2535話 ジャンダーマのキャフィティンのサンダンの妻ヘンク
どうやら私達が狙いらしい。どかどかと入ってきて私達の席を取り囲んだ。
「キサマらか! ヘンク様に無礼を働いたというのは!」
誰だよそいつ……
「あぁーん? 誰だよそいつあよお!? 楽しく飲んでんだから邪魔するじゃねえぞおお?」
「立てい! 話は本部で聞いてやる! 抵抗するというなら無事には済まさんぞ!」
これ絶対話を聞くタイプじゃないよな。のこのこと付いていったら良くて投獄か普通は闇討ちだよな。
「あぁーん!? だーれが行くかあ! 飲み終わるまで待ってやがれってんだあ! なあ魔王よお!?」
行くことは行く気なのかお前。
「おう。行ってもいいが少し待て。今楽しく飲んでるところだからな。で、ヘンクって誰だ?」
「ふざけるなキサマ! ナーガバの
だから固有名詞ばっか言われても分からないってんだ。
「おうおうおうおう! オレだってキャフィティンなんだけどよお!
酷い差別発言だけどカラバ領的には普通なんだろうなぁ。むしろこの街がおかしいのか? やたら女が強いんだもんなぁ。いや、夫の地位を利用してるだけなのか?
「うるさいぞ! キサマごときがキャフィティンだと!? 戯言もいい加減にしろ! もういい! 全員捕縛せよお!」
まあ普通信じないよぁ。こんな泥酔してる野郎がキャフィティンだなんてさぁ。
『風壁』
今は楽しく飲んでるところなんだから邪魔すんなってんだ。
『消音』
これで完全に邪魔は入らない。
でもだめか……追加の注文ができない……
「なあシュガーバさぁ、ジャンダーマって何?」
「あぁ、あいつらクソだぜ? 身内の取り締まりばっかしてやがんだぜえ? もちろんカラバにもいるけどよお……オレあクソ嫌いだぜえ!?」
ふーん。身内の取り締まりか。MPとか憲兵って感じ? つまり権力はそこそこあるってことか。でも、奥さんまで権力があるってのは不自然だよなぁ。この街はどうなってんだかなぁ……
さて、酒も料理もなくなったことだし……
「シュガーバ、動けるか?」
「あぁ? 無理に決まってんだろお? どんだけ酔ったと思ってんだよお! やれっつーんならやるけどよお! どうなっても知らねえぞお?」
「カース、私がやるわよ。だってあの女を叩いたのは私だもの。」
アレクったら。酔ってるくせに気丈な声なんだから。かわいいなぁもう。
「僕としてはさ、食後の散歩がてら奴らに付いていこうと思うんだよね。ファンヤーサにも少し興味があるし。」
女伊達らに兵隊を動かせるところが気になったんだよね。マジでこの街はどうなってるんだろうねぇ?
「カースがそう決めたのならそれでいいわよ。」
「ちっ、歩くんかよ、だりぃぜなぁおい?」
『消音解除』
「総員抜剣! 全力をもってこやつらを皆殺しにしてしまえええええ!」
あらまぁ。物騒なこと言っちゃってまぁ。ドタバタしてたのは見えてたけどさ。ようやく抜くのかよ。
『風壁解除』
『麻痺』
声のでかい一人を除いて全員を麻痺させた。
「行くぞ。案内しろ。」
「あ、ぐっ……案内、だと!?」
「お前が言ったんだろ? 本部に来いってよ。行ってやるからさっさと歩け。そこに行けばファンヤーサもいるんだろうな?」
「お、おられるわけがないだろう! ファンヤーサ様に何用か!」
そう言われてもなぁ……用はないんだよね。夫とその浮気相手の首をまとめて取るような女だから話ぐらいはしてみたいかなって程度だよね。この大陸にしては珍しい気がするしね。
「うるせぇな。お前が来いって言うから行こうって話だろ。案内しないってんなら別に行かなくてもいいんだからな?」
「おおお、おのれぇえええ! どこまで不遜なのだあ! ナーガバ
何だかなぁ……行くって言ってんのに。面倒な奴だなぁ。
『シュガーバ……………をやれ』
シュガーバは当然のように右耳を触り、行動に移った。
「一対一って、お前もう負けてるくせにか?」
「なっ、がぁっ、ぐっおぼぼっ……」
シュガーバのメタリックサンドスライムメタルの鋼線が奴の首に巻きついている。首の切断は無理でも絞殺はできる。
「ほれ、死にたくないならさっさと歩け。放っておくとどんどん締まるぞ?」
「くっ、こ、来い……」
「あぁ、それから俺らの勘定を払っておけよ。楽しいひと時を中断してお前らに付き合ってやるんだからな。」
シュガーバに向かって顎をしゃくる。これで伝わるだろう。こいつの首に巻いたメタリックサンドスライムメタルの代わりは私が水の魔法で代わりを務めよう。シュガーバは現金の回収に忙しいからな。
「ほれ、さっさと歩け。のろのろしてるとその首がなくなっても知らんぞ?」
今使ってる水の魔法だけで首を切断するのはハードだけどね。できないとは言わないけどさ。
それはそうと本部に行くんだったな。えーっと、こいつらは憲兵隊だったか。つまりこいつらって隊長の奥さんにいいように使われてるってことだよな? 可哀想すぎるぜ……
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