1453話 豊穣祭開幕
それから豊穣祭まではローランドの女を集めたり、宿で錬魔循環をしたりアレクとめちゃくちゃにイチャイチャしたりして過ごした。
その間シムやゴッゾには会ってない。強くなってるといいね。
そしていよいよ豊穣祭の初日がやってきた。あんまり人は多くないな。これからまだまだ増えるんだろうか。あ、ゴッゾ達だ。
「よう、早いじゃないか。」
「おう魔王。今日は楽しいお祭りだからよぉ。俺と当たったら覚悟しとけぇ? ボッコボコにしてやるからよ?」
「そこまで勝ち上がれないさ。それより素手部門だと強い奴っているのか? お前以外でさ。」
「あー、そりゃあやっぱ闘士の連中だぜなぁ。今日の参加者だと一級闘士のガオルンとソネラプラあたりかぁ。まっ、俺の敵じゃあねぇぜ!」
闘士……普段からこの闘技場をホームにしてる奴らか。確か五級から一級まであるんだったか。素手で戦いたくはないなぁ……
「そもそも何人参加者がいるんだ?」
「あぁ? 見てないんかよ? 九十三人だとよ。素手部門は少ねぇからよぉ?」
どこでそんなの見れるんだよ……
「ちなみにおめぇの一回戦の相手は三級闘士のボザールって奴だぁ。せいぜい負けんじゃねぇぞ?」
「もうそこまで発表されてるのか……まあ適当にやるさ。」
「俺んとこまで勝ち上がってこいや?」
「お、おお……」
むしろゴッゾの奴こそ負けるんじゃないのか? 一級闘士ってここでの最高峰だろ? それをたかだか闇ギルドのこいつで勝てるのか? そりゃこいつは剛拳ゴッゾって言われるほどの強者かも知れないけどさ? 普段から闘技場で戦ってる奴に勝てるのかぁ? どうせ不摂生な生活してるんだろ?
「おぉし、とりあえず入ろうぜ? どうせ初日は開会式があるからよぉ!」
あー開会式か。そりゃあるよな。
「じゃあカース、応援してるから。いつもみたいにカッコいいところ見せてね?」
「うん! 全力でやってくるね!」
アレクが見てるんだから全力でやらないとな。
「ピュイピュイ」
「ガウガウ」
二人とも応援ありがとね。とりあえずいけるとこまでいってみるよ。
「おう魔王ぉ、こっちだぁ。お前らもさっさと来いや!」
ん?
「お、おいゴッゾ! まさかシムも参加するってのか?」
「おうよ! こいつぁ俺がきっちり鍛えてやったからよ? 案外おめぇにも勝てるんじゃねぇか? なあガキぃ?」
「押忍! ゴッゾ先生の顔に泥ぉ塗るような真似ぁしませんぜ!」
シム……見た目は全然変わってないのに言葉遣いがどっさり変わってる……
一体何が起こった? ま、まあ別にいいけどさ……
「そもそもさ、この祭りって闘士以外にはどんな奴らが参加してんだ? やっぱ冒険者か?」
「冒険者はあんまいねぇな? だいたいは闘士だろうぜ? やっぱ五級の奴らだろうぜなぁ。あいつら装備を買う金すらねぇからよ?」
あー、なるほど。素手部門が初日なのはハードルを下げる的な意味もあるのか。誰でも参加できますよ的な。装備なんか何もいらないもんな。やっぱ考えられてるんだなぁ。少し感心。
「おう魔王、こっち来いやぁ」
「ん?」
「こいつらが
へー。十五人ぐらいか。結構いるなぁ。どいつもこいつも人相悪いし。めっちゃ睨んでくるし。私を睨んでも意味ないぞ。一級闘士でも睨んでたらどうだ?
『静粛に! それではテンモカ伝統の! 本年度の豊穣祭を開会します! なお!本日はご領主様にもご臨席をいただいておりますので! 後ほどお声を賜る予定です!』
なんだよ。出席してんなら挨拶しろよな。もったいぶりやがって。ローランド王国の先代グレンウッド国王は子供の部にすら最初から派手な登場してなおかつ挨拶してたぞ?
『では! 豊穣祭の開幕に相応しく! 豊穣の神デメテーラ様へ誓いの儀式を行います! 一同起立!』
おっ? 参加者だけでなく、観客まで一気に雰囲気がピリッとしたぞ? 儀式だと?
どこからともなく現れたのは狩られた猪のように棒に吊るされている男だった。棒の前後ではそれぞれ屈強な男が担いでいる。その後ろからもう一人、手に刀を持ち悠々と歩いている男が一人……
いずれも上半身が裸の四人もの男が……何をするんだ?
『では! デメテーラ様に捧げる血をお願いします!』
捧げる血?
うわっ……吊るされてる男の首を……斬りやがった。ぽろりと首が落ち、担ぎ手は歩く。会場に血を撒き散らしながら……
マジかこれ……趣味悪すぎだろ……
デメテーラってそんな神なの?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます