第11話 放課後 その2

同じ日の放課後


和寒わっさむ 茂辺地もへじ(以下 和と書きます)「おい、美流渡!」

赤井川あかいがわ 美流渡みると(以下 弟と書きます)「へ?・・・どうしたんだあ?血相変えて

  叫んで!?」

和「お前さあ、昨日、2年生の●●先輩からの告白を断ったっていう噂は本当なの

  かあ!?」

弟「なんだ、そんな事か」

和「そんな事とは何だ、そんな事とは」

弟「別に興味ない」

和「生徒会長を別格としても、それを除いた全学年で5本の指に入るのは間違いな

  いとまで言われている●●先輩が自分から言ってきたという事が大事件だって

  いうのに、それをアッサリ断った方も大事件なんだぞ!」

弟「アッサリとは御幣があるぞ。僕は丁寧に断ったぞ」

和「だーかーら、それが勿体ないって事だあ!」

弟「それに、先輩から『それじゃあ、せめて電話番号とアドレスだけでも教えて下

  さい』と言われたから素直に先輩と交換したぞ」

和「はあ?お前、それは脈ありと捉えられるぞ」

弟「そんなもんなのか?僕はよく分からない」

和「だいたいさあ、あの●●先輩のどこが嫌だったんだ?オレだったら120パー

  セントの確率で『ハイ、喜んで』と答えるぞ」

弟「僕は大きいのは嫌いだ」

和「お前、この前も3年生の■■先輩を振ったんだろ!?」

弟「振ったとは語弊があるぞ!」

和「振ったのは事実だろ!」

弟「だいたい、先輩は僕に『付き合ってくれ』などと一言も言ってないぞ!『今度

  の土曜日、もし良ければ一緒に行って欲しい場所があるのですが、何か予定は

  入ってますか?』と言われただけだぞ!」

和「お前さあ、それこそ『わたしとデートして下さい』って言ったのと同じじゃあ

  ないのか?」

弟「マジ!?」

和「しかも、わざわざ体育館裏に呼び出してお前に話をした事から見ても、間違い

  なく百パーセント、デートのお誘いイコール『君が好きです、付き合って下さ

  い』だぞ」

弟「・・・・・」

和「はーーーー・・・多分、お前の事だから『僕は用事があるから無理です』とか

  言って有無を言わさず拒否したんだろ?仮に『土曜日は無理だけど日曜なら空

  いてますよ」とかなら■■先輩は歓喜しただろうけど、そんな言われ方をされ

  たら、先輩から見たら『デートのお誘いを断られたイコール振られた』といっ

  たところだぞ」

弟「・・・・・」

和「どうしてお前には、男どもが羨むような可愛い子ばかりが言い寄るんだ?あの

  ■■先輩といえば、Sクラスにランクインできるほどの人気があるのに、誰も

  落とせない事で有名なんだぞ!それを自分から拒否するなんて・・・」

弟「それは僕に聞かれても困る」

和「お前はどうかしてるぞ!」

弟「じゃあ、逆に聞くけど、お前は●●先輩のどこが魅力なんだ?」

和「そりゃあ決まってるだろ!大きい所だ!!」

弟「それじゃあ、■■先輩は?」

和「もちろん、大きい所に決まってる!」

弟「お前、もしかして巨乳フェチかあ?」

和「お前に言われたくないぞ!」

弟「どうして僕が?」

和「見慣れてる奴に言われたくないぞ!だいたい、お前の姉は間違いなく校内で5

  本の指に入る巨乳だあ!」

弟「何度も言うが僕は大きいのは嫌いだ」

和「だったら、お前の姉がOKしたらオレがお前の姉と付き合ってもいいのか?」

弟「それは断固拒否する!」

和「結構我がままだなあ」

弟「お前に言われたくないぞ!」

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