第040話 親子
『己の常識が覆される瞬間がある』
それを見守っていたティスタはカルドが動くのは無理だと察知して、
「私が見に行ってくるから、カルドはここで待っていて」
と言ってカルドに目線を落とし、カルドに対して左の手のひらを見せるようにして動かないように制した。立ち上がるのに苦労するような状態では岩場を乗り越えて
しかしカルドは首を横に振って、
「俺も行く。ただ、エドワード様が心配だ。ティスタは先に行ってくれ。後から追いかけて追いつく」
と言って、自分の現状と
ティスタは無言で頷き、
子獣はようやく動ける程度の体力だと思われたが、人間よりも巨躯であり、その体内に蓄えられるパワーは大きなものがあった。後脚に重心を設定して前脚をやや伸ばし気味ながらもすぐに飛び掛かる事ができる体勢で、目の前の
「ひっ、…」
それは
「
隊の司令官らしい発言と話し方だったが、その表情は青ざめていた。
ティスタは
聴覚を失ったようになっていた
「えーーーーっ⁉︎」
しかし
2人と
そんな心配をよそに
すると親獣がピクピクと全身を震わせながら微動し出して、意識を回復させたのが分かった。鼻面を舐めていた子獣は舐めるのをやめて、親獣から少しだけ距離を取って様子を見守った。親獣は頭部を地面から上げて、震えてブレながらも前脚を立てて上半身を起こし、続けて後脚も同じようにして立てて全身を起こした。
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