第1254話 腐れ騎士の思惑
あれからしばらく飲んでしまった私達だったが、夕方になる頃には部屋へと引き上げた。あいつらがまだ飲んでいるかどうかは分からない。
「ねぇーカースぅー! お風呂はーいろ!」
「うん! 入ろ入ろ!」
アレクがかなり酔ってる。可愛くてたまらんぞ! 私も実は結構酔ってるんだよな。魔力がない時に酒を飲むとめっちゃ回るんだよな。
「お風呂でねぇー! きれいに洗ってあげるの!」
「うん! お願い!」
「そしたらぁ! カースも私を洗ってくれるぅ?」
「もちろんだよ!」
ふふふふ……アレクの可愛さが天元突破だ。意味は分からんが天元を突破しているに違いない。あぁもぉ……どんだけ可愛ければ気がすむと言うんだ! この可愛さをヒイズルの民に自慢したいな……
ミスコンやるか?
だめだな……私が採点したらぶっちぎりでアレクの優勝になることは目に見えている……
ならば私は賞金だけ出して審査はしなければいい!? いや、それではつまらん……
まあいいや。どうせミスコンなんか開かなくてもアレクの美貌は世界一なんだから。あーもー可愛いぞアレク!
風呂ではしっかりとハッスルした。
そしてベッドでは、二人とも力尽き……すぐに寝た。何の魔法も使わずそのまま……後はコーちゃんとカムイが頼りだ……ぐう。
一方その頃、カース達以上に酔いが回った腐れ騎士達は……
「でひゃひゃひゃぁ! この蛇ちゃんめっちゃ飲むじゃねぇーか!」
「飲み過ぎだぜぇ! 俺らの何倍飲んでんだよ! この小さな体でよぉ!」
「俺だって負けねえぞぉ!」
「酒だ酒だぁ! 持ってこおーい!」
「ピュイピュイ」
レストランの客が増えてもバカ騒ぎを続ける四人と一匹。当然注意をされて大人しくなる。
「はぁ……よぉ、お前ら……これからどうするよ?」
「酔いがさめること言うなよ……」
「マジでバンダルゴウ行くか?」
「それもありだよな……さすがにもうヒイズルじゃあ生きていけねぇもんな……」
この四人にしては真剣な顔をしているようだ。
「確かに俺らの手元には一億ナラーの金がある。このままヒイズルにいれば贅沢な暮らしができるだろうぜ……」
「だがバンダルゴウだとなぁ……」
「おお……せいぜい一千万イェンってとこだろぉ? 国力の差ってのぁ惨めなもんだぜ……」
「あっちで高く売れんのは……ムラサキメタリックか!」
「それは俺も考えた。だから
「おお、俺もだ……旦那が派手にばら撒くからつい拾っちまったぜ……」
「ありだな……そんならよ? 俺らの魔力庫に詰まってる鉄鉱石はオワダで売ってよ? 代わりにバンダルゴウで売れそうなモンを詰めとくってのぁどうよ?」
「やるかぁ! ローランド王国で一旗上げてみっかぁ!」
「ピュイピュイ」
「おお! 蛇ちゃんも賛成かぁ!」
「こいつぁイケるかも知んねぇぜ!」
「よっしゃ! そんなら前祝いだ!」
「おお! 蛇ちゃんに乾杯だぁ!」
「ピュンピュイ」
それから四人は女将によって叩き出されるまで飲み続けた。コーネリアスはいつの間にかカースの側に帰っていた。
うーん、よく寝た。たっぷり十二時間は寝たかな。あれ? 隣にアレクがいない。トイレ、それとも風呂かな?
風呂なら私も入ろうかな。ん? この声は?
「はぁ……ん……んんっ……あぁっ……」
「アレク! 大丈夫!? どこか悪いの!?」
「カ、カース! な、なんでもないの! ち、違うの! これは違うの!」
うーん、顔が赤いのは湯船に浸かってるからだよな。特に怪我なんかはしてないようだし……
「どこも悪くないんだよね? 大丈夫なんだね?」
「え、ええ! 大丈夫なんだから! 私は元気いっぱいよ! だから早くカースも入ってきて!」
もちろん入るとも。湯に濡れたアレクの肌は艶々している。いや、濡れてなくてもそうなんだけどさ。
私が湯船に入るとしなだれかかってくるアレク。そして、その白い手が下へと向かう。
〜〜削除しました〜〜
ふう。朝からハッピーだな。アレクが野獣モードって感じだった。昨日の酔いが残ってたのかな? ふふ。
ちなみに今はベッド。戦場を移して三回戦を開始するところだ。
うーん、アレクは今日もかわいいなぁ。
〜〜削除しました〜〜
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