第013話 指環
『旧知の縁が導きを与える』
エリザベスはほんの僅かの間ではあるが気を失っていたようだ。意識を取り戻してすぐ呼吸を整えるためにゆっくりと深呼吸をした。
あと一瞬遅ければ
ここは
乱れていた呼吸が落ち着いた頃、地下室の床に描かれた五角形の星型をした魔法陣を発見した。精巧に描かれたその魔法陣の文様は神々しい雰囲気を醸し出していたが、
その魔法陣に近いものをどこかで見た事があるような気がした。目を瞑って必死に思い出していると昔の記憶が蘇ってきた。それはアイツに貰ったミスリル銀製の指環の模様に酷似していた。あの指環は絶対になくすなとアイツに言われていたから、愛用している
アイツ・レヴィスターが絶対になくすなと言っていた指環だから、きっと高価な代物だろうと思っていた。貰った当初は生活に困った時は売り払ってしまえば足しに出来るだろうと当てにしていたが、愛剣の一部として次第に愛着を感じてしまい、それからは売却する意識はなくなっていた。
思い起こすと懐かしく思えてきて、
「こっ、これは、一体…!?」
思わず声をあげた。そして愛用する
魔法陣の近くに転がっていった
魔法陣からこれまでとは違う強い光が天井に向かって発せられて、エリザベスの視界はほぼ真っ白になって、何も見えなくなった。
「レヴィスターの奴、一体何を仕込んでいるんだ…!?」
エリザベスは意識を失っていった。
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