第3話 少女の家

「うーわ……めっちゃ広いな…」

わかっていた、わかってはいたがやっぱりびっくりした。ここは体育館か何かかなというぐらいの広さだ。

(落ち着け俺、ここは異世界。ここは異世界…)


「………さん、……太さん、翔太さん!」

「はっ!あ、ごめん。で何?」

「もー、しっかり話を聞いてくださいよ…いいですか、今から練習場に行きますから付いてきてくださいね」

「す、すいません…」

しょうがないじゃん、いろいろ急過ぎて頭がこんがらがってるんだもん…


それにしてもすごいなぁ、ただの住宅(?)なのに練習場とかあるのか…ん?練習場って何の練習?


「で、何をするの?」

練習場らしきところに着いた。あのモ○ハ○とかに出てくる闘技場みたいな感じだ。

何をするかは大体わかる、今までの話を思い出せば。


「全く話を聞いてないんですね、翔太さん」

「すいません…」

「この世界では魔法使いのことを魔術師と呼んでいます。全ての魔術師は魔力解放ということを行います。魔力解放はその名の通り魔力を解き放つことです」


魔力解放…それをやれば俺も魔法が使えるようになるのか。


「魔力解放って具体的に何をすればいいの?」

「うーん、そうですね…やっぱりこっちの方がいいかな」

ハンナはそう言うと、手を広げた。

すると、2本の巨大な剣が現れた。普通ならすごく驚くところだが俺はもう驚かなかった。


「翔太さんには今から私と戦ってもらいます」

「へー、そうなのか。じゃあ早速……って、え!?」

「はい、翔太さんの剣です。受け取ってください」

剣が俺に手渡された。ものすごい鋭利だ…

あとめっちゃ重い…


「じゃあ、逝ってもらいますね」

「…!いや、ちょっと待って…!」

俺の言葉を聞くことなく、ハンナは剣を持ってこっちにものすごい勢いで向かってくる。


いや、急過ぎない?なんで俺にこの世界を救ってくれって言った女の子に殺されそうになってんの?

俺の疑問は言葉にならず、その状況にただ呆然と立ち尽くすしか俺はできなかった。

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