第046話 焦土
『常に危険は隣り合わせに潜む』
フォロティの街は
暗い夜道を警戒しながら進んだ
「くそっ!」
カルドは小さく舌打ちした。
「
背中をやや丸めて両拳を強く握り締め、小刻みに震えながら悔しさに耐えていた。力の限りに眼を閉じながら、表情は強烈な怒りを発していた。その後ろにいたティスタは力なく尻もちをついた。彼女は近視で遠くが見にくいので街の詳細が見えていなかったが、カルドの様子を見て状況を察していた。その後ろにいた
「門の上の方が壊されていて、そこが真っ黒だ。壁も同じ感じ。おっきな建物が途中で折れてて、そこも黒くなってるよ。街には誰もいない感じがする」
横にいるカルドには見えない詳細をスラスラと話す
「街の様子を見に行くか?」
感情が昂っている3人をよそに
「俺に見える感じもクウィムと同じだ。おそらく誰もいない」
エルフは人間よりも夜目が効くと言われており、その能力を元に発せられた台詞だと思われた。
「…、そうだな…。状況を把握することは大切だ。様子を見に行こう」
「エドワード様。恐れながら申し上げますが、街に敵が潜伏している可能性も考えられます。一旦夜明けを待ち、街が見渡せそうなあの丘に移動しましょう」
そう言って西側に位置する街から少し離れた小高い森を指差した。ティスタは
「えっ、でも、誰もいないと思うよ」
そこに割り込んだのは
「急ぎたいけど、暗がりは危険だ。断崖を登坂した疲労もあるし、一旦あの丘に行こう」
「
「待てっ!」
「大丈夫っ!レヴィがいるから負けないよっ!」
その様子を察知したかのように
「さて、大陸の
戦闘モードに入った3人の側から
「エドワード、手を出すなよ」
闘う気を増幅させていた
「えっ⁉︎なんでっ⁉︎」
無意識のうちにそう呟き、やや間抜けな顔になっていた。視線の先に見える
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