二
授業中、手元を隠しながらスマートフォンを操作していた響は、不意に鳴ったチャイムの音に意識を呼び戻された。慌てて立ち上がり終業の礼に加わろうとすると、教壇の上の教師は困ったような表情で響を見ている。
数学の石井先生。品の良いダンディな白髪は生徒からの人気も高い。
しまった、と響はこの時になってようやく自らの失態に気付いた。カモフラージュ用に広げていた教科書はReadingのものだ。
心の中で土下座するようにしながら礼を終えると、にやけ笑いを浮かべた友人たちが席の回りに近付いてくる。
「内職するにしてももう少し器用にやれよ、あれはさすがに失礼だって」
坊主頭は野球部の森田。
「どうせ将棋だろ、順位戦だかなんだか。銀兄さんの試合も先週あったんじゃなかったか」
その脇から顔を出した、眼鏡の安岡は吹奏楽部。
「そいや兄さんそんなこと言ってたっけ。勝っとかないと給料減るかもとかなんとか」
と、これは三人の中で最ものんびりしている井川で彼は生徒会。
「給料減るっていうか、降級な。アイツの場合そこまで切羽詰まっても無いだろうけど」
「で、どうだったんよ」
「競ってたけど、相手が強かったよ。A級常連みたいな人だから」
言いながらスマホで棋譜を再生してやるが、元よりまともに将棋を指せる人間は一人もいないのだから意味がある行為ではない。
「A級ってそんなにすごいのか?」
「名人になれるかもしれない挑戦権を取れるかもしれないクラス」
「ふーん。兄さんでも駄目なことってあるんだな」
「そりゃ毎回勝てたら苦労も無いだろ。アイツの場合これまでが出来すぎだったんだ」
高校卒業と同時にプロ入りした銀乃介は既に将来のタイトルを確実視されるほどの活躍をみせており、僅か五期目の順位戦にしてB級1組まで駆け上っている。だが、名人戦への大きな関所、鬼の住処とも称されるB1では足踏みを余儀なくされており、目下残留を目標にしなければならない状況だ。
「で、今日は誰の試合見てたんだよ。俺らの知ってる人?」
「今見てたのは順位戦、千代のだよ」
千代は今期の負け越しが既に確定してしまっている。降級点を確実に回避するためには今日を含めて残る二局のどちらも落とせないという勝負だ。
「千代さん今試合してるのか、どうなの?」
応援している野球選手の成績を気にするようなものなのだろうか、将棋など大して興味が無いはずなのに、彼らは形勢を聞いてくる。
「多少良いんじゃないか、アイツなりには指してるって感じ」
どうせ細かい説明をしても伝わりはしないからと画面を出す事すら省いて手短に答えた。嘘は吐いていない。形勢は実際に千代が良い。
「何だよそれ、もう少し応援してやりゃ良いのに」
「将棋の応援してどうすんだよ、なんか意味あんのか?」
返しながら響は苦笑した。クラスメイトの間では一般的らしい、将棋を見てどちらかを応援するという感覚が、響の中でいまだに馴染まない。そしてそれはプレイヤーと観戦者の違いなのかも知れなかった。
「っつーかお前からしたら彼女の姉じゃん、そういうもんじゃねえの?」
何を今更当たり前な事を言わせるんだとでも言いたげに森田が言うと、そこでふと話の風向きが変わった。
「慈乃ちゃんも将来はああいう感じになるのか、羨ましい。青田買いってやつだわな」
「あー、ほんと。小五に手出したんだろ? 光源氏じゃん、ロリコンじゃん」
そして始まる熱いロリコンコール。
「あいつが小五の時はこっちだって小六だ」
「付き合ってることは否定しねーのかよ」
「いい加減面倒くせえんだよ。マジでうぜえ」
本気の舌打ちを残して黙り込んだ響を見て、流石にやり過ぎたかと三人は宥めにかかる。これも日常のやりとりだ。
いつまでも機嫌を直さない響に三人が苦戦していたその時、廊下から来客用のスリッパがパタパタと騒がしく鳴り響いた。間違いない、奴だ。姿を確認するまでもなく響は頭を抱える。
教室の後ろのドアが開くと同時に、
「響ちゃん! 授業終わってるよね!」
息を切らした慈乃が現れた。
「今日は随分急いでるね、将棋で何かあるの?」
「アメあげるー、ぶどうとりんごどっちが良い?」
「丁度良かった、慈乃ちゃんにあげようと思ってたピン持ってきてたの」
「あざいー、迎え来たよ」
クラスの女子はペットに接するかのごとく慈乃を優しく迎えている。
何故中学生であるはずの慈乃が高校の教室に入り込めるのか、答えは単純明快で、このクラスの人間は全員この状況にすっかり慣れているのだ。年度当初から何十回と繰り返していればむしろ慣れない方がおかしいとも言える。
「ホームルーム終わるまで待ってろって、大した時間じゃないんだから」
響はむくれたまま応えた。少々からかいが過ぎたとからかっていた三人は誰に向けるでもなく申し訳なさそうな表情になる。
「だって、今日は――」
「――急ぐならお前一人で行けよ。大体クラスまで入ってくんなって言ってんだろ、周りの迷惑も少しは考えろ」
苛立ちを隠さずに響が言うと、その対応を見かねたのか、クラスの中でも慈乃をかわいがっている女子の一団から擁護の声が飛んできた。
「アンタいい加減にしなよ、みっともない。センセには私らから言っとくから、さっさと行きな」
ボス格のギャルが言うと途端に他の取り巻きが追随する。
「そうだよ、慈乃ちゃんかわいそうだよ」
「大体いっつも将棋で抜けてんだから、今更じゃん」
「こんな寒い日にわざわざ迎えに来たコにそーゆー態度とか、マジなくね?」
「童貞はこれだから嫌だよねー、少しくらい空気読めし」
「そうだぞー、彼女は大事にしろー」
キャハハハ、なんて馬鹿みたいな笑い声が溢れ始めると、このクラスにおける響は最早おもちゃでしかない。ここは小学校かと言いたくなるのをぐっと堪えて、響は無言で帰り支度を整える。
荷物をまとめた鞄を担ぎ、慈乃の脇をすり抜けるように教室を出た。
「響ちゃん、ごめんね」
わざと急ぎ足で行く響の後を追いかけながら、言った慈乃は歩幅の違いもあって小走りの状態だった。
「ねえ、そんなに怒らないでよ。ねえってば」
響は無言を貫いていたが、下駄箱で靴を履き替える段になってようやく「怒ってねえよ」とだけ返した。
外から吹き込む風のせいだ。肌に痛い二月の空気は小さな怒りなど麻痺させてしまう。
「寒いよね、今日。雪まで降りそう」
いつの間にか首にしっかりとマフラーを巻いていた慈乃が言った。その手にはもう一本のマフラーが握られている。
「よこせ、自分で巻くから」
解りきった展開に陥ってしまわないように機先を制した。
千駄ヶ谷に到着した響たちが会館の前で煙草を咥えていた銀乃介を捕まえて話を聞くと、盤面の方は千代の勝利がほぼ確実となっており、後は投了を待つばかりといったところか。
「あそこから引っ繰り返るようなことは、まあ無いな」
千代の対局相手である相馬九段はかつてA級まで上り詰めタイトルを保持していたこともある、還暦もとうに過ぎた老棋士だった。もしも今期降級が確定するような事があればフリークラスへの転出をせずに引退する覚悟を固めているとも噂されている。
「千代に死水とってもらえんなら幸せだろ、アイツ爺さん連中からのウケやたらと良いし」
若さ故の傲慢を自覚してなお、それを隠そうとはせず、むしろ進んでさらけ出す。島津銀乃介はそういう男だ。
「そっか……そうかもな」
胸の内にわく恐ろしさにも似た静かな何かを感じずにはいられず、響は曖昧に濁した。
消えていくその人が可哀想なのではない。将棋から離れていく人物を見る度に、将棋というものが消え去った彼らの世界が伝わってくるようで、怖いのだ。
「終わったら飯でも行くか……何食いたいか考えとけよ。ただし酒のある店限定で」
短くなった煙草を地に擦りつけて戻る準備をしながら、欠伸混じりに銀乃介は言う。
「銀ちゃんおごってくれるの?」
「おうよ。ただし響、テメーは駄目だ」
稼ぎがあるやつは自分で払えということらしい。
「まだ決まってないうちからこんなんで良いのかね」
「相変わらずクソ真面目だなお前は、そんなんじゃすぐハゲるぞ」
「響ちゃんハゲたらやだなあ」
「ハゲねーよ」
下らないやりとりをしながら会館へ入ると、それから数十分と経たなかった。夕食休憩に入る前に、勝負はすんなりと決着がついた。その潔すぎる引き際に勝負の前から引退の覚悟を固めていたのだろうと、場にいた誰しもが察した。
勝負が終わり、千代に握手を求めてから対局室を後にした相馬九段を今日は朝から会館で待っていたらしい夫人が迎えると、相馬九段は静かに笑いながら、疲れた、と一言だけ漏らした。
響は思わず目を逸らした。死体に穢れを感じる人間の本能に似た感覚だろうが、しかし響は、本物の死体をこれほどに恐れることは無いだろう。
目の前の光景にいずれ来る我が身の時を重ねて恐怖を覚えなかった棋士など、果たしているのだろうか。盤を前にして死んでいったあの祖父の姿は、なんと恵まれたうつくしいものだったろうか。響の心中を巡るのはそればかりだった。
結局食事は寿司となり、千代もそれほど疲れてはいないということで、銀乃介の馴染みがあるという神田まで足を伸ばした。
「で、どうだったんでい。この前銀坊言ってたじゃねえか、身内の試合があるってよう」
大将は気さくな人間で、寿司を握りながらもほいほいと話題を振っている。
「本人に聞いてやってよ、身内ってコイツだから」
「ありゃ、こいつあ失礼。あっしはてっきり銀坊が彼女連れてきたかと思ってたんですが、そうかい、女の人なのに棋士さんでいらしたかい」
「おかげさまで、今日はどうにか勝たせて頂きました」
「へえ、そうかいそうかい。おう、こいつあいいや、今日は祝いの席って訳だ。何てったって美人だ、こりゃあこっちも赤字覚悟だ」
「太っ腹はいいけど、後で女将さんに叱られない程度にしとけよな」
酒組はこういう具合。
「ねえ響ちゃん、あの、タコの隣は何て魚?」
「しらね」
「じゃあその隣は?」
「しらね」
「じゃあその隣」
「イカじゃなイカ」
「なんだ、ちゃんと聞いてるんだ」
「イカにも」
「おやじくさい」
ジュース組はそんな具合。
そうこうしているうちに出された寿司をつまんでいると、大将の興味は響たちに移ったようだった。
「こっちの方は一体どういった関わりだい」
「響、自己紹介。この俺様の弟子であるということに重点を置いてな」
酔うにはまだ早い、喋りやすいようにという銀乃介なりの気遣いらしい。
「浅井響です。そこの酔っぱらいの弟子になった覚えは無いですけど、将棋指しです」
「はあ……こいつはたまげた。見たとこまだ若いじゃねえか」
「中学通いながらプロになったって、結構なレアモンだよ。今高一だけど、かわいくないんだこいつが、若い頃から稼いでっと生意気になっちゃうんだね」
「それはギンにも言えることでしょ」
「はあ、こりゃあすげえや。あっしが中学の時なんて喧嘩すっかマス掻くかくらいしか能が無かったが、いや、実際大したもんだ」
大将の軽はずみな言葉に、
「響ちゃん、マスカクって何?」
慈乃は反応したが、
「当時のアプリみたいなもんだろ、多分」
響が答えられるはずもない。
「おっとこいつあ失礼、ちっとばかり口が滑っちまったよ……で、そっちのお嬢ちゃんは、まさかやっぱり棋士さんかい?」
「私はまだプロじゃないです」
「ってことは、いずれは?」
「なれたら良いですねえ」
暢気な口ぶりだが慈乃もつい先日の例会で三段昇段を果たしたばかりであり、早ければ来年にはプロの可能性もある。ようやく中学を卒業しようかという年齢、それも女であるのだから、界隈では驚異的どころの騒ぎではない。
「なるだろ、お前は」
即座に断言した響も、銀乃介も、千代も、この場にいる棋士たちは誰一人として慈乃の実力を疑っていない。そしてそれ故、気迫に欠ける慈乃の態度に腹立たしさ、或いはもどかしさのようなものを感じていることも事実だった。慈乃の昇段が話題になると、慣れた人間でなければ解らない程わずかなものだが、四人に流れる空気が変わるのだ。
「しかしこんだけ棋士がいるんじゃあ、身内同士で戦うなんてことにゃあならんのかい?」
「将棋でできた関係なんだから、そりゃ全員将棋指すさ。全員同じ所を目指してるんだから、いずれ戦うこともあるだろうよ」
尤も今は俺の一人勝ち状態だけどな、と銀乃介の高笑い。
「何でえ、銀坊もすっかり立ち直ってやがらあ。先週来たときはどこの葬式出た帰りかと思っちまったが」
先週の順位戦の後も呑みに来たのだろう、銀乃介にしては珍しくばつの悪そうな表情を見せる。
「最終局きっちり勝って残留決めれば来期も見えてくるでしょ。頑張りなさいよ」
千代はそう励ましてから握りを華麗な所作で口許へ運び、ぱくりぱくりと二つで食べた。
「言われなくてもだ……そっちこそ、これ以上負けられないって解ってんのか?」
「今日より楽な相手だもん、軽くひねったげる」
「だとよ。言われてんぞ、響」
銀乃介が笑う。
「現実逃避は良くないって、銀から教えてやってくれよ」
返した響もすっかり不敵だ。
「さっき大将が言ってた身内の勝負、次が丁度そうだ。順位戦の最終局でこいつら二人があたるの。現在全勝で昇級確定の響と、かたや負け越しで降級点圏内の千代」
軽々しく言う銀乃介に、却って大将の方が動揺している。
響は組み合わせ上今日の対局が無かったものの、千代と同じくC級1組に属する棋士であり、そしてまたこれまでの九戦を全勝で固めて二期連続となる来期の昇級を既に確実のものとしている。
「坊主、そんなに強かったんかい」
「自分で言うのもなんですけど、今宋英なんて言われちゃったりもしてるんですよ」
そんな風に大将に言ってみせるのも虚勢ではなかった。
「でもよ……失礼な話、複雑な気になったりしねえのかい? その、自分はこれ以上勝つ必要なくて、身内に勝ち星が欲しい人間がいるって、そういう状況だと」
大将の口にしたいかにも素朴な疑問を響は即座に理解する事ができず、やがてその意図をつかめた時には「ああなるほど」と頷いてみせたほどだった。
「言われてみればそうかも知れないですね、絶対負けられませんし」
今度は大将が理解に窮し、それを見た響が言葉をつなげる。
「だって、負けたら手抜き疑われるじゃないですか。周りがどうこうってのはともかく、本人に疑われたらその瞬間におしまいですから」
と、そこまで言ってようやく、大将は要を得たとばかりに音を立てて手を叩く。
「棋士って連中は、まったく、死ぬ程プライドが高いんだな」
そうねと千代は笑い、そういうこったと銀乃介も笑い、そうなんですかね、と響は今一理解できずにいたがその色は明るい。
ただ一人、慈乃の表情だけが晴れなかった。
店を出て駅まで歩く道すがら、響の隣を歩いていた千代が呟いた。
「あの子、どうなのかしらね」
「どうって」
「将棋、向いてないんじゃないかしら」
「まさか、有り得ない」
響は即座に否定する。話題の慈乃は二人から少し離れた場所で銀乃介とふざけており、まさか話題にされているとは思ってもいないだろう。
「確かに才能に関しては疑いようもないけど、そういうことじゃなくて。勝負って感覚に向いてないから」
「どういうことさ」
「さっき、最終局で私と響があたるって話をしてた時、あの子ひどい顔してたの」
「相変わらずよく見てるね」
「私たちは割り切ってるから何とも無いけど、仮にこの先あの子がプロになれた時のことを考えると、不安なのよ」
千代の言葉を聞くと、響も背筋に寒いものを感じざるを得なかった。
実際の所、勝負において慈乃の気迫が欠けているというのは事実だ。奨励会の対局でも相手が後のない人物であればどこかで腰が引けてしまう。今日の相馬九段のように何かの決意を持って対局に臨んでいるような相手であれば慈乃は実力を発揮できない。八百長とは別の次元で、相手の覚悟と対峙することを躊躇うのだ。
それはこの世界では優しさとは呼ばれず、相手に対する非礼でしかない。
「そんなことになったら、こうして笑えなくなるから」
これまでは研究とはいえ遊びの延長で、お互いにのびのびと指していた。しかし、仮に棋士となればそれは違う。互いを蹴落とさなければ生き残っていけないような対局が日常になる環境で慈乃は全力を出し切れるのだろうか。そうした不安は、響にも解るような気がした。
それでも、と響は踏みとどまる。
「甘いんだよ。そんなだからあいつだって成長しないんだ」
「でも――」
「――仮にそうなってもその時はその時だ。棋士なんだから」
今の居心地が良いからといって、その場所を守るために余計なものを背負い込むなどということは考えたくない。行くべき道は一つだけ、わざわざ回り道しなければならないというのなら切り捨てることを迷うべきではない。
「そんな考えしてるから降級点なんて取るんだよ」
「言うようになったじゃない、響の癖に」
「失いたくないなら全力で殺しに来い、俺たちの関係なんてそんなもんだろ」
「言われなくても……首、洗っときなさい」
そうしてしばらく歩いていると慈乃がアイスを食べたいと言い出したので、コンビニに立ち寄ることとなった。コンビニの明かりで互いの表情が見えるようになる頃には、響も千代も、少なくとも外見上は先の会話など忘れたように落ち着いており、二人の間で交わされていた会話のことなど慈乃には想像もできないだろう。
「響ちゃんは何が良い?」
「俺はおでん食うから、アイスはいらない」
「私もおでんにしよ、寒いし。ギンはどうするの」
「それなら俺もおでんにしよ。これでアイスは慈乃一人」
からかわれた慈乃は、拗ねているのか笑っているのか、何とも妙な顔になる。
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