ドリアンスナック/マレー半島

(2018年当時の初稿に加筆しています)


先日、マレーシア人の友人から数年ぶりに電子メールが届いた。彼女は私が学生時代だったときの同級生だった。

メール内容としては、まだこの業界に残っているなら仕事手伝ってほしいのだけれど、というものだったのだが、そのやり取りのなかで、またマレーシアに来てねって文面も含まれていた。


マレーシアか。

私がマレーにいったのは確か、2014年5月。

光陰矢の如しとはこういうことなんだな。

その間に私はきっと、なにも変わらなかった気がするのだが、彼女は卒業後、就職、結婚、出産を経て、また働いているようだ。

すげーな、おい。


逆に私の人生、どうなっちゃってんだよ?

人生がんばってんだよ。

なんて、私の脳内で岡村ちゃんが応援してくれている。

一生懸命って素敵そうじゃん?

うーん、いまだに人生の大海で溺れているかも。


あの当時、マレーシアで買ったのはドリアンスナック。

臭い、でも、病みつきになる。

研究室にお土産として持っていったけれど、誰も手をつけようとしていなかった。

わたしは意外とすきだったんだけれどな。



さらに数年が経ち、彼女から講義の依頼を受けた。もう、そっちの世界の人間ではないとだけれど、今までやった研究でいいから話してほしいとのこと。

このご時世、マレーシアでもZoomでの授業は当たり前らしい。

学生はおのおのの自宅から出席。

英語とか久しく喋っていないから、カンペ準備してほぼそれで押し倒した。質疑応答はタジタジで、先生である彼女がわたしの拙い英語を噛み砕いて説明してくれていた。


最後に全員で記念撮影してたら、「アリガトー」と聞こえてきた。

わざわざ、日本語おぼえてきてくれたんだな。

なのにわたしは、Terima Kashiとはすぐには出てこなかった。自分のことで精一杯だった。



マレーシアに来てね。

しばらくは行けそうにないけれど、今度は直接Terima Kasihを伝えにいきたい。

久しぶりにドリアンスナックも食べたいし。

I hope you stay safe.

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