4
なんとかあの娘と二人で一緒に下校することに成功した。
タカシの兄ちゃんに言われたルートで駅に向かうと、路地裏に易者コスの兄ちゃんがテーブルを置いて座っていた。
明らかに不自然だ…
「そこのお二人さん」
「あ、なんか呼ばれてるよ!」
努めて明るく言ってみたが、あの娘は不信感で一杯の顔で言う。
「行こうよ…」
「私には君たちの未来が見える!君たちは最高のカップルじゃ!」
「え…」
あの娘が立ち止まった。
「聞いてみようよ」
「君たちはソウルメイトじゃ!この男ほどピッタリな相手はおらん!」
あの娘の顔がみるみる赤くなる。
タカシの兄ちゃんが目で合図する。
「ぼ、僕たち、付き合ってみる?」
真っ赤になって俯くあの娘。
僕の喉がゴクリと音をたてた。
「わ、わたし…」
「えっ、えぇーーーーーー」
彼女は走り去ってしまった…。
「そ、そんな…」
膝から崩れ落ちる僕。
夢の夏休みが
蜃気楼の彼方へ消えていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます