沙其馬/中国
サチマ、とか、シャチマとか呼ばれている。
穀物の砂糖がけみたいなやつ。にんじんとかポン菓子のより甘い版で、噛むと独特の硬いような柔らかいような不思議なお菓子。シンプルだけれどこれが美味しいのだ。
*
前職はなにかとチャイニーズが多かった。チャイニーズがチャイニーズを呼び、どんどん増えていく感じ。良くも悪くもみんな我が強く、さすがだなと。じゃないと、自国をわざわざ越えて日本に来ないなと。
わたしは折木くん並みの推理力が売りなので、外界から与えられた仕事は正直いうと努力でカバーしていたのだが、嫉妬などで結構いたずらに貶められていた気がする。まあ実力主義の世界なので気にせず働いていたとおもいます。でも最後は、嫉妬に狂った輩がボスを洗脳して、ボスが耄碌ジジイになって会話が成立しなくなったので、こっちから辞めました。それまでに、わたしがやるべきことをやったし、勉強させていただいたので逆にありがとうでしたが。
ということで、なんとなく人間は嫌いです。国籍とか関係なく、ね。
で、チャイニーズとの交流が多かったこともあり、前職のうちに中国北京には一回出張させていただいて、中国の食彩館的なミュージアムで竜宮城のようなパーティーに参加させていただいた。スッポンとかフカヒレとか、日本では普通見かけない料理を、歴史ショーと共に。正直、おいしい!とかは特に覚えていないのだが、あれだけは、たぶん人生のうち二度とない体験だったとおもう。わけわからん色とりどりの華やかな記憶だけが、わたしに蓄積されている。
ボスが中国土産でよく買ってきたのが、サチマだった。わたしもお気に入りで、その際は買って帰ってきたとおもう。ただ、サチマには味に種類があって、卵黄味は甘味が控えめで美味しくなかったような、気がする。あれ、美味しい方だったっけ?
あー、もう曖昧だ。
でも、嫌だった記憶も、だいぶ薄れて来た気がする。
できる限りもう会わないなとも思っているけれども、メールなどではやりとりはちょこちょこおこなっている。本質的には嫌いではないのだ。ボスはわたしを大切に育ててくれた。たぶん、わたしが親離れしたかった、それだけなのだ。
どうしても、わたしは人から支配されそうになりがちなのだが、コントロールされると心身共に死ぬことを理解しているので、決してそうはならないように意図的に行動する。だから、いつも人と決裂する。生意気だとみられても仕方がないのだけれど、そういう人種なのだ。
わたしも結局、我の強い人間なのだ。
あきさんの手土産備忘録 あき @COS部/カレー☆らぼらとり @aki0873
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