第041話 笑顔
『窮地にこそ思いが滲み出る』
よろめきながらも立ち上がり、小さな人間を視界に捉えていた。立つのがやっとの状態だったが、すぐ側にいる子を守らねばならない。子に被害が及ばないことが最優先事項だった。この命にかえても。
目の前には凶暴な
そんな生命の危機にあるにもかかわらず、
3人が見守る中で
そこに親獣の横で身体を擦り寄せていた子獣が
子の反応に影響されてだろうか。親獣の警戒感は急速に減少していった。
子獣が直立して伸びた親獣の四肢の下に潜り込んで、親獣の両前脚の間から顔を出して
親獣が
時折身体がふらついていたが、
「彼女は一体…」
ティスタは思わず口にしていた。
「何者…なの⁉︎」
理解を遥かに超えた行動を見せた
獣の親子が立ち去った後に2人は
体力の差で若干速く
「クウィム!大丈夫かっ⁉︎」
思わず声を上げて、彼女の両肩を掴んで揺すった。その間にティスタも追いつき、
「笑ってる…」
ティスタは無意識に呟いていた。それを聞いて
「クウィムをありがとう」
その後足を引きずるようにしながらも岩場を乗り越えてきたカルドが4人の元に辿り着き、
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