相川さんのその後

看護師資格を習得した相川さんは、国内で少し経験を積んだ後、青年海外協力隊(JOCV)に参加し、発展途上国へ旅立った。

マザーテレサに会えたかどうかは分からないが、本当に途上国の医療現場に行った意志の強い相川さんはすごいと思う。

数年後、一度だけ偶然道で会い少し話をしたが、それから相川さんを見ていない。



僕は……お金を貯めて進学した。

週に一度、休日を利用して予備校に通ったが、4年間のブランクは取り戻せなかった。結果2年間の高等教育を受けた。

2年とはいえ、入学金を合わせれば約200万円必要だった。安い給料からコツコツと、自動車の雑誌を立ち読みで我慢し……『よく貯めた自分。えらい』


生活費は別に必要だから、夕方から出来る病院内の別の仕事に就いた。

学業を優先する苦学生に対して、理解のある病院の対応に感謝した。



でも……その努力の全ての目的は、早く自動車の免許取得をしたいから。

『早く卒業して、早く就職して、給料を貰って自動車に乗りたいんだ!!』


卒業後、僕は東京を離れ地方に就職することにした。


『あっ……でも3月に卒業して4月に地方に就職。けっこう田舎だから自動車必用じゃない?免許は今必要じゃない? 教習所に通うお金も時間もないんですけど……』


そこで、原付免許だけ取得して地方へ越した。


『さあ、教習所に通うぞ!』


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