3 福島県について③中通り

 中通りもかなり広い地域で、昔は北部が信夫郡・伊達郡・安達郡、南部は安積郡・田村郡・西白河郡・東白川郡・石川郡……というふうに分かれており、さらに、例えば伊達郡は阿武隈川より西が西根郷、東が東根郷、南東部の川俣地区は小手郷と呼ばれていたという複雑さ。もちろんひとまとめに語るのは難しいのですが、福島県民ですらきちんと知らないことを他県の方にいっぺんに説明するのは大変ですので、詳しくは各地域の資料などを見ていただくとして、会津地域と同じく簡単な紹介に留めます。


 県の真ん中に位置しているのが中通り。県庁所在地の福島市があり、例えば有名なブランドやショップなどが福島に進出した場合はまず間違いなく福島市か郡山こおりやま市のみにオープンするという具合のため、福島県だけで考えれば発展している場所と言えます。郡山市の方がより発展しているためか、「県庁所在地を郡山市に」というポスターを見たことがあります。

 が、知名度は会津の方が圧倒的に高く、戊辰戦争時は二本松藩でも二本松少年隊が結成され果敢に戦っていたのに、会津・白虎隊の影に隠れて知名度が低いという散々な扱いを受けています。



【代表的な観光施設】

・温泉

 飯坂温泉、穴原温泉、高湯温泉、土湯温泉、岳温泉、磐梯熱海温泉などがありますが、三つに絞って紹介していきます。


①飯坂温泉(福島市)

 福島駅から行きやすい飯坂温泉は奥州三名湯の一つで、縄文時代まで遡れる歴史の古さ。過去には日本武尊やまとたける、松尾芭蕉、正岡子規、与謝野晶子、ヘレン・ケラーも宿泊、または温泉を体験したとされています。


②土湯温泉(福島市)

 三大こけし発祥地の一つということで、土湯こけしが有名な温泉地。周辺には東北サファリパーク(約20分)や、あだたら高原スキー場(約40分)など。


③磐梯熱海温泉(郡山市)

 アクセスの良さを宣伝しており、東京駅から新幹線で約1時間55分、大阪・伊丹空港から飛行機で約2時間10分と説明されていました。『四季彩 一力』という温泉旅館は1993年にガーナ大統領夫妻、2015年に安倍総理大臣とイギリスのウィリアム王子が宿泊したということで、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。


・ブリティッシュヒルズ(岩瀬郡天栄村)

 神田外語大学・神田外語学院を運営する学校法人佐野学園によって、1994年に語学研修施設として建てられたのがブリティッシュヒルズです。羽鳥湖高原がスコットランドのハイランド地方に近い風土ということで、中世イギリスを再現した建物とあわせて楽しむことができます。ホテルとして泊まれる他、英語レッスンや文化体験もあり、ウェディング会場としての利用も可能。


・三春滝桜(田村郡三春町)

 国の天然記念物に指定されており、日本三大桜の一つに挙げられる桜が見られます。以下、三春町ホームページより抜粋。


種類/エドヒガン系ベニシダレ(バラ目バラ科)

高さ/13.5m

枝張り/東に11.0m、南に14.5m、西に14.0m、北に5.5m

幹周り/8.1m(地上高1.2m)

根周り/11.3m

開花期/例年4月中旬から下旬

樹齢/1,000年以上(推定)


・リカちゃんキャッスル(田村郡小野町)

 JR磐越東線の小野新町駅下車徒歩10分。いわき市からは電車で40分~50分といったところでしょうか。2019年で25周年を迎えるこの施設は、日本初人形の一貫生産オープンファクトリーとして開設された、と公式サイトで説明されています。子供が楽しめる施設ですね。なお、リカちゃんは小野町『小野町 町おこしプリンセス』(名誉市民)ともなっているそうです。

 タカラ(現タカラトミー)創業者佐藤安太はいわき市出身。


・岩瀬牧場(岩瀬郡鏡石町)

 北海道砂川町の同名牧場とは無関係。120年の歴史を誇る日本初の国営牧場。旧文部省唱歌『牧場の朝』で「ただいちめんに立ち込めた牧場の朝の霧の海……」と歌われている場所です。現在は観光牧場として、樹齢120年のソメイヨシノがあるフラワーガーデン、子供が楽しめる遊具、バーベキュー、各種体験プログラムなどで楽しむことができます。



 なお、廃墟マニアの方は福島県福島市にあった『高子沼グリーンランド』の名前を聞いたことがあるかもしれませんが、現在は跡形も無くなっています。



【名産品】

・だるま(福島だるま・白河だるま・三春だるま)

・三春駒

「征夷大将軍ゆかりの木馬

 遠く坂上田村麻呂の蝦夷遠征に由来し田村近在の人々に「子育木馬」として親しまれてきた三春駒。白駒と黒駒があり、彩色は赤、黒、金色と鞍の紺。馬産地として知られた三春ならではのたくましい馬体が特徴で、馬への深い愛情が感じられる。最近はホウの木が用いられる。鋸で切り目を入れて頭合わせの二個組みを作り、次に後頭部に当たる中心にノミを入れて割り、仕上げている。様々な飾りをつけた若駒を一刀彫りの直線により力強く表現した特徴ある形が現在の姿。白馬と漆黒の馬が対で並んでいると、飾り気のない風情が実に愛らしい。」(福島県公式ホームページ『福島の伝統工芸品』より)


・ままどおる/三万石

 バターを使った生地の中にミルク味のあんが入っています。

 ところで、この銘菓会社の『三万石』、由来はなんでしょうか。福島県の年表には1745年(延享2年)に福島三万石一揆が起こったと書かれていますからこの関連かと思っていましたが、福島県公式ホームページ『福島県と東海地方の歴史的なつながり(過去情報)』では、「福島藩は、板倉氏三万石の城下町として現在の福島市の発展の礎となりましたが……」という記述があります。こちらでしょうか。


・薄皮饅頭/柏屋

 ままどおると並んで定番県外の人向けお土産ではないでしょうか。私も買いますが、単純に味や知名度といった点で万人受けするものというと、ままどおるか薄皮饅頭くらいだからです。柏屋公式サイトには日本三大饅頭の一つだということが説明されています。



【3.11】

 津波被害こそないものの、最大震度震度6強、その後も大きな余震に見舞われたため、風評被害に限らずかなりの影響を受けています。また一時期は以下の地域が原発事故に関連して区域指定を受けていたことがありました。


川俣町(伊達郡):2017年3月31日に居住制限区域(将来的に住民の方が帰還し、コミュ

 ニティを再建することを目指して、除染を計画的に実施するとともに、早期の復

 旧が不可欠な基盤施設の復旧を目指す区域)および避難指示解除準備区域(復旧・復

 興のための支援策を迅速に実施し、住民の方が帰還できるための環境整備を目指

 す区域)解除。


田村市:2014年4月1日に避難指示解除準備区域が解除。

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