第19話雑踏

モモは地元であてもなくひとり歩いていた。


今まで自分は自分の人生の主人公じゃない

なんて誤魔化してきたのがよくなかったんだ。


もう、30代なのか

まだ、30代なのか


わからない。


私はこの奈落の底から這いあがれるのだろうか。


雑踏の中今の時代には珍しい公衆電話を見つけた。


そうだ、久しぶりにいとこのゆりちゃんに会おう。

いとこは音楽関係の仕事をしている。

モモは携帯電話を持っていなかったので

その公衆電話から通話することにした。


プルルルル・・・

「はい。もしもし。」いとこのゆりちゃんだ。

「ゆりちゃん?久しぶり。モモなんだけど・・・元気?」

「まぁぼちぼちかな。実は音楽の作曲の仕事をお休み中なの 

 クライアント(お客様)とそりが合わなくて。

 精神的にまいちゃって・・・。」

「ゆりちゃん!!そうなの?実はわたしも・・・


絶望の淵に居るふたりは意気投合し

今度吉祥寺で飲むことになった。

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