第014話 行先
『縁故が導く想いが光の道を指し示す』
青白い光で視界を遮られたままどれ位の時間が経過しただろうか。時間の感覚を失ってしまった。それどころか空間の感覚もなくなり、上下も左右も分からなくなって、宙に浮いているような認識になっていった。
レヴィスターに何をされているのだろうか?何を考えているか読めないあの
包み込まれている青白い光が作り出す心地良さは時間の経過とともに増していき、母の胎内の羊水に浮かんでいる胎児が感じると言われている無重力に近いような気がした。その心地よさと反比例して視界は段々と狭くなっていき、青白い光が手足を飲み込んでいった。飲み込まれる範囲は段々と大きくなり、下半身から上半身へと広がり、最後は何も見えなくなった。
教会長室で
彼女の神通力は非常に強く、神々を加護を受けた教会の建物全体に意識を行き渡らせる事が出来た。
エリスの意識が教会内のある変化を捉えていた。それは教会内の地下室で発生していらようだった。その部屋は今ここにいる教会関係者の誰も知らない極秘の部屋で、この
魔法陣の極秘の部屋から反応があるという事は国内の教会から何かが転送されてきた事を意味していた。非常に限られた教会関係者が
これまでこのような事態が発生した事はなかったので、エリスは非常に強い緊張を感じた。まずは誰が転送されて来たのかを確かめる必要があるため、急いで極秘の地下室へ向かった。最上階にある教会長室から地下の最深部にある魔法陣の部屋まで8階層あるため、歩いて階段を下りるだけでも一苦労だったが、彼女は息を切らしながらも走り続けて駆け下りた。
辿り着いた地下室の扉は青白い光に包まれており、
そこには王国の隠密の者が一人仰向けになって倒れていた。フードで隠れていないその顔に見覚えがあり、エリスは取り乱しながら彼女の名前を叫んで飛ぶようにして駆け寄っていた。
「ヴェスっっ!!?」
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