと笑う声は少女のように無邪気で飾り気が無い。


 案内された部屋は実際申し分のない美々しくも落ち着いた雰囲気の部屋だった。

 女主人の好みや趣味を心得ている海津には、女主人向きの部屋だと思ったし、実際、女主人が一瞬、大坂に居た頃のようにー城を出てからは一切見られなくなったー寛いだ穏やかな笑みを閃かせたのを見たような気がした。


「……疲れたでしょう。ゆっくりお休みなさいね」

「はい、母上」

「本当はもっと話をしたいけれど……今日は貴女の貌を見ただけで良しとしなくてはね」

「母上は、何か御用がございますのでしょうか」

 座す間も無く鳥か蝶のように身を翻して出て行きそうになる御台所を、女主人が珍しくも素早く引き留めるのに、海津は少し驚いて瞠目した。


「まあ。良いのですか?……私、煩いのでは?」

「いいえ、そんな。とても……久し振りなのですもの」

「そう」

 御台所は柔らかく微笑みながら、女主人のすぐ傍に腰を下ろし、変わらず固い表情のままの女主人の手を取った。


「母上」

「……良く帰って来てくれました。そなたが無事と聞いて、本当に安堵致しました」

「はい」

「……その、ね、お千」


 ふいにもじもじと御台所が一の姫である女主人を上目遣いで窺う。

 そんな様子はやはり随分と稚い感がすると、海津は改めて思った。


「何でしょう」

「抱いても、良いかしら」


 女主人の、何処か姑であり伯母であった人に良く似た、能面のような無表情に皸が入った。


「無論です、母上」

「お千」

 小柄な女性は少し伸び上がるようにして豊臣家当主の御正室であった女主人を抱き締めた。


「お千、ああ、お千……どれ程、そなたに会いたかったことか……ずっと……そなたの身が心配で……」

「母上……」


 御台所がぽろぽろと涙を流しながら嗚咽混じりに訴えるのに、徳川家の姫君に戻った女主人も又ー声は上げなかったもののー人前では見せぬ筈の涙を溢れさせた。


 *


 江戸での暮らしは思いの外穏やかで、心休まるものであった。

 少なくとも徳川家の一の姫である千姫付きの侍女ということで、元々城に居た者達の応対は丁寧で、恭しくすらある。

 それは奥向きの女中衆だけでなく偶々用向きを済ませる為に対面しなくてはならなくなった表仕えの者達も同様だった。

 海津が仕える姫君は今でも徳川将軍家の総領姫として慕われ、また気の毒がられているらしい。


 又、海津の同僚達は、元々御台所の輿入れ時に養家より付き従って来た者達やあるいは上方出のーつまりは同郷のー侍女達と会って旧交を温め、すっかり身も心も寛げているようだ。


 海津自身も、妹の近江と再会したが、そうすると大坂で女主人に殉じた今一人の妹のことがより強くまざまざと思い出され、近江と共に苦く哀しい涙に暮れる刻を過ごした。

 又当然、一人きりになった夜には、同じく大坂でーおそらく本人としては無念であったろうが、あくまでも華々しい討ち死にではなくー自害した夫が偲ばれる。


 更に海津は亡き主と同じ浅井家のしかも嫡流の長姉である立場上、己こそが城で果てるべきではなかったか、などという慚愧の念を拭い切れなかったし、又そのように思う事で、今現在の若い主である姫君に申し訳ないという思いも強まった。


 身に迫る危難が取り除かれ、漸く長閑で安らかな空間に身を置くようになり、くよくよと過ぎた事を悔やんだり悩んだりする余裕が出来たのかもしれないとは、もっと後に思った。

 己に出来る事は傷心の姫に仕え、痛みと苦しみを分かち合う事位だ、と悲観的に思いつつも、己では意識せず、海津も又平穏な暮らしに少しずつ癒されつつあった。


 というより、毎日姫の元を訪れ、賑やかにお喋りをしていく姫の御生母の姿や言動に眩惑されー戸惑う内に日は過ぎていくといったのが実状だったかもしれない。


「ああ、少し涼しくなって来ました。有り難いこと」

「……左様ですね」

「お千は幼い頃、庭を散歩するのが好きでしたねぇ。良かったら夕涼みがてら、庭に出ませんか?」

「……いえ」


 言葉少なに拒む姫にも将軍家御台所の笑顔はますます美しく輝くばかりだった。


「あら。随分大人になったのですね。……そうね、お千も私に体質が似てしまっているなら、あまり日に焼けないようにしないと辛い思いをしますから」

「……辛い思い、ですか?」


 母君に、というよりも生家の徳川家への蟠り甚だしく頑なである姫君は、元々好奇心が強く疑問点は明らかにしなければ気が済まないひとだ。

 母君の言葉の端に引っ掛かって問い返すのに、御台所は楽しそうに夢見るような視線を宙に漂わせた。


「あれは……私が大野で暮らしていた頃の事です」

「はい」


 姫君は興味深げに母君に視線を当てた。

 おそらく姫君は聞いた事がない話、なのだろう。

 海津は特に興味は抱かなかったものの、部屋の隅に控えている身であるから自然と話は耳に入る。


「与九郎様に連れられて、島に遊びに行った事がありました。一日中とても良いお天気で、凄く楽しかったのですけれど」

 御台所はほぅと切なげに溜息を吐く。


「城に戻ったら、身体中が、火が付いたように痛くて。とても酷く日焼けしてしまったのです。まるで火傷したようだと言われましたわ」

「……」

「幸い、与九郎様が、火ぶくれが出来た場所に薬を塗って下さって。あ、与九郎様は、冷水を浴びた方が良いとも教えてくれました。それから泣いている私を一晩中抱き締めて下さって。本当に優しい方でしたわ。……翌日には熱は引いたのですけれど。その後、何日も乳母やは部屋の外に出してくれなかったのです!本当に横暴なんだから!」

「……」

「ですからね。お千や他の子達には、私のような目に遭わせたくないのです。そう思って、そなたが幼い頃も、あまり天気の良い晴れた日には長時間外で遊ばぬようにと注意していたのですよ」

「左様でしたか」


 姫君は穏やかに応じると共に頷いたものの、その瞳には新たな疑問を追求しようという意思が漲っている、ように海津は感じた。

 あくまでも海津の印象であって、年若い主人の気色を読み取るのはなかなかに難しい。


「ところで母上」

「はい。何でしょう?」

 十数年振りに戻って来た娘と一緒に居られるのが御台所にとってはただ単純に嬉しく楽しいのだろう、にこやかに艶やかな笑顔の輝きは増すばかりだ。


「今のお話の、与九郎様とは何方でしょう。随分と親しげに聞こえましたが」

「あら」

 御台所は驚いたように目を丸くし、更に初々しい少女のような羞じらいを見せて頬を染めた。


「母上?」

「……私の夫だった方ですよ」

 きゃっ恥ずかしいなどと、御台所が袖で顔を隠すのに、海津だけでなく暫し姫君も常と変わらぬ無表情のまま、固まる。


 だが海津より、更には御台所より早く常態を取り戻したのは姫君だった。


「では……完姉上の父君であられた方ですね。大陸との戦で亡くなられたという」

「あら。違います。お完の父は羽柴秀勝様です。太閤殿下の甥であった方で、領地は……岐阜だった筈。与九郎様は、私が最初に嫁いだ方ですよ」

「……」


 流石に今度は姫君が目を見開くのに、御台所は恥ずかしそうなだけでなく少々申し訳無さそうな顔をした。


「あら。……そなた、何も聞いていなかったのですか?……驚かせてしまったわね」

「あ。……いえ」

「与九郎様……佐治一成様は、私にとっては母方の従兄に当たる方です。私の母上と与九郎様の母君は、姉妹でした。私は母上の遺言に従い、織田家の親族達によって、当時、大野の領主である与九郎様と娶せられたのです。私は……十二歳でした」

「……」

「与九郎様は私より四歳年上で……幼い頃より私と良く遊んで下さいました。とても優しくて明るくて、男らしくて、美しい方でした。母上が亡くなっただけでなく、姉上方とも以前より離れて暮らすようになって辛く寂しい想いをしていた私は、喜んで嫁いで行きました。私は未だ子供で……幼い頃より良く知っている兄のような人と暮らせるのを、本当に嬉しく、幸せな事と感じていましたから」


 非常に似た話を聞いたことがある、などとぼんやり思い、海津は次の瞬間には息を呑んでいた。

 御台所が語る昔語りは、随分と、女主人との境遇に似ていると思ったのだ。

 実際、千姫自身も、顔色を幾分白くするだけでなく軽く唇を噛んでいる。


「その御方は……亡くなられたのですか?」

「いいえ。今もピンピンお元気でいらっしゃる筈ですよ」


 何故か御台所はぞんざいな口調で言い返すだけでなく一瞬膨れっ面をしたが、すぐに元の笑顔を取り繕った。


「ま。嫌だわ。全て過ぎたこと。遠い昔のお話ですよ」

「あの……では何故、母上とその御方は」


 はっきり言い難いようで、口籠もる姫君に、御台所は幾分強い言葉で続けた。


「勿論!離縁させられたのですわ!しかも無理矢理!騙されて!」

「……」


 姫君だけでなく海津、更には廊下で控えていた者達の注目を集めてしまったと気付いて、御台所は頬を染め、恥ずかしそうに俯いてしまった。

 既に海津だけでなく他の侍女等も、この江城の女主人であるひとが、愛らしい見かけと同様、幼い所があるとは気付いている。

 侍女等は皆素早くさり気なく視線を逸らし、暫く待って後、姫君が穏やかに続けた。


「では母上は、その御方と離れたくなかったのですね?」

「当然です!私は一度嫁いだ以上、嫁ぎ先で骨を埋める覚悟でした!太閤殿下が、当時は未だ関白にもなっておられませんでしたけど、何と言おうが、喩え攻めて来ようが、私は与九郎様のお側にいたかった。ですが……」

「……」

「私を、大野から出したのは、与九郎様御本人でした。与九郎様が望まれぬのに、戻る事は叶いませんでした」

「そんな」


 姫君が小さく呟きを漏らしたのに、御台所は優しく穏やかな笑みを向けた。

 先程の幼い表情とは全く異なる、女の貌だ。


「私も……当初は随分お恨みしました。でも……与九郎様は私の身を案じて、幼く愚かで、何も出来ぬ私を連れては行けぬと、姉上と殿下の元に居れば、元通り、大名家の姫としての待遇を得られると考え、私を手放したのです。確かに、私が与九郎様から離れなければ、与九郎様は伯父上の許で生きることすら叶わなかったでしょう。代々佐治家に仕えていた者達を見放し、あるいは巻き添えにして一族悉く討ち滅ぼされる事となったかもしれません。そうなっても私には何も出来ないどころか、足手纏いになっていたでしょうね」

「……」

「最後迄逆らったとしても私は無理矢理連れ戻され、酷い目に遭わされたかもしれません。今よりもずっと、多くの者達の定めは無残で救いようがなくて、人は簡単にその尊厳を犯され、殺される時代でしたから」

「は、母上」


 海津にとっても珍しい、姫君の動揺露わな御姿だった。

 身に詰まされていた分、余計に、母君が描いて見せた地獄図はー大坂での忌まわしい記憶と相俟ってー姫君を襲ったに違いない。


 身を震わせている姫君に御台所は軽く小首を傾げてから、身軽く姫君に抱き着き、優しく姫君の髪を撫で始める。


「大丈夫ですよ。母は今こうして、そなたの傍にいるでしょう?お千。……起きなかったことですし……随分と昔の話です。先程申したように、何もかも終わってしまった、話」

「……っ」

「大丈夫。どんなに辛くても哀しくても……全て過ぎ去って行くのです。後に残るのは、大切な人との幸せな思いと笑顔だけ。もう、辛くはありません」


 御台所は自分自身の経験だけでなく姫君の身上について諭しているのだと、遅まきながら海津も気付き、武門第一の女人ではあるが、小柄で可愛らしい見かけに己が随分と騙されー勝手に侮ってーいたのだと覚った。

 考えてみれば、目前に座す尊い女人は、大坂城の女主人であったひとの実妹であり、亡国の憂き目も父母を戦で奪われる苦しみ哀しみも共有したひとだったのだ。


「母上……母上は……」

「ええ、何?」

 母君につられたのか、おずおずと姫君が少し幼げな口調で問い掛けるのに、御台所は優しく応じる。

 あるいは、懐かしい母君の胸に抱かれてー先日のようにー姫君は幼い頃の心持ちに戻ってしまっているのかもしれない。


「その……佐治、様のこと、今でも思っていらっしゃるのですか?もしかして、父上よりも?」

「……さ。それは秘密です」

「母上」

 甘えた声音と目線で訴える姫君に、御台所は悪戯っぽく微笑みながら、姫君の頬を撫でた。


「そんなに容易く、母の秘密を暴こうとしないで下さい。おなごには心に大切にしまっておく想いが必要なのよ」

「……はい」

「……そなたも無理に忘れようとしないで。大切に……優しく想っていてあげて。お千の想いはお千だけのものだから」


 無言で姫君が御台所に縋り付くのに、最早海津も堪えきれず、だが嗚咽が漏れぬよう唇を噛み締めつつ袖で顔を覆った。


 *


 徳川家の男達ー大御所と将軍及び将軍の弟君等ーが大名諸候を引き連れて江戸へ凱旋して来たのを、姫君は思いの外、冷静にかつ穏やかに受け入れたようだった。


 一足早く江戸入りして母君とゆっくり過ごされたお陰で、当初のぎりぎり迄追い詰められ思い詰めていた相は緩み、あるいは諦めを覚え始めているのかもしれない、などと海津は勝手な推測を巡らせたものの、正確な所は分からない。


 父将軍や大御所との対面の際にも、大坂でのようにあからさまな敵意を見せることはなく、姫君はー幾分冷たく他人行儀ではあったもののー丁寧に実家の男達に接しておられた。


 海津が残念だったのは、将軍が帰城して以来、御台所による訪問が途切れがちになってしまった事だ。

 当然、行事やら接待やらで御台所御自身も多忙なのだろうが、姫君の寂しげな横顔や、人待ち顔で回廊の方角をぼんやり眺めている姿などを見ると、僅かな時間で良いからとにかくー出来るだけ長くー御台所が来て姫君を慰めてくれれば良いのに、と思ってしまう。


 そうこうする内、将軍と御台所が連れ立ってやって来て、元々真っ直ぐな性格ではあるものの頑なで意固地になりがちな所がある姫君は少々旋毛を曲げてしまったらしい。

 両親が仲良さ気なのを再確認してしまってー母君は味方だと感じていたのが裏切られたような気分なのだろうと、海津はこれまた憶測を巡らせた。


 更に、城の主を迎えある種活気と忙しなさが漲っているような城の中で、奥殿も以前より賑やかになっていたから、海津も他の侍女等も手伝い仕事が増え、元々城に居た者達に混じって働く機会が増えた。


 将軍家夫妻が一の姫の縁談を画策しているとの噂を耳にしたのもそうした変化のお陰であったが、未だ心の傷が癒えていないだろう女主人を案じ、何とかならぬものか、と悩みあぐねていた海津の予測は、ある意味良い方に裏切られた。


 どうやら姫君は、見合い相手の一人を気に入り、再度嫁ぐ事にも前向きな気持ちになられたようであったのだ。

 意外にも寂しくも感じた海津であったが、未だ未だ若く美しい姫君にしてみれば当然の事だとも思う。


 あるいは、主人と同じく意固地で一筋一刻一徹であった海津自身も、御台所の様々な思い出話や打ち明け話に感化されていたのかもしれない。


 訪ねて来た弟妹達と御庭へ出て、子供に返ったように無邪気に笑いながら戯れている姫君を見ていると、妹や夫、更には大坂の主筋の人々には申し訳ないが、これで良かったのだ、という考えも浮かんでくる。


 大坂では、姫君がこのように笑っている所など海津は見たことが無かったのだ。


(御台所様の仰せの通り)


 海津は透き通るように青く晴れ渡った空を見上げた。

 その日差しの強さに御台所の経験談を思い出し、つい苦笑を漏らす。


(全て過ぎ去って行く。……風が吹くように、花が散るように)

 だが世に、風も花もー人もー絶える事はない。


 姫君や御弟妹君達が日焼けしないように日陰へ案内しようと後を早足で追い掛けながら、海津の笑みも軽やかに明るく深まっていった。

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