短編集

8月号火花を刹那散らせ 1本目

さあ、始まりましたノンストップ育児！

まずはミルクだ。

飲めるか、飲めるか、飲んだー！

よし、次はゲップだ。

首を横にして、トントン、トントン

吐いたー！せっかく飲んだのに吐いたー！

産着をきがえさせるぞ。

腕はひっぱらないようにそっと迎えにいって

着せたー！しっかり着せた！

しかし、何故か赤ちゃんが泣き出した

どうした、どうした

オムツだー！次はオムツを替える！

足首を片手でもって、そっと持ち上げる！

お尻を丁寧に拭いたー！

さっとオムツを敷きかえて、テープを！止めたー！

よし、手際よくできました。

今までで一番良かったんじゃないでしょうかイノキさん。

「そうですねー、鮮やかな尻拭きでしたねー」

オムツを片付けて、次の着替えを準備して

おっとー！そうこうしているうちに次のミルクの時間だー！

ナースコールを…押すか、押すか

押したー！押した、ミルクを頼んだ、さあ、さあどうだ

泣いたー！やっぱり泣いた！

よしよし、よしよし、もうすぐミルクが来るぞ。

キターーーーーーーー！ミルクがキター！

さあ、飲むか、飲むか、飲んだーーーーー！

チュンチュン…

一晩中、し烈な戦いでしたねイノキさん。

「そうですねー、最後に大きな勝負が残ってますね」

さあ、準備がはじまりました。

オムツを替えて、ノートを持って

授乳室に向かいます！

ドアを開けて…居た！やはり居ました！

青コーナー、体重3285g

ササキーヒカーリー!!

対しましてこちら

赤コーナー、体重3285g

タナカーアイーミー!!

同じ日に生まれ、体重の増減も昨日まで全く一緒です！

バチっ！

あっ、一瞬目が合いました‼火花が散りましたねー！

向こうも意識しているようです!!

さぁ、計量が始まります！

まずは青コーナー、ササキヒカリから。

さあ、どうだ、どうだ、出た！

プラス20！！

上げてきました！昨日はプラマイ0だったのに、今日は上げてきました‼どうですかイノキさん！

「なかなかやりますねー。プラスでも20というのは、たいしたものです」

さあ、対しまして我らがタナカ！

どうだ、どうだ、出たー！

マイナス10！！

なんということだー！マイナス10！！

都合30の差だーーーーー！

カンカンカンカン！

こ、これはどういうことでしょうかイノキさん！

「昨夜、一度吐きもどしていますからねー。

やはり敗因はそこでしょうね」

あぁ、タナカ…がっくりと膝をついています…

今日のところはササキの勝利です。

さあ、明日は30の差を縮めることができるでしょうか？

ではみなさん

今日はこのあたりで失礼します。

また明日！