第24話:佐藤君の退職と転職先探し

 そうして、5月の連休明けに佐藤君から電話がかかってきて、木下が横浜に来る時に会いたいというので5月12日土曜日に横浜駅近くで待ち合わせる事にした。久しぶりに会う佐藤君が元気ない様で気になったが、食事をして、話を聞くと、報告書を会社に提出すると、佐藤君の上司の営業部長が弱気すぎると怒ったそうだ。その姿を見て会社に嫌気がさして、やめたいと思っているんだが、次の会社を見つけてからでない退社できない困った顔をしていた。


 ところで、千葉の房総を見て回って素晴らしい所だと感心したと言い、あんな所に住みたいと思うと言った。都会より田舎の方が性に合うのかなと笑った。次に、木下の千葉の知り合いで年収4百万円程度の仕事ないかと本音を漏らした。


 実は、次男がいいところのお嬢さんと結婚して引っ越してから横浜郊外に住んでいる意味も無くなったし、自然の素晴らしい、大好きな釣りも出来るし、外房なんて最高じゃないかと笑った。いや、これは、俺の戯言として聞いてくれと言った。そんな話をしている佐藤君の顔が寂しそうなのは十分にわかった。帰り際に、木下が出来るだけ千葉で仕事があるかどうか一応調べておくが、期待しないでくれと言った。悪いなー、木下と佐藤君が言い、別れた。


 五井の家に帰り、父の木下武雄に聞くと、俺の知り合いでは土建屋の木谷建設の木谷竜一しか知らないが、土建屋だから仕事はきついぞと言った。確か解体工事するにも人手が集まらないので困っていると話してたと言い、電話してもいいぞと言ってくれた。


 そこで信夫は友人の佐藤君は、柔道4段で188cmの大男で力持ち、大型免許持っ、て独身で母と同居、強面だが、気の優しい良い男だと言った。じゃー電話してみるかと父が言ってくれ、早速、木下建設の木谷竜一社長に電話してくれた。


 面接して、良かったら採用したいが、千葉に引っ越せるかどうか、また給料は総額で、精一杯頑張って400万円までだと言った。それで良ければ面接してくれると言った様だ。直ぐに佐藤君に電話すると、是非、面接を受けさせて欲しいと言ってきたので、直ぐに履歴書を書いて、木谷建設に送るように言い、父に面接の日程を聞いてもらう事を約束した。


 来週の6月5日の午後1時から2時の間なら木谷社長が面接すると言われてので佐藤君へ連絡した。木下信夫は、気になったので、佐藤君の面接についていく事にした。すると、木谷社長が木下信夫に、佐藤君との関係を聞くので、中学時代の柔道部でライバルだったことを話すと笑顔で聞いていた。


 木谷建設の事務所で、木下君の面接試験を待った。15分後、社長と佐藤君が面接を終えて出てきた。社長が採用すると言い、今どき、こんな元気そうな大男で、大型免許を持ってるというのだから土建屋に向いてると言い、住む所はどこにすると社長が、佐藤君に聞くと、どこが良いですかねと聞き返した。


 千葉県全域を担当してるから千葉県ならどこでも良いと言った。もし、お金に困ってるなら、古屋の解体を依頼されているところが6件あるから、そこで良ければ、家賃として・不動産の税金を払ってもらえれば、自分で改修して住んでもいいぞと言ってくれた。


 それはありがたいと言い、近々、見させていただきますと言った。最近は3Kの仕事や身体を酷使する仕事をする若者がいなくて、かといって東南アジアの若者は信用できないから採用したくないし、社長自信も高齢になり、身体がきつくなったので、営業も出来て、現場も出来、体力のある佐藤君のような人材が欲しかったと喜んでくれた。


 古屋の場所を教えてもらい、見て良いですかと佐藤君が木谷社長に聞くと、良いよと言った。全部、鍵が、かかってないから見てこいと言った。佐藤君は木谷社長に、お礼を言った。夕方、佐藤君から会いたいと連絡があり木更津近くのファミレスで会うと、古家は鴨川から車で10分、山の方に入った物件が気に入ったのだが、どうだろうかと

写真と場所を教えてくれた。


 仕事に差し支えなければ、大病院も近く、釣りも楽しめるし、良い環境だよと言った。多分、少し手直しすれば、住めると思うと言った。今日は日曜なので、今晩は、近くのビジネスホテルに泊まって、明日、月曜6月9日、木谷社長に古家の改修を依頼してみると言った。


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