3

「神様が何とかしてくれるんじゃないの?」


「そんな上手い話、あるわけないだろ」


「そんな…」


「で、誰と結ばれたいんだよ?」


 僕はあの娘のことをタカシの兄ちゃんに話した。


「誰にも言わないでよ…」





「そうか…どうするかな?オマエ、一緒に下校とか出来るの?」


「うん、駅までなら」


「そっか、分かった。ちょっと調べて考えるから、明日また来い」


 はぁ、大丈夫なんだろうか…

まさかの人力。

神様にお願いに来たのに、普通に友達の兄ちゃんに相談しただけになってる…

わざわざ神社で呼び出す意味がない。



 翌日、神社へ行くと、変なおじさんがいた。


「だ、誰?!」


「オレだよ!」


「タカシの兄ちゃん?」


「あぁ」


 つけ髭にメガネ、変な帽子を被っていた。


「易者コス」


「なにそれ?」


「占い師だよ。下校途中で占い師になって待ってるから、二人で来い。最高のカップルだ!って言ってやるから、勢いで告白だ」


「えぇ…そんなんで大丈夫かな?」


「明日、やるぞ。チャンスは一回限り。いいな?」

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