夢路ー伍 和本蒐集
※
「アレを封ずるため」
と彼は低い声でぽつりと話す。
「かつてある男が一冊の本をその箱に納めた。しかしそれもまた──封が解かれたゆえ面倒なことになってしもうてな」
「本?」
ほれ、と渡してきたのは『和本』と書かれた表紙の、古い和紙の束である。紐で綴じられていたのだろうが、バラバラにほどけてしまっている。
「和本は──ある者たちが歌人ひとりひとりの肖像を、歌とともに描き遺したものでな」
といってタカムラは『めくれ』とジェスチャーをしてきた。
表紙の下にはミミズ文字の羅列が見える。タカムラは「序文が書いてある」と言った。
「昨日、夢見心地に
「歌?」
「わたの原、八十島かけてなんとやら、と。あれは私が詠んだ和歌だ」
「へえ」
「百人一首を知らんのか」
「いやまあ……名前くらいは」
「…………」
彼は閉口した。
その目が「教養のないガキめ」と言いたげに冷めている。
「序文には──昔、小倉山で晩年を迎えた歌人が、とある想いを胸に秘め、百の歌人が遺した歌を選び、歌集をつくった。その作者の名は、藤原定家である──と書かれている」
次、とふたたびジェスチャーでめくる指示を出す。
表紙と序文をめくったその下は、紐がほどけているため一枚一枚独立しているようだ。
『第一番 天智天皇』
と、墨で書かれた文字。
その横には和歌、そして天智天皇であろう貴族が緻密に描かれている。
「そのように、一枚一枚に百の歌人を記したものが抜け漏れなく入っとる──はずだったが」
彼の声が、張りつめたような声色になってきた。
一枚下には、
『第二番 持統天皇』
と書かれた和紙がある。しかしさらに捲ったその下を見ると、
「あれ?」
『第四番 山部赤人』
と、番号が飛んでいるではないか。
彼の声は不機嫌そうにいっそう低くなる。
「封が解かれたとき、同時にこの和歌たちまで散らばってしもうた──」
「は?」
八郎は目を剥いた。
「歌が散らばる?」
「そうさな……分かりやすく言葉にするなら”言霊が逃げた”というべきかな。──口から放った言葉にゃ、言霊というのが宿る。そこに、モノに意思を持たせる『名前』と、姿かたちを持たせる『絵姿』が加わったことによって、こうややこしい事態に陥ったというわけだ」
「わかりません」
「アァ、いい。お前に分かってもらおうなどと高度なことは望んじゃおらん」
「は!?」
それより、とタカムラは八郎を見下ろした。
「昨日、私がお前に仕掛けたことを思い出せ」
「仕掛けた?」
「漁夫を見たろ。あの海原の夢だ。あのとき、お前なにか感じたのじゃないか?」
「…………」
夢のなかで感じたこと。
そうだ。理由も分からずにただただ切なく、心細くて涙が出た──。
「ああ、あれ。なんやったんですか」
「共感だ。お前が感じたのは私があの和歌を詠んだ際の情。詠み人の言霊は情に共感すりゃあ寄ってくる──」
という彼の薄い唇が弧を描いた。
「ついてはその言霊蒐集に、お前の力を借りたいと。こういうわけだな」
「はぁ⁉ なん」
なんで、と反論しかけた八郎だったが、タカムラの眼力を見ればなにも言えなかった。
「なんで? なんでと言ったか貴様?」
「いや。なんで、ちゅうことは……ないですけども、──」
「お前がふらふらと禁足地に踏み込んで、その場を荒らした上に血で汚した挙げ句、封が解かれてしまったせいでこの労苦を担っている私に、なんで?」
「すんませんでした!」
「…………、十年ほど前は言霊も気配を消しとったようだが、ここ一年くらいから言霊が現れてきとる。環奈の協力のもと、なんとか四十数首は捕獲したが」
「えっ、そうなん?」
「ウン」
環奈は明るくうなずく。
「いっぱい、かんなの夢に出てきたのネ」
「なに、そう難しいことじゃない。たとえば昨夜の夢とて同じようなもんだ」
「え?」
八郎が目を見開く。
タカムラはそれから「十一番」と言った。
「十一」
慌てて、紙をめくる。
『第十一番 参議篁』
という名前とともに『わたの原──』という和歌と絵姿も描かれている。
「サンギ、なに。だれ?」
「タカムラ。それ一字で篁と読むんだよ。参議ってのは官位のことだ。つまり参議という位の小野篁のことだな」
「アレ──あ、これ夢に出たヤツやん! 聞いたことあるでおれ」
さっき言ったろ、という言葉は呑み込んで、タカムラは一言「おおそうだろ」とつぶやいた。
「言霊は、封を解いた者自身──つまりお前や、お前と心の近しい者が詠み人と同じ情を感じると──夢に誘われやすい。お前が私の和歌の情を夢で見たあのように」
「かんなもいーっぱい見た!」
「そうだな。しかし──環奈やその周囲だけではどうにも行き届かぬ情もあるわけだ」
と、彼はすこし言いにくそうに言った。
八郎と環奈は首をかしげる。
「ユキトドカヌジョウてなんやねん」
「その点は八郎にも言えるか。……まあ要するに、おのれらはまだ子どもだということだよ」
という発言で八郎はハッとした。
恋、か。
たしかに以前国語の授業にて、百人一首は恋の歌が半数を占めると聞いた。
「ゆえに、そういったことにひときわ多感な高校生をターゲティングして言霊をおびき出す餌にしようと思ったのだ」
「ターゲティングとか言わんなや、平安時代のくせに……」
「おっとそろそろ時間だ」
とにかく、とタカムラは懐からなにかを取り出した。鏡──だろうか。
「特別なことはせんでエェ。これからは用があればこの夢路を辿ってお前のもとへゆく。夜更かしは、せぬようにの」
(…………)
有無を言わさぬ笑顔である。
そのまま「ではまた」と姿を隠そうとしたので、八郎はあわてて「ちょお待ってや」と袖をつかむ。
「どこ行くねん!」
「いずこも行かん。ただ──これからここで歌合を開くでな。その準備をせんといかん」
「うたあわせ?」
八郎は首をかしげた。
歌合──それは、和歌をたしなむ貴族たちの優美な遊びである。
始まりは平安前期、在原行平が開催者とする『民部卿行平歌合』が最古とされている。
時代の変遷とともに位置づけこそ変わってきたが、現代でも短歌をたしなむ者の間で愛される催し物だ。
左右二組にわけた歌人が、一番ずつ詠んだ歌を比べて、審判役や歌を褒める弁護役などの証言のもと優劣を争うのだという。
「パーティーやん。おれらも出たいやんな、かんちゃん」
「だめだ」
環奈が口を開く前に、タカムラはピシャリと言った。
「なんでやねん」
「なんでもなにも、お前たちはまだ生きている」
「そ…………」
タカムラの手が、口ごもる八郎と隣にたつ環奈の頭にのびる。
頭を撫でるその手は、ゾッとするほど優しかった。
「ここから先は亡者の時間だ」
そして八郎の意識はぷつりと切れた。
※
「はっ!」
飛び起きた。
出窓から陽光が射す。みょうに頭がスッキリして清々しい目覚めであった。
台所から母が朝食の準備をする音が聞こえる。
「おはよ」
「おはよう」
「アレ、文次郎おらん……」
「さっき環奈ちゃんと散歩行ったよ。また環奈ちゃんのこと起こしたったみたいで」
「もんじも男やなァ」
「アホなこと言うとらんと、あんた支度遅いねんから。ごはん食べる前にはよ着替えてき」
「うん」
いつも通りの朝だった。
洗面台で顔を洗うのも、いつものようにひと房はねた前髪も。
散歩から帰ってきた環奈は何事もなかったかのように朝飯を食べ、歯を磨く。
柊介の来訪を報せる文次郎の声も、最寄り駅までの会話も、なんら普通に過ぎていく。
「──ほなまたあとで」
「ウン。ばいばーい」
しまいには高校の正門前までたどり着き、環奈はさっさと大学方面へ歩いていってしまった。
浮かない顔でその後ろ姿を見つめる。
柊介は「なんや」と瞳を細めた。
「えらい暗いな」
「──うん。いますんごい喉に魚の骨引っ掛かっとる感じやねん」
「んなもんお前ェ、白飯流し込んだったら済む話やんけ」
「ちゃうねんアホ、ホンマに引っかかっとったらえらいことや。そんくらいもどかしい状況ちゅうこと!」
「だれがアホや」
と凶悪な顔をした柊介など気にもせず、八郎はぐいと彼の肩を引き寄せると、声をひそめた。
「高村六道のことなんよ──」
「……高村て、担任のか」
「そう、その高村」
そして八郎は、今朝見た夢の要約を柊介に伝えた。
オカルトな話が苦手な彼は終始イヤな顔をしながらも、最後まで黙って聞いていたが、話が終わるや「いや」と首をかしげた。
「夢やろ」
「それにしてはさぁ──」
「そない気になるんやったら直接聞けや」
柊介はあっさりと言った。
「現実にせよ、お前の妄想にせよ──あの担任はたしかに怪しいな。アイツも手懐けとるし」
「アイツてかんちゃんのこと? せやんな、さっさとかんちゃんに聞いたったらええんやろうけど……勇気が出ェへん!」
「なんでやねん」
「──まあ、とりあえず今日の放課後にでも高村先生にアタックしたるわ」
と八郎が言うと、しばしの沈黙ののちに柊介は「俺もいく」とつぶやく。
「ホンマ?」
「ああ」
彼はにがい顔でうなずいた。
「ただの夢か聞きにきたんなら──残念やったな、現実や」
放課後。
国語準備室に押し掛けたふたりがなにをいう前に、高村が顔もあげずにそう言った。
「信じられんようならお前の夢にも行ったろうか。柊介くんよ」
「…………」
「証拠もあるぞ。ほら、これがきのう八郎に見せた和本の表紙と、四十九首分の紙も」
と、かばんからそれらを取り出してようやく高村はふたりを見た。にやりと口角をあげて、いやらしくふたりの反応をうかがっている。
とたんに柊介はパッと両手をあげて白旗のポーズをとった。
「俺は一抜けた。ハチ、がんばれよ」
「えっ。なんで急に他人ごとなん」
「責任はお前なんやろ。俺、関係あらへんもんな」
「なんでそないなこと言うん。友達やん」
「いや仕事に友達とか関係あらへん。プライベートと仕事は割り切れや」
とせせら笑う柊介に、高村は「なにをいう、お前」とキョトンとした。
「は?」
「言っとくが、このことを知っているのは環奈と八郎だけだった。なにも関係のなかったお前に協力をあおぐのは申し訳ないと思うていたが──八郎がペラペラ話した時点で、お前も関係者になったんだ、諦めろ」
「…………」
ふたたび固まった柊介は、やがて無言で八郎の首を絞めた。
「アカンあかんッ。アカン死ぬぅ!」
「うるせェ、てめぇ。余計なことしくさってからに──人を巻き込みやがって!」
「そんなん言うても、おれかんちゃんとしゅうには言わんと気が済まんのやて!」
「知るかボケ!」
「まあ落ち着け」
と、高村は取っ組み合いをはじめるふたりの頭を小突いた。
「なにも特別なことをしろってんじゃない。ふつうに生きてくれてかまわんのだ。ただ、これまでよりもすこし、ほんの少しでいい。おのれのこと人のこと──いろんなものと向き合うてほしい」
いつの世もそうだ、と彼は疲れた声を出した。
「人は、大人になるにつれ追い立てられるように生き急ぐ。立ち止まることを、置いて行かれることと恐怖する。気が付けば死を迎え、冥土に来てようやく気付くのだ。──なにをそんなに急ぐ必要があったのかとね」
「…………」
おのれのこと人のこと──その言葉を噛みしめた八郎の視界には、急にいろんなものが飛び込んでくるようになった。
暮れはじめの茜空。窓の外の鳥。積み上げられた本にかぶる埃。
となりに立ちすくむ柊介の息遣いも、自分の心音さえも──。
しかしな、という高村の声に、八郎はハッと顔をあげた。
「向き合うというのはときに傷つくこともある。見たくないもの、知りたくないものを見て知ってしまうことでもある。それが嫌で人は、他人はおろか、自分の心でさえも誤魔化してしまうというのに。そんなことをこの一年、環奈ひとりに任せてしまっていた」
「…………」
とたんにふたりはうつむいた。
「とはいえ、事情も事情なだけに大っぴらに話して他人に協力を仰ぐわけにもいかんだろう? それでも環奈が一番信頼しとるふたりなら、心配ないと思うたのだよ」
「……────」
柊介が唇を結ぶ。
一拍置いて高村は
「なに平気さ。
「…………」
おもしろいぞ、と高村は背後の窓に向き直る。
「時こそ千年違えども──
それからすっかりおとなしくなったふたりは、まもなく国語準備室を退出した。
高村の言葉がぐるぐると胸の内を駆けめぐる。
「…………」
八郎と柊介はしばらく無言で立ち尽くしていたが、ふいに身体を襲った冷気に身を震わせた。
ふと見れば、廊下の窓があいている。
外はすでに日が傾きはじめ、茜空をカラスが飛ぶ。
「……帰ろか」
と、八郎はふたたび肌寒い風を受けて、身震いをひとつした。
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一年のうちに収集した言霊一覧
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第一番 天智天皇
秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ
わが衣手は つゆにぬれつつ
第二番 持統天皇
春過ぎて 夏来にけらし 白妙の
衣ほすてふ 天の香具山
第四番 山部赤人
田子の浦に うちいでて見れば 白妙の
富士の高嶺に 雪はふりつつ
第六番 中納言家持
かささぎの わたせる橋に おく霜の
白きを見れば 夜ぞふけにける
第八番 喜撰法師
我が庵は 都のたつみ しかぞすむ
世を宇治山と 人はいふなり
第十番 蝉丸
これやこの 行くも帰るも 別れては
知るも知らぬも 逢坂の関
第十一番 参議篁
わたの原 八十島かけて こぎ出でぬと
人には告げよ あまのつりぶね
第十四番 河原左大臣
みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆゑに
乱れそめにし われならなくに
第二十一番 素性法師
今来むと いひしばかりに 長月の
有明の月を 待ち出でつるかな
第二十二番 文屋康秀
吹くからに 秋の草木の しをるれば
むべ山風を あらしといふらむ
第二十三番 大江千里
月見れば 千々にものこそ 悲しけれ
わが身ひとつの 秋にはあらねど
第二十七番 中納言兼輔
みかの原 わきて流るる 泉川
いつみきとてか 恋しかるらむ
第二十八番 源宗干朝臣
山里は 冬ぞさみしさ なかりける
人目も草も 枯れぬとおもへば
第二十九番 凡河内躬恒
心あてに 折らばや折らむ 初霜の
おきまどはせる 白菊の花
第三十一番 坂上是則
あさぼらけ 有明の月と 見るまでに
吉野の里に ふれる白雪
第三十二番 春道列樹
山川に 風のかけたる しがらみは
流れもあへぬ もみぢなりけり
第三十六番 清原深藪
夏の夜は まだよひながら 明けぬるを
雲のいづこに 月やどるらむ
第三十七番 文屋朝康
白露に 風の吹きしく 秋の野は
つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
第三十九番 参議等
朝茅生の 小野のしの原 しのぶれど
あまりてなどか 人の恋しき
第四十五番 顕徳公
あはれとも いふべき人は 思ほえで
身のいたづらに なりぬべきかな
第四十七番 恵行法師
八重むぐら しげれる宿の さびしきに
人こそ見えね 秋はきにけり
第四十九番 大中臣能宣
ひかきもり 衛士の焚く火の 夜は燃え
昼は消えつつ ものをこそおもへ
第五十三番 右大将道綱母
歎きつつ ひとりぬる夜の 明くる間は
いかに久しき ものとかは知る
第五十七番 紫式部
巡りあひて 見しやそれとも わかぬ間に
雲がくれにし 夜半の月かな
第五十八番 大弐三位
有馬山 猪名のささ原 風吹けば
いでそよ人を 忘れやはする
第五十九番 赤染衛門
やすらはで 寝なましものを 小夜更けて
傾くまでの 月を見しかな
第六十一番 伊勢大輔
いにしへの 奈良の都の 八重桜
今日九重に 匂ひぬるかな
第六十二番 清少納言
夜をこめて 鳥のそら音は はかるとも
世に逢坂の 関はゆるさじ
第六十四番 権中納言定頼
朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに
あらはれわたる 瀬々の網代木
第六十六番 大僧正行尊
もろともに あはれと思へ 山桜
花よりほかに 知る人もなし
第六十九番 能因法師
あらし吹く 三室の山の もみぢ葉は
龍田の川の にしきなりけり
第七十番 良暹法師
寂しさに 宿を立ち出でて ながむれば
いづこも おなじ秋の夕暮
第七十一番 大納言経信
夕されば 門田の稲葉 おとづれて
芦のまろやに 秋風ぞ吹く
第七十三番 前権中納言匡房
高砂の 尾の上の桜 咲きにけり
外山の霞 たたずもあらなむ
第七十五番 藤原基俊
契りおきし させもが露を 命にて
あはれ今年の 秋も去ぬめり
第七十六番 法性寺入道前関白大政大臣
わたの原 漕ぎ出でて見れば 久かたの
雲ゐにまがふ 沖つ白波
第七十八番 源兼昌
淡路島 通ふ千鳥の 鳴き声に
幾夜寝覚めぬ 須磨の関守
第七十九番 左京大夫顕輔
秋風に たなびく雲の 絶え間より
もれ出づる月の 影のさやけさ
第八十一番 後徳大寺左大臣
ほととぎす 鳴きつる方を 眺むれば
ただ有明の 月ぞのこれる
第八十三番 皇太后宮大夫俊成
世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る
山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる
第八十五番 俊恵法師
夜もすがら もの思ふ頃は 明けやらで
ねやのひまさへ つれなかりけり
第八十六番 西行法師
なげけとて 月やはものを 思はする
かこち顔なる わが涙かな
第八十七番 寂蓮法師
むらさめの 露もまだひぬ まきの葉に
霧立のぼる 秋の夕暮
第九十番 殷富門院大輔
見せばやな 雄島のあまの 袖だにも
濡れにぞ濡れし 色は変わらず
第九十一番 後京極摂政前大政大臣
きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに
衣かたしき ひとりかも寝む
第九十二番 二条院讃岐
わが袖は 潮干にみえぬ 沖の石の
人こそ知らね 乾く間もなし
第九十四番 参議雅経
みよし野の 山の秋風 小夜ふけて
ふるさと寒く 衣うつなり
第九十六番 入道前大政大臣
花さそふ あらしの庭の 雪ならで
ふりゆくものは 我が身なりけり
第九十八番 従二位家隆
風そよぐ ならの小川の 夕暮れは
みそぎぞ夏の しるしなりける
計四十九首
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