第17話:国内旅行と母から腎臓をもらう

 今年は、8月に千歳空港へ飛び、札幌、小樽、函館を旅行した。特に、今回は

函館の男爵倶楽部という、日本初の本格的コンドミニアムで窓際の風呂、キッチン

とコンロがあり、ホタテ、イカ、アスパラを買い込んで、料理して、ワインを

飲みながら食事を楽しめた。函館男爵倶楽部は、日本に男爵イモを導入した

山田男爵が企画したそうで、フロントに毎日、山盛りの男爵イモを置いてあり

、宿泊者は自由に無料で持っていけると言う粋なはからいがあった。


 景色も良いし、最低41m2と言う広さで長期滞在してみたいと考えたが

今年は3泊した。函館山の夜景やロシア正教の教会とか異国情緒のある

雰囲気は、横浜に似て素敵な感じで聞きに行った。


 8月11日に五井に帰ったが、暑い夏だった。日本でも与党が自民党から

民主党になり首相もかわり、妙な雰囲気だった。自然災害も多発し、

インドネシア、南太平洋バヌアツでの大地震やインドの集中豪雨など

天変地異の年でもあった。

 

 12月になって、沖縄に5泊6日で出かけ、おいしくて安いステーキを

楽しんだ。また、那覇のケントスへ行き、若い人が懐かい音楽にのって

踊ってるのを見るのは面白かった。値段も他の全国のケントスに比べて安く

、3日連続して飲みに行った。そうして2009年が去り2010年を迎えた。


 信夫は、昨年、秋頃から疲れやすくなり心配になったので、近くの

大型総合病院の内科を受診すると、すぐ腎臓内科に回され診察を受けた。

詳しく検査を受けた結果、慢性糸球体腎炎という病名がついて、倦怠感が

ひどかったでしょうと言われ、その通りと言い、むくみもひどいので

利尿剤を処方しておきますが、早晩、人工透析か腎移植か必要になる

でしょうと言われた。


 この話を聞いて、まさかと言うと、残念ながら間違いありませんと言われた。

一緒についてきた和美さんも信じられないと言って、落ち込んだ。診察を終えて

、実家に戻り、その話を両親に話すと、私たちで良かったら提供するから

腎移植を受けなさいと言われた。どうせ70代後半で、特に仕事もしてない

ので構わないと言ってくれた。


 この話を聞き、信夫も和美さんも絶句し、涙を流した。必要なら、病院に

一緒についてきて、父が、私たちのどちらの腎臓の方が良いか先生に聞いて

、移植しようと言ってくれた。この思わぬ発言で、和美さんの気持ちも前向き

になり、本当にありがとうございますと言い、来週、病院の予約をしますと

告げた。行く日が決まったら電話してと父が言い、1月18日に病院に

行く事を連絡した。


 翌週の水曜日1月18日、千葉市立病院で、診察を受けて、母親の腎臓の

機能の方が良いとわかり、腎移植の同意書を渡されて、書いて提出した。

 担当医が3月には手術を受けられると思いますよと話してくれた。その後

2010年3月8日に入院して3月15日、手術することになった。木下信夫が

3月8日に入院し、腎臓提供する母の絹恵さんは3月12日に入院した。

 3月15日の午前10時から手術が始まり、午後2時に終了した。母の

絹恵さんは3月17日に退院した。


 信夫は、大事をとって4月30日の退院と決まった。手術後の免疫拒否反応

も、ほとんどなく順調に経過したため退院が早まり4月20日に退院した。

その後、障害者1級の認定を受けてた。その他、年金やその他の手続きを

教えてもらい、手続きを終えた。


 飲酒の制限がついた位であったが、もともと信夫は、ほとんど飲まないので

問題ない。風邪に気をつけるようにして下さいと言われたので、人混みは

避けるようにして、手洗い、うがいを励行した。5月を過ぎる頃には体調も

回復して、疲れやすさも改善した。週に3回の長めの散歩を継続した。


 旅行に関しては、特に問題ないと言われ、夏の八ヶ岳ドライブに出かけ、

普通通りの生活に戻した。やがて9月になり、術後半年検診でも検査データ

から異常が見つからず順調にいっていると言われた。そこで年内に4泊5日で

沖縄旅行を計画しているが、大丈夫か聞くと、全く問題ありませんと言われ

、1年を過ぎれば、基本的に、健常者と同じ様に旅行へ行って構いません

と言われた。

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